おじ&ロリのロリの話>ロリ&おじ〜アバター配信〜
私は自分の声が嫌いだった…よく大人っぽい声だねって言われたけど…
見た目が子供っぽいから余計に声が大人っぽく聞こえるみたい…
そのギャップが良いんだよって言われたけど…ただ面白がってるだけだよね…
私は声の事を言われたくなくてあまり喋らなかったし、なるべく話さないように自分からは人に近付かなかった…
だから私は一人でいる時間が多い…そんな私の必須アイテムは本…小説だ。沢山読んでいくうちに自然と物語を考えるようになって、それを書きとめるようになった。
物語だけが私を癒やしてくれた…
高校受験…元々1人でいるのに慣れていたから、みんながライバルとかそんなの気にならないと思っていたのに…そのピリピリとした空気、何気ない言葉の棘に私のメンタルはやられていた
今まではいい意味で無関心、私に悪意が向けられていなかっただけで、私も気にする事が無かったのだ。
何気ないような些細な事でも私にチクチクと突き刺さり、今更ながら自分がそんなにメンタルが強くなかった事に気づいた。
私はそのストレスにやられて、独りでいる事に耐えられなかった。
私を見てくれる人、私を認めてくれる人、私と一緒にいてくれる人
私は自分という人間をちゃんと扱ってくれる人に側にいてほしかった
だから私は配信を始めた。このアプリはアバターで配信できて顔が分からないのがなにより良かったからだ
アバターも好きに変えられてゲーム感覚でできて楽しいのも良かった
私は大人っぽい声だねってよく言われたので、顔出ししなくていいこのアプリなら大人としてやっていけるんじゃないかと考えていたから、設定やら口調やら色々考え試して、とてもワクワクしていた
初配信…散々だった。何もできなかった。せっかく入ってきてくれたのに、声が出ず固まってしまった
コメントまでしてくれたのに…数秒の無音…私は何も言わずに配信を閉じた…
あんなに楽しみでワクワクしていたのに、極度の緊張で私は声が出なかった。来てくれた人に悪い事をしたと自責の念にかられた
落ち込みながらも、配信終わりに送るありがとうメーセージに謝罪の文を書いて送った
せめてもの罪滅ぼし…なんてことはない…こんなのは自分への罪を軽くする為の行為だ
来てくれた人がメーセージを見てくれるか分からない。あんな事したんだから見ないだろう…
これから先配信はどうしようか…諦めようか…いや…ここでやめたら意味がない…少しずつでもいいから配信はやっていこう…
配信2回目…初配信の時に来てくれた人がまた来てくれた…
私はまた固まってしまい声が出ない
しばらくの沈黙の後コメントを知らせる音がなる。その人がコメントをくれた…
「メッセージ読んだよ。謝らなくていいから初配信は緊張するから声が出ないとか良くある事だからね。
それより謝りのメッセージくれるなんて○さんは良い人なんだね。そのまま放置とか多いから、思わず嬉しくなったよ。○さんの事気になるから配信来させてもらうね」
それを見て私は、ありがとう…自然とその言葉を発していた
「良い声してるね。僕の好きな声だ。これは絶対通わせてもらうよ
僕は○さんの事が気になってしかたないよ。常連になるから仲良くなりたいな」
そのコメントで私はまた…配信を閉じた…
私の声がいい声…私の声が好き…私を知りたい…
私はどうしていいか分からなくなり思わず閉じてしまった…
またあの人に悪い事をしてしまった…だけど…笑って許してくれそうな気がして初配信の時のような罪悪感は無かった
また配信をすればあの人は来てくれるそう思えた…
深呼吸して息を整え配信を開始した
すぐにあの人は来てくれた
「ごめん。僕が何か気に触るような事言っちゃったかな。そういうの分からなくて、嫌な時はすぐに言ってね。もう言わないから」
その人は私に謝ってくれた…私が悪いのに…
「○さんと仲良くなりたいから色々教えてね。気をつけるから」
ありがとうございます…私も●さんと仲良くしたいです…こんな私に優しく接してくれて…私と仲良くしたいって言ってくれて…私…すみません…一旦閉じます
私はまた配信を閉じた…何故か涙が出てきて話せなくなったからだ…
ひとしきり泣いて落ち着いたらまた配信を始めた
●さんは来てくれるかな…また閉じちゃって迷惑かけてばかりだ…
すぐに●さんは来てくれた…
「大丈夫?無理しなくていいよ。泣いてたよね。僕の事は気にしなくていいからね。○さんが楽しく配信できないんじゃ意味ないよ。また配信があれば必ず来るから」
大丈夫です。もう落ち着きましたから。●さんには迷惑ばかりかけてしまってすみません
「迷惑なんかじゃないよ。大丈夫なら良かったよ」
心配かけてすみません…あの…私を気づかってくれて、ありがとうございます
●さんも本が好きで沢山読んでいて小説も書いているそうだ
私と一緒…私は嬉しくなって考えていた設定や口調やら、そんなものはもうどっかに言ってしまって、ありのままの自分で●さんと話しをした…年齢以外は…
●さんは、しきりに自分はおじさんだからと言っていた…この配信アプリは若い人が多いから自分の歳を気にしているみたいだ
私は歳なんか気にしないのに…
そんな●さんに私の歳を伝えられなかった…私は中学生…嫌われるのが怖かった…だから私は年齢に関する話題は上手くはぐらかして話した
私は本を沢山読んでいたおかげで上手く話を合わせられていたと思う
物語を読んでいる間私は色々なキャラクターになって、その物語を追体験してきた…それらは私の中に溜まっていて私が必要になった時にでてきたくれた…
私が独りで過ごした時間も無駄じゃなかったと思えて心が暖かくなった
●さんは私が配信すると必ず来てくれてずっと一緒にいてくれた…
気づいた時には…私は●さんの事が好きになっていた…
いつから…初めからかもしれない…
●さんは優しい…ちゃんと私を見てくれる、私を気にかけてくれる…
私は膨れ上がるこの思いにたまらず…好きと言ってしまった…
●さんは戸惑っていたけど、自分も好きだと答えてくれた…
その瞬間私の世界が変わったのが分かった
世界は色濃く染まり全てが力強く見えた
私は嬉しくてたまらなかった…だけど、同時に不安もあった…私の年齢…それを知ったら嫌われてしまうかもしれない…
でも●さんに嘘をつきたくない…本当の私を知ってほしい…好きになってほしい…
私は●さんに言ってしまった…●さんに会いたい…現実で…
●さんが隣の県だって言うのは聞いていたから…
会える距離だと言うのは分かっていたから…
もう、気持ちが止められなくて言ってしまった…
私は●さんと会うことができた
●さんは私を見て私が中学生と知ってから終始難しい顔になっていた
●さんは優しい…私の中学生という言葉が、私をどう扱っていいのか悩ませているようだ
私を嫌いになったわけではいのが救いだ…
結論から言うと私は●さんと付き合えるようになった…ただし、それは大学入学して落ち着いてからという長い期間を待たないといけない…
そんなに待てるだろうか…今はまだ我慢しないといけない…今は一緒にいれない…せっかく会えたのに…もう帰らないといけない…
落ち込む私に●さんはお土産を用意してくれていた
この何気ない気遣いが何より嬉しい…私を大事に思ってくれてるのが分かるから…
しかも私が好きって言ったお菓子…私は●さんが好きだ…
私が集めてるって言ったストラップがついてるお菓子…もう大好きだ…
信じられない…私が欲しかったストラップ、全然当たらなかったのに…●さんはそれを当てた…凄いよ。これは運命だよ。私と●さんを神様が祝福してるんだよ
私は凄く嬉しい気持ちになったけど●さんは私が帰る時もまだ難しい顔をしていて私はその顔に、たまらなく不安になる
●さんはもう私の配信に来てくれないんじゃないかって…その危惧は徒労に終わった
●さんは来てくれた私の配信に…いつもと変わらぬ様子で…
私が配信すると必ず来てくれる…なにも変わらない…同じなのだ…
私は…●さんと会ったという出来事が無かったことになっているんじゃないかって不安になる…たまらず言ってしまった。私と付き合って、アプリ内だけでいいから…
はたして…私達は付き合い始めたのだ
あっ!●待ってたよ!○に会いに来てくれた!嬉しい!
僕も○に会えて嬉しいよ
○チャットの写真見た?
うん。見たよ!私の宝物●がくれたストラップと同じストラップだよね
そうなんだ。当ったんだよ。同じやつ。
○が好きなお菓子食べたくなってさ、買ったら出てきたから驚いたよ
○は当たらないって言ってたからさ
えっ!凄いよ!私のも●が当てたんだから
●が買ったの2個共そうだなんて凄いね!
そうなんだよ。だから凄く嬉しかったんだ。これで○とおそろいだよ。
えっ…おそろい…私も嬉しい!●も私とおそろいで嬉しいんだ!私凄い嬉しい!
運命だよ!私達神様に祝福されてるよ!
あはは、大げさだな。
ううん。●と出会えて本当に良かった!●と付き合えて本当に嬉しい
はは、そう言ってもらえると僕も嬉しいな…
まあ付き合うって言ってもネットの中の話だけどね。リアルだとおじさん捕まっちゃうよ
2人並んだら親子にしか見えないし、ホント通報案件だよ
●は、いつもそんな事言うけど、おじさんじゃないよ。●は若いよ。
2人並んでも兄妹に見えるくらいだよ
ありがとう…若く見えるって言ってもおじさんだからね
○は見た目ロリだから、これはもう通報案件なんだよ
私って見た目ロリなの?
ロリです…
○って付き合い始めて変わったよね。なんか幼くなった
えっそう…嫌?
嫌じゃない。凄く可愛い
良かった!ならいいじゃん!私達付き合い始めたんだから、もう大人ぶる必要ないし。私はありのままでいいんだよね!
そうだね…○は今の方がいいよ。もう自分を偽らないでね
うん。もうずっと私は私でいるよ
ネットの中だけの関係…現実ではできない事…私はそれだけでも嬉しかったし、これなら大学入学まで待つのも苦じゃないと思えたけど…どんどん好きになる気持ち…抑えきれない…●に会いたい気持ちが…