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Day5 : 欲まみれの小売店
昔から好奇心旺盛で、気になることややりたいことがたくさんあって、
それに伴うように将来の夢がコロコロ変わっていった。
幼稚園の卒園式では壇上に上がり、一人ずつ将来の夢を叫ぶ。
「かみのけのごむやさんになりたいです!!!」
これが当時の私の夢だった。
周りの子がケーキ屋さんだとかサッカー選手だとかキラキラとした夢を
語っている中、幼き私が胸を張り大声で叫んだ夢はまさかの小売店。
今考えてもそんな夢を思いついたのか不思議ではあるけれど、
確か、家の近所にあったモールの中に少女向けの雑貨屋さんがあり、
ピンク色の店内に目をひく雑貨がわんさか置かれていた。
回転式のラックにさまざまな髪ゴムがかけられていて、
クルクル回しながら選ぶことが楽しかった。
おねだりをしても頻繁に買ってもらえるものでもなかったから、
自分が "髪の毛のゴム屋さん" になれば、お店に置いてある商品は
使い放題だと思ったのだろう。
そんな欲まみれの夢だった気がする。
そもそも髪ゴムを好きになったきっかけというのも先生が結ってくれる三つ編みが好きだからだった。
毎日お昼寝を終えた後、ボサボサになった髪の毛をいとも簡単に、
且つ可愛らしく結ってくれるのだ。
不器用な母曰く「あんたは髪がサラサラすぎるから結いにくい」そうで、
家でやってもらうことがあまりなく、
いつしか三つ編みはレアなものになっていた。
朝は母にシンプルにくくってもらって、夕方にはおめかししたような髪型になってお迎えが来る。
三つ編みはおしゃれさんがやるもの、お姉さんがやるものという思考がどこかにあったのだろう。
1つくくりや2つくくりなどのシンプルなものとは違い、
三つ編みは格段にお洒落に見えたのだ。
今でもやっぱり三つ編みは好きで、髪の毛を切るかどうか決める時も三つ編みができる長さというのが絶対条件に入るぐらいだ。
あの時のようなキラキラとしていて可愛らしい髪ゴムは使わなくなったけれど、三つ編みの先にリボンをつけることが1番のお気に入りだ。
Day5 : 昔はどんな子供だったのか