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【前編】クラウドファンディングの魅力|All or Nothingのワクワク感
こんにちは、きびだんごのまつざきです。
クラウドファンディングの魅力に取り憑かれてから、早いものでもう13年が経ちました。
これまでにKickstarterで支援したプロジェクトの数は436件。金額は...聞かないでください。(知りたくないし)
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他にもIndiegogo、MakuakeやCampfire、Readyfor、Greenfunding、そしてKibidango…全部合わせると1,132件ものプロジェクトを支援してきました。
何がそこまで面白いのか。
クラウドファンディングと言えば、まだ見たことのないような新規性に富む商品や、そうした商品をいち早く、しかも安く手に入るなど、様々な魅力があります。
ただ、クラウドファンディングを語る上で忘れてはいけないとても大きな魅力は、クラウドファンディングの持つルールの一つ「All-or-Nothing(オールオアナッシング)」にあると思っています。
All-or-Nothingとは
All-or-Nothingというルールのクラウドファンディングプロジェクトでは、あらかじめ決められた目標期限までに目標を達成しなければいけません。期限までに目標が達成できなければ「御破算(ごわさん・ごはさん)」、すなわち何もなかったことになってしまうのです。プロジェクトを支援していた支援者の方々はお金を払わなくてすむ一方で、自分が欲しかった特典をもらうこともできません。プロジェクトを立ち上げた起案者・プロジェクトオーナーは、必要としていた資金が得られないという残念な結果になってしまいます。
実はクラウドファンディングには別のルールもあります。「All-in(オールイン)」と呼ばれるもので、目標金額に関わらず一件でも支援が入ればプロジェクトは達成、支援した人は特典をもらえるというもの。こちらの方がはるかに支援者にも起案者にも優しいルールです。
世の中にたくさんあるクラウドファンディングでも、採用しているルールはまちまちです。もう少し言うと、All-or-Nothingだけを採用しているクラウドファンディングプラットフォームは世界的にもKickstarter、Kibidango、Greenfundingなどごく少数です。
なぜAll-or-Nothing?
ではなぜ、敢えて厳しいルールを使うのか。
単純に「それが必要だから」です。
例を挙げてご説明しましょう。
たった1分の練習でギターやピアノのようにコード(和音)を弾ける、全く新しい電子楽器、InstaChord(インスタコード)。単なる「初心者向け楽器」ではなく、練習するほど上達し、楽しみながらコード進行が身に付く優れものです。
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プロジェクトオーナーのゆーいちさんは、自己資金を捻出して自らの思いを元に1台のプロトタイプを作りました。プロトタイプは一台一台すべて手作りで作らなければならず、最終製品とは比較にならないくらいの資金が必要となります。InstaChordの場合、プロトタイプを作るのに約1,000万円かけたとのこと。
![](https://assets.st-note.com/img/1720423682114-IcL8CzK3dY.jpg?width=1200)
そうして完成したプロトタイプを使って、デモを行ったり、実際に様々な人たちに演奏してもらい、製品の魅力を伝えることができるようになりました。
ところが、実際にこの製品を量産しようとすると、さらに莫大な資金が必要になります。その額、なんと6,000万円。ゆーいちさんとしては、そのうち1,000万円は、借金してなんとか工面できる算段がありました。
逆に言えば、5,000万円よりも少ない金額が集まったとしても、必要な金額には届かず、製品を作り支援者の方々にお届けすることができない。なので必然的に5,000万円が「目標金額」となるわけです。
ものづくり、というのはそれくらい大変なことなのです。
クラウドファンディングを開催したゆーいちさんは、設定された8週間のプロジェクト支援期間のうち、残り2週間で目標の5,000万円を達成、最終的には8,000万円もの支援を集めることができました。
プロジェクト開始当初は目標金額に届かずプロジェクトが不成立に終わっても仕方がないと思っていたものの、スタート直後から数百人の支援が集まり、多くの応援メッセージが寄せられたそう。
これで演奏の夢が叶えられそうです」
「絶対に達成して下さい」
「素晴らしい製品を開発してくださりありがとうございます」
などなど
毎日毎日届くメールを読むうちに
「絶対に製品化しないといけない!」
という使命感が日に日に高まっていきました。
支援者の人たちに背中を押されて、ゆーいちさんご自身がさらに自分の作ろうとしている製品に対する自信とコミットメントを強めていかれたのがよくわかります。
<後編に続く>