【後編】クラウドファンディングの魅力|All or Nothingのワクワク感
※前編はこちらからお読みいただけます。
是非とも達成して欲しい!真剣勝負の『All-or-Nothingプロジェクト』2選
その①【かんぷれ -KANTAN Play core-】
前述のゆーいちさんが次に挑んでいるのは、インスタコードのエッセンスをさらに発展させ、楽器というよりはまるでゲーム機器のようにも見える新しい音楽デバイスの商品化。
音楽経験の全くないひとでもすぐに弾ける、楽しくて新しい電子楽器。
小さなお子さんと気軽に楽しんだり、さまざまな方法で文字通り「かんたんに」音楽を楽しむことができるデバイスです。
今回も、ゆーいちさんの取り組みは真剣勝負そのものです。
週末にはご本人が自ら赴き、さまざまな場所でデモを行い、機会があればメディアに登場し、魅力を語る。そのひたむきな情熱に会った人は誰もが胸を打たれることでしょう。
これを書いている時点では残り29日で、あと45%。最初の10日で2,000万円を集めた勢いのあるプロジェクトなので、残りでどれだけの共感と支援を集めることができるか、注目しています。
その②【ENVISION: Smart Binoculars】
大都市でも精緻な天体写真を撮ることができるスマート天体鏡「eVscope」を開発し、世界をあっと驚かせたUnistellar社。その彼らが新たに開発したのは同じ仕組みを利用して、昼夜共に使うことのできるスマート双眼鏡。AR(拡張現実)技術を駆使して、望遠鏡を覗いた先に見える映像に説明が入ります。昼に遠くの山を見れば、山の名前。夜に空を見上げれば、星や星座の名前が表示されます。
他にもハイキングのトレイルを示してくれたり、気になる対象をロックオンすれば、隣の人に双眼鏡を渡しても、その目標物を案内してくれます。
思わず自分もポチッと支援してしまったのですが、こちらのプロジェクトの目標金額はなんと、4億円!
こちらは残り21日で、すでに2億5千万円を集めているものの目標まではあと38%あります。こちらのプロジェクトも何とか頑張って欲しい!
日本語の説明はこちら
「物語に参加する」ということ
このようにAll-or-Nothingの仕組みを使うと、大きな挑戦を皆で支援することができる一方、目標に届かなければプロジェクトも実現しないことからいかにプロジェクトに参加してもらえるか、がとても大切になります。
プロジェクトオーナーの方々がよく言われるセリフに「いいね」ではなく「支援をして!」というものがあります。知り合いの方が頑張っているのを見ると、応援したくなります。ただ、『「いいね」したよ!』だけではプロジェクトは実現しない。一人一人が実際の支援を通じてプロジェクトに参加し、実現に向けて協力をする必要があるのです。
プロジェクトを支援すると、その見返りとしてプロジェクト実現に向けた「長い旅」に参加することができる。いわば、そのプロジェクトに「一枚噛んでいる」状態になるのです。
ものづくりは、一筋縄ではいかないもの。その道のりは長く険しく、時には予想もしていなかったような壁に当たったり。そうした苦難も含めて、道中のさまざまな物語を参加者全員で共有し、最終的なゴールとしての商品生産・お届けに至るまでを楽しむ。
旅の傍観者ではなく、当事者の一員として旅に参加できる。これは、クラウドファンディングの醍醐味の一つだと私は思うのです。
日本のクラウドファンディングは、そうは言っても「出来レース」が多く、すでに商品生産の目処が立っているものがほとんどです。それはそれでとても楽しいのですが、やはり本当にクラウドファンディングの面白さを味わえるのは「All-or-Nothingで、まだ目標に達成できていないプロジェクトを支援し、その目標達成に向けて自分自身が協力すること」なのではないかと思うのです。
ぜひ、そんな物語に参加してみてください。