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【セルフライナーノーツ】translative / 小春六花・夏色花梨【オリジナル曲】
きばこと申します。今回はnoteでフィーリングの合う歌詞を見つけたので、許可をいただいて曲にしてみました。
作詞者:NAGISA.様
noteで作詞活動をされていらっしゃる方です。初投稿が2025年1月1日なので歴は一ヶ月くらいですが結構ハイペースで投稿されているので、気になる方は覗いてみてください。
歌詞について
translative(Google翻訳での直訳ですが「翻訳的な」という意味)ということで、英語さっぱりな私としては、最初わけもわからずなんとなくで記事を覗きました。
初見で一番目に刺さったのはBメロ相当部分(と勝手に位置づけてますが)の「鋭く〜〜」ではじまるあたりです。あ、曲になるな、と思いました。
鋭く光るのは
過去を積み上げたフィルター
通ってきてしまうから
通り抜けなければ
揺れることもないの
どの方向にも きっと
全体的には、「伝えたい言葉がうまく伝わらないもどかしさ」を歌ってるのかなあと、(浅い理解で恐縮ですが)思いました。歌詞の中で第三者としての翻訳者が現れている気配はなかったので、「思ったことが言葉になるまでの変換機構の話」なのかなあとも思いました。
作曲手順について
私の作曲手順について興味のある人などいないでしょうけど、一応書きます。
なんとなく歌詞を読む
→ここで深く解釈したりすることはないです。サラッと全体を俯瞰する程度で「わかった気になり」ます。コードを考える
→主にギターを使って作曲をします。なので、とりあえず歌詞を見ながらギターを弾いて雰囲気に合いそうなコード進行を選択します。メロディを入れる(1番だけ)
→たまーに口ずさむこともありますが、ほとんどはDAW内に立ち上げたSynthesizer Vに打ち込みます。同時に歌詞も入れます。他の楽器帯を入れる(イントロから1番まで)
→基本的にはヴォーカル、コーラス(1本か2本)、ギター×2、ベース、ドラムの編成でやります。ギターとヴォーカルは入っているので、他を入れます。ベースから入れることが多かったですが、最近はドラムから入れることが多いです。2番やブリッジ、アウトロを作る
→1番を作るときと同じやり方で先を進めていくようなイメージです。ミックス
マスタリング(と言う名の音圧上げ)
と、こんな流れをたどります。今回も概ねこんな感じでした。
今回の曲作りの特徴……?
過去作「Factor」からのコード進行の一部引用
今回は、以前に作ったインスト曲「Factor」の雰囲気を意識的に引用しています。
歌詞を読んだときに、この曲と雰囲気が近いと思ったので。
アコギで弾くCM7→G6の繰り返しの微妙な緊張感が合っている気がします。
今回、ギターでメロディを弾くことはなくて、コードとリフしか使っていません。それでも一曲成立したのはコード進行のおかげかなと思っています。
ボーカル2人体制
「NEUTRINO 琴葉茜・葵」を使うときはよくやってるんですけど、それ以外だとけっこう珍しいと思います。
詞を読んでいて、1番と2番がけっこう似通っている(私もそういう歌詞をよく書きます)なと思ったので、ボーカルを分けることで変化を出そうと思いました。
二人ともちょっと緊張感高めの声づくりにしようと思ったんですけど、花梨先輩ちょっと明るいかもですね。
サビの部分はより緊張感のある六花ちゃんにメインVo.をお願いして花梨先輩にはコーラスを担当してもらっています。
調声で頑張ったところ
私は調声ということをロクにしないタイプのDTMerなのですが、一箇所だけ頑張ったので褒めてください。歌詞に一箇所(正確には1番と2番に各一箇所ずつ)ある「translater」という英語です。
下の画像を見てわかる方にはわかると思うんですけど、1音ずつ日本語と英語を組み合わせて発音を分割して、思ったとおりの流れで発音してくれるようにしました。
そんなのあたりまえ? そうですか……。
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「translater(または、とらんすれいた)」とそのまま入力しただけでは出ない発音を出している
1番と2番で変えたところ
微々たる変化ですが、1番のAメロのエレキギターはブリッジミュートで刻んだので、2番のAメロではリフっぽく流してみました。
……えぇ、それだけです。それだけなんです。
それでも、一番が「A→B→C」という構成なのに対し2番は「A→B→D→C」という構成なので変化が生まれています。ここは歌詞の妙ですね。
おわりに
歌詞使用に快く許可をいただきましたNAGISA.様、本当にありがとうございます。
自分以外の人が書いた歌詞で曲を作るとメロディとか曲の感じとか、自分ひとりでやるときとは違ったものになる気がするので、やりがいがあります。
相互作用で得られるものってちゃんとあるよなあと実感します。
今度は敢えて「これ、私では曲に出来ないのでは……?」みたいな歌詞に挑戦してみようかな……。