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#21 M泌尿器科訪問(大都市圏)&医療通訳を付ける&血液検査<2019年5月>

病院が始まる朝8時に僕たちは、W産婦人科のドクターに紹介された、市内にあるM泌尿器科に向かった。妻も僕も仕事をしており、終了後にお互いの職場へ行く段取りで進めていた。
(M泌尿器科は、僕たちの職場に行く途中にあって、場所としてはちょうどよかった)

病院は市内中心部の駅の近く。オフィスビルが立ち並ぶ。
その中にバロック建築に似た古びたビルがあって、病院はその3Fにある。
エレベーターには自分で閉める内扉がついているタイプで、いかに古い建物かを物語っていた。

着くやいなや、受付には女性2人が座っており、アポイントの時間と名前を伝えると、待合室で待つように言われた。
5分ほど前に、前もって到着するよう病院に向かったが、
ドクターはまだ到着してないようだった。

(オーストラリアではよくある話ですが、仕事開始5分前でもオフィスに来るという習慣がこの国にはあまりない。ギリギリが多い。しっかり来て準備する人もいるけれど。。。。日本ほど時間厳守してる国は他にないように思う)

そうこうしているうちに、ドクターが到着して、自分たちに挨拶をして診察室に通された。
お医者さんはアジア系で中国人だろうか。ベトナム人だろうか。
小ぶりな男性のお医者さんだったが、第一印象は良くもなく悪くもなく、そんな印象だった。

(病院に行くときは、前回のW産婦人科もそうだけれど、医療通訳(無料)を付けていて、今回もお願いをしていた。
僕自身、医療英語というのは、日常会話で使われる英単語ならともかく、聞いてもちんぷんかんぷんで、日本語の医療用語でも理解が難しいのに、それが英語なら、なおさらわからない。オーストラリアはさすがに多民族国家だけあって、必要であれば通訳を無償で付けられる制度を備えている)

前回は、電話による医療通訳だったのだが、今回は人を呼んでいるようで、
ドクターが少し、通訳士の到着が遅れていると僕たちに伝えた。
電話越しの通訳になるか、人を実際に呼ぶ通訳になるかは患者側では決められず、病院にゆだねられている。

僕たちが診察室に入って5分ほど経った頃、女性の通訳士がやってきた。

『僕たちははなぜに女性??』

と思ったのが最初の感想だった。

偏見でもなんでもなくて、この診察は重要な局面であり、
男性とは言え陰部の話をするセンシティブなトークが予想されるのに、

『医者でもない女性に話すのはなんか違うのでは?』
『女性通訳士も翻訳する時、想像が難しいのでは?』


と思いながらも、意見する余地もなく、ドクターによる診察が始まった。

同じ空間に妻、自分、女性通訳士、ドクターと異様な空間を作っていた。


最初の診察では、W産婦人科でも同じように、触診による睾丸チェックがされた。
大きさや硬さを見る。遺伝子検査、血液検査のデータも以前のドクターより伝達はされていた。


データでは問題がない。


ホルモンをチェックされているのか、髭の濃さや、男性としての体つきを見られ


やはり問題がない。


遺伝的な家族はいるか?
兄弟はいるか?
父親の年齢は?


事細かに聞かれ、いろんなオプション(治療方法)を探る。


でも、やはり子供が欲しいし、現在の時点で実子を諦めたくはない旨を伝えると、
MD-TESE(手術の名称)の提案をドクターからされた。


この手術というのは、睾丸を開いて精子がいそうな精細管を取り出し、顕微鏡を使って精子を探し出す方法だ。セントルセルオンリー症候群でもまれに、精子が作られている場合があって、ドクターは「大きな台風が過ぎ去っても、残っている木々があるように、生きている精子が1匹でもいれば、妊娠は可能だ』
そう強いメッセージを僕たちに話しかける。


横で通訳士がそれを翻訳する。


『精子が、、精細管が、、妊娠が、、、』


どうも、やはり医療英語が難しいのか、聞き取れていないのか、
ドクターに聞き直す回数が多く、わかっていなさそうで、


『君はわかっているのか??』

とドクターから通訳士に問いただされる。


少々苛立っていたのが明らかだった。
空気が重くなる。


通訳士の日本語翻訳よりも妻の英語での翻訳のほうが早くて、
僕は通訳士の日本語より妻からの英語翻訳のほうが理解が出来た。


(僕は医療用語は難しいので理解が難しいけど、妻の簡単な言葉で言い換える英語はすぐに理解できる。
理解が難しい時はいつもかみ砕いてもらっている。)


血液検査を再度するというので、血液検査をして、その日の診察を終えた。


検査結果はまた後日、電話で知らされるとのことだった。


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