いぼ痔と切れ痔になって15年くらい経って病院行ったらステージ3になってて入院して手術して退院して普通にトイレできるようになるまでの全ての話
痔主、という言葉があります。痔を患っている人のことを指す言葉です。私は中学生の頃よりから痔に悩まされてきました。いぼ痔と切れ痔です。発症してからしばらく経つと、ステージが進行して、常にお尻からいぼ痔が出てしまっている状態になったので手術をすることにしまして、現在は無事に退院し普通にトイレができるようになるまでになりましたのでその過程などを書きます。最初にまとめを書くので肛門科に行くべき人はすぐ行ってください。
まとめ
手術・入院費用 10万円ほど
(注射療法など選ぶことができます)
(手術が根治術の場合、保険がおりる場合があります)
入院期間 1週間
(病院によっては日帰りも可能)
普通にトイレができるようになるまで 1ヶ月
結論 肛門科に行くのは恥ずかしいことではありません、手遅れになる前に早めに行きましょう
切れ痔の原因
まずわたしは切れ痔になりました。排便をする時、いきんだタイミングで鋭い痛みが走りトイレットペーパーを見ると鮮血が付いていた…という経験がある方、結構多いと思います。それ、切れ痔です。中学生くらいの頃だったかと思うのですが、便秘や下痢を繰り返すくらいに腸内環境が悪く、排便時にいきむ癖がついてしまい、そのせいで切れ痔となってしまいました。ちょっと便秘っぽい時には冷や汗をかくくらいでしたし、下痢の時にはヒリヒリとした痛みが肛門を刺激する感覚がずっと続いて本当に辛かったです。この頃、わたしは恥を忍んで母に「痔に効く薬を買ってきてほしい」と言いました。「あんた、もしかして痔?」と言われましたが、恥ずかしすぎて特に返答をするでもなく無視しました。次の日、部活から帰ってくると緑のボラギノールが小さい紙袋に入っている状態で自分のベッドの上に置かれていました。塗るタイプのものでした。今思えば、ドラッグストアでボラギノールを買う母の方が恥ずかしい思いをしたことだろうと過去の自分を恥じています。塗るタイプだったからか、そもそも塗るのをサボりがちだったからなのかはわかりませんが、おそらく肛門の中の方で切れている痔に対して特効薬的な役割を果たすことはなく、いわゆるジリ貧状態となりながら切れ痔と付き合って行くことになりました。十数年後に病院で診てもらうと、裂肛という状態であることがわかりました。
いぼ痔の原因
はっきり言って汚い話なのですが、似たようなことをやっている方を最近発見したので堂々と語ります。前置きとして残便感、という言葉があります。その名の通り、便が残っている気がする感覚のことです。わたしは残便感があるとかいうレベルではなく、普通に便が残っていたのですが、どうしても出ない。踏ん張っても踏ん張っても出ない。その時に考えついたのが、ウォシュレットで浣腸をして出そうというものです。しかしこれには問題がありました。切れ痔に水流がぶち当たると痛いのです。お尻に直接ウォシュレットを注入しようとウォシュレットの勢いを最大にするとかなりの激痛が走り、思わず席から腰を浮かしてしまい床をびちょびちょにしてしまったのを覚えています。切れ痔が慢性化し、この方法が徐々に身体的にも精神的にもしんどくなってきた頃、冒頭の汚い手段に手をつけるようになります。
本当に汚いのはここからです。わたしは女性なので、便が残っている肛門にアプローチするための抜け穴がもう一つだけあります。そこに指を突っ込んで、肉壁を伝わらせて外に排出するというのが残便感から解放されるために編み出した手段でした。さて、似たようなことをやっている方のお話ですが、その方は男性なので直に肛門にトイレットペーパーをかませた指を突っ込んで最後の一切れを捻り出していたそうです。ちなみにその方もちゃんと痔です。
ちょっと話がそれてしまいましたが、わたしは肛門の外側から圧力をかけて押し出すという方法をとっていました。その結果、わたしが指を挿入していた穴に近い肛門のひだがなんとなく収まりが悪くなってきたのです。それもそのはず、残便感でスッキリしない時に力の限り押し出していたのだから当然です。これは外痔核(血栓性外痔核)というもので、外にできるいぼ痔です。そもそも肛門のキワにあったものなのですが、膨らみが大きくなってくるとやはり違和感というものは拭えなくなってきます。この外痔核は出血こそはありませんでしたが、長時間歩いていると徐々に痛くなりかなり苦労をさせられました。
外痔核があるということは内痔核もあります。わたしは内痔核も患っていました。内痔核はその名の通り、肛門の内側にできるいぼ痔のことで外痔核と違って痛みこそはないものの排便時に出血します。そしてこの内痔核にはステージという概念があります。いわゆる進行度合いのことです。それぞれ、
という風になっています。わたしはステージ3でした。手術・入院適応です。なおステージ3寄りであれば、注射によって硬化させるという手術もあり長くても2泊3日で済む方法もあったようですが、わたしはしっかり一週間ほど入院することになりました。
話を元に戻すと、内痔核の進行を早めに止めておくと保存療法という形で生活習慣・食習慣・排便習慣の改善といった根本的なところからの解決や、薬などの比較的身体へのダメージが少ない方法で快適な生活に戻ることができます。
ではこのような治療を受けるにはどうしたらいいのか。そうです、肛門科です。
肛門科というハードル
生きていると多かれ少なかれ色んな病院にお世話になることがあると思いますが、とりわけ肛門科・肛門外科の診察券を持っている人はそんなに多くはないはずです。切れ痔になっていたとしても、しばらく快便が続いていれば自然と治っていることが多いし、いぼ痔っぽいなと思っていても生活に支障をきたすレベルではないからまだいいかなと思っている人がほとんどだと思います。他の疾病と比べると緊急性が低いというか、命に関わるものであるかというとあんまりそうとは感じられないというのが現実かと。そしていくらお医者さんといえど赤の他人にお尻の穴を見せる、これはかなり勇気がいるものです。先に申し上げておくと、触診というものがあり、毎回お医者さんに指をお尻の穴に突っ込まれます。そしてゆっくりと指を引いて様子を見ます。いぼ痔の脱出具合を診るためですね。診察室の簡易ベッドで横になって、カーテンが閉められて、ズボンとパンツを下ろす時間は筆舌に尽くし難く、痔になっていなければこんなことには…という思いでした。
わたしの行った病院は珍しく女医の先生がいる肛門科。そしてレディースデーも完備という、かなり優しさを感じる病院でした。どうせならと思い、女医の先生を指名させていただき診察を受けました。レディースデーではない日にも行きましたが、待合室は老若男女が入り乱れており、別にどんな人が来ても大丈夫じゃん!と思いました。そしてこんなにもお尻のことで悩んでいる人が多いのかと気付きも得ました。気になる方は気になる部分だと思うので、お住まいの地域で女医の方がいらっしゃる肛門科を探すのをお勧めします。気持ち的にはかなり楽で、「生理の時にいぼ痔がナプキンに擦れて痒いんです」といった話も気兼ねなくすることができました。わたしはとにかく完全に断ち切りたい。もう痔で悩みたくない!という気持ちが強かったので根治手術を受けることを選択。一週間程度の入院が必要になることも承諾の上、いろいろな手続きを行いました。
なおわたしが行こうとしていた病院はもう一つあり、そこは日帰り手術が可能なところ。先生は男性ですが、ホームページを見る限り料金体系もしっかり記載されておりかなり信頼のできそうなところでした。しかしやはり恥ずかしさが勝ってしまい女医の方がいらっしゃる病院にお世話になるのですが、実際に手術を受けてみるとどう考えても日帰りじゃ無理だ…と絶望するほどの苦しみを味わうことになるのです。
痔の手術・入院に際して必要なもの
ナプキン
これはマジで必要です。実店舗での購入が困難な方は、Amazonなど通販サイトでも購入可能ですので前もって準備しておきましょう。お勧めは多い日の夜用で羽付き、16枚入りくらいのものです。入院中もですが退院後も最初の方は使う場面が出てくると思うので予定される入院日数より多めのものを選んでいきましょう。血だけではなく滲出液、患部に塗布する薬から下着を守る意味で使います。
わたしは今回が初の入院だったので何を持っていけばいいのか全くわかりませんでしたが、ノイズキャンセリングイヤホンは持っていって正解だったと感じました。個室だとそんなに気にならないかもしれませんが、ケチって大部屋で入院したため向かいの部屋のご婦人の話し声がかなり大きく感じられたためノイキャンに命を救われました。
他の持ち物はおそらくですが一般的に必要とされているものばかりだと思います。
手術について
わたしが受けた手術は痔核根治術。溶ける糸を使って痔核の根本を縛って血流を止め、痔核を切除するというもの。腰椎麻酔という結構痛めの麻酔を打って、恥ずかしい体制をとって手術スタート。寝っ転がって、足を固定させておっ広げて、そこにライトを照らされるという感じです。恥ずかしさを超越した何かを感じながら、焼け焦げる匂い?のようなものもしながら15分くらいで手術は終了。一番痛かったのは麻酔。ほんとあっという間で、こんな早く済むんだったら今まで痔でストレスを感じてきた期間はなんだったんだと自分への怒りに打ち震えながら看護師さんに車椅子を押してもらいました。ベッドの上ではお尻に全く力が入らない状態。肛門をキュッと締めることができない、という方が正しいかもしれません。上半身は自由に動くので、何にもできることがないというわけではありませんでしたが、前日夜と当日朝・昼の絶食の方がかなりきつかったです。夜はご飯が出たのですが五分粥で、正直何にも食べないのと同じくらい満足度は皆無でした。
術後について
直後は点滴を2種類ほどしまして、安静にしていました。手術当日の夜にもなると歩けるようにはなっていたのでトイレへ。といっても胃のなかには何にもないので…油断していたら滲みる!痛い!前屈みになってトイレをしましょう。
シャワー
患部を強く擦らないように、とだけ注意がありシャワーに入ることができました。とはいってもやっぱり気になるので擦らなければ大丈夫やろとたかを括って恐る恐る触ってみると、こんもりと肉芽のような突起が!外痔核にあたるところですね。術後3,4日くらいは触ったときに明らかな異物感がありましたが、退院する頃にはすっかり馴染んでいました。
排便
通常、術後2日目には排便があるそうなのですがわたしはうんともすんとも言わずで、看護師さんにお腹やお尻を温める湯たんぽをいただいたり、お医者さんに下剤を処方されるなど様々な措置を講じていただきました。お腹の運動を促す薬や、水分を便に集約させる薬の2種類が出ました。薬の効果を狙って、温かいお茶を1.5リットルほど飲みましたがトイレに行けども行けども便は出ず。定期的に様子を見にきてくださる看護師さんもどうしたもんかとやや心配そうな顔。そしてお腹に7食分くらいの定食(肛門科の病院食とは思えないほど豪華)がそのまま入った状態で、散歩をしてお腹を動かそうということで1時間ほど散歩をしたところ突如来たお尻付近の予感。トイレに駆け込むと、1食分くらいの便が出ました。排便時の姿勢は看護師さんに教わった通り、大股を広げて両手でお尻を鷲掴みにし、肛門を広げる。恥ずかしいとかもう何もないです。排便したいんです。そしてついに念願の排便を行うことができたのですが大喜びする暇はなく、気を失いかけました。痛すぎて。手術したばかりの傷があるところを通って便が出ているから当然です。あまりの痛さ床にへたり込んでしまい、冷や汗というか脂汗が出てしまいました。本当に痛くて痛くてたまらなくて、やっと立ち上がって歩き出すも一歩一歩が重く病院のベッドに辿り着くまでが大変でした。その道中、ナースステーションで力無く「出ました…!」と伝えると看護師さんは喜んでくださいました。わたしも嬉しかったです。翌日以降も排便を促すため、毎日散歩に出かけました。階段程度の段差を下るときに激痛が走るなど苦しい場面も多々ありましたが、毎朝排便できるようになりました。もちろん痛みは止まりません。切れ痔の鋭い痛みのようでした。排便をしながら治していきます、とトイレのドアに張り紙がしてあったのでそれをひたすら見ながらお尻を鷲掴みする日々でした。
入院生活
生活リズムが恐ろしく整ったのがかなり良かったです。これだけでも入院する価値があったと言えるほどです。今は退院から日数が経ち、理想的な生活リズムからはややズレてきていますが、今まで不可能だと思っていた早寝早起きはやろうと思えばできるということがわかったのはかなり大きいです。娯楽こそありませんでしたが、今はスマホもあるしで退屈することもなく過ごすことができました。
毎日回診があり、お尻を見せて「いいお尻になってますねぇ!」と励ましの言葉をいただいておりました。退院の前日に手術を担当した先生から「明日退院しましょう!」と言われて退院が決まりました。周りの方の話を聞いた感じ、スケジュールの都合などで退院の日程を早めることも可能なようでした。わたしも一応週明けくらいに退院できたら嬉しいですと伝えていたのでそこら辺を汲んでいただけたのかなと思います。
退院後
入院生活から解放された後も術後の経過を診るため、通院が必要になります。当初は1ヶ月は週イチ、それ以降は2週間に1回を3ヶ月ほどと言われていたので、退院して1週間後に行きました。経過が良かったのか、次は2週間後でもいいですよと言われたのでまた行くと「卒業で!」とお墨付きを得ることができ、当初は3ヶ月以上かかる予定だった通院がわずか2回で終了。ホームケアとして坐薬を注入するくらいで、今ある分がなくなったら薬はもう大丈夫ですよとのことで現在は何にもしていません。何かやっているかといえば食事療法的な観点で、食物繊維を多めにとっています。他にもお風呂に入る時はしっかり浴槽に浸かったり、日常生活でも座りっぱなしにならないように定期的に立って体を動かしたりと下半身をとにかく労るようにしています。特に気をつけているのがトイレにスマホを持ち込まないことです。あれはお尻に良くないです。1ヶ月以上経過し、もう痔になる前の快適なトイレライフに戻ったような気がします。こんなにストレスフリーだとは最高な気持ちです。
少しでも異変を感じたら肛門科へ!思っているほどハードルは高くない!ハードルを無視し続けるとかなりの痛みを味わうことになる!ここでは書かなかったけど痔瘻というさらに恐ろしい痔もある!手遅れになるその前に、肛門科へ行こう!
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