感情的動機がしっかりしてる南極に行く話
・女子高生4人組が南極に行くアニメ『宇宙よりも遠い場所』を4年ぶりに見直してる。話の詳細を忘れているから楽しめるがこのおもしろさはけっこうやばいんじゃないかと思った。
・何がやばいって要所要所で泣かせる演出をして現実的な問題から目を逸らさせるのがうますぎる。普通に考えたら女子校生が南極に行けるわけないのに泣かせる演出のせいで「フィクションなんだから行かせてやれよ」って気持ちにさせるのがうますぎる。(山崎貴の演出に似てる)
・以下アニメのネタバレを含みます
・まず主人公の玉木マリ(キマリ)が南極に行く理由がない。高校生活でなんかしたい、青春したいって理由と思ってたところで小淵沢報瀬に誘われたってだけで、バンドでもバイトでもなく南極観測隊に参加する。親が反対する描写はギャグ程度しかない。
・小淵沢報瀬は母の貴子が3年前の民間南極観測隊に参加し行方不明になっているので南極に行く理由がある。(実際の南極観測隊は官民合同事業)
しかも報瀬は学校で「南極」ってあだ名を付けられてバカにされたり、南極に行くため?にバイトで貯めた100万を上級生にカツアゲされそうになったりするので「負けるな、見返したれ!」って気持ちにさせる。そんなやつに「一緒に南極へ行こう。他の人はやっぱり怖くくなったとか親に反対されたとか結局断られちゃったけど…」と泣かせる演出で言われると自分(キマリ)は違う!絶対に行く!ってなるやろ
・三宅日向はキマリと報瀬の話をたまたま聞いて参加したいって言ってきただけなんだけど、部活で揉めて高校中退してコンビニでバイトしてる(大検は受けている)のが可哀想すぎるので南極に行かせてあげてよって気持ちになる。親が反対しないのは中退OKな親だからリベラルなのかも?
・白石結月は新どさんこプロモーションという母親が社長の事務所で「フォローバックが止まらない」というCDを出した中途半端なタレントなので(フォローバックってことは自分が先にフォローしてる)南極観測隊に同行しネット配信するという割に合わなそうな仕事を断れない
・結月はそれ以上に仕事のせいで友達がいないのがコンプレックスで自分から声をかけて友達になったクラスメイトもなんか感じが悪く結局切られてしまって、南極に行けば他の3人と友達になれると思い4人での南極行きが実現する。(物理的に1人→4人は難しい気がするが日向がカメラを回してたりするので配信スタッフの分を当てたのかもしれない)
・この手の4人組アニメで描かれない悪意の存在が明確に描かれていて主人公たちを負け犬演出することで応援したくなる昔ながらの演出が使われている。
・その悪意の根源がキマリは幼馴染で常に上から目線で小馬鹿にしてくるめぐっちゃんだったことがわかって、それとも和解する感動演出がある。
・トランジットでパスポートなくすエピソードにも感動演出してきておもしろいんだけどやりすぎで感動ポルノ感がいなめない。
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