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CMOの考え方は抽象論ではなく具体論


竹花貴騎というビジネス系Youtuber。自称Google出身という経歴詐欺で炎上したが、発言内容は正論であり、あらゆるビジネスを体系立てる能力は高い。

確かに竹花氏の話は抽象論ではなく具体論

竹花氏は以前、堀江貴文氏のオンラインサロンに入っていたそうだが、堀江氏の教えは、ふわふわしている。一般的なビジネスマンには大きすぎて、明日の仕事に具体的に落とし込める具体的なスキルが一切無い。具体的で実益的で実践的な話が全くない。と批判する。

私は堀江氏が好きだが、この竹花氏の批判は芯を喰った批判だと膝を叩いた。だが、そもそも堀江氏は自身のオンラインサロンの主旨はビジネススキルではなく生き方改革だと言っている。竹花氏の批判は的を得ていないとも言える。


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皆さんお気づきと思いますが、「ファミリーマートがどうやってセブン-イレブンに勝つのか?」という話の中で出てきたのは、9割方がインナー向けの施策で、お客さま向けの施策の話は実はあまり出てきていません。素朴な疑問なのですが、ファミリーマートは、本当にセブン-イレブンに勝つつもりがあるのでしょうか?


コンビニ業界のトップに立つ戦略。その答えは誰も出してい。その中で澤田前社長がとった戦略は・・


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スタッフの労働環境の改善。「現場を大事にする会社が勝つ」という題でハーバード・ビジネス・レビューにも紹介された。

その戦略に対してストレートに疑問をぶつけたのが足立CMO。ゲストであるファミリーマートの社長の戦略に異議を唱えた。インナー施策だけで、どうやって勝つのだと。

私は澤田顧問を尊敬しているが足立CMOの異論は芯を喰った異論だと膝を叩いた。

竹花氏 ふわっとしていて使えない

足立氏 インナー施策で勝てるのか?

だが、澤田顧問のインナー施策で従業員側のUXは格段に上がった。澤田顧問以前は軽微なストレスが多くあったが、それが激減した。作業中に顧客がレジに来るとイラッとし、それは顧客に伝わっていた。しかし、作業量が減った分の余力をスタッフは接客やセールスに振り向けていないのが現状。


「どこの大学に行けとも言われませんでした。ただ、高い偏差値の大学に行くと、人生の選択肢は増える、ということだけは繰り返し言われていました。」

これがCMOのバックボーン。精神論で育てられなかった。実利的な教育方針。


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商売敵と味で負けてない。では何故、日商で10万以上の差があるのか?営業の質で負けている。と割り切っていいのか不明だが、論理的に考えるとそう。ファミマの現状、それは20万人のスタッフが誰一人売っていない。





私がベンチマークしているのは長谷川雅紀。日本の小売業界の挨拶は、炭酸が抜けたコーラや、湿気た煎餅レベルの挨拶なのです。実際に日商をノバス効果のある挨拶は皆無。

では実際に長谷川雅紀水準の挨拶、定量的に言えば80デジベルでメジャーキー、定性的に言えば明るく元気な挨拶をアウトプットすると、効果はどうなるか?ファミチキのクロスセルの実績が実際に上がる。これは1次情報です。

足立CMOのマーケティングの定義

①顧客の心に影響を及ぼし具体的に行動を変える

②再現性の高い仕組作り

③Do everything which directly or indirectly

私は挨拶とはサウンドロゴでありCMだと定義しています。顧客の心に衝動買いを誘発する「いらっしゃいませ」でなければ言う意味が無い。労働生産性の低いレベルの「いらっしゃいませ」には意味が無いと考えています。①を達成しなければ「いらっしゃいませ」に意味は無いと。

いくらCMが秀逸でも、顧客とのタッチポイントである従業員の営業が劣等なら、CM効果は半減する。穴の開いたバケツに水をくむである。逆に従業員の営業が良ければCMとのシナジーが生まれる。

『真実の瞬間』の文脈からすれば、顧客はCMで企業を最終的に判断していない。従業員のちょっとした態度で企業全体を評価している。だから、挨拶をCMと同じレベルで重視する。

CM効果の最大化。それは従業員の接客用語とCMの掛け合わせ。CMと接客用語の合言葉。笑っていいともの合言葉はタモリ「笑ってくれるかな!」視聴者「いいとも!」。8時だよ全員集合の合言葉はいかりや長介が「8時だよ!」視聴者「全員集合!」。例えばCMで「疑問」を抱かせ従業員が「答え」を言うプロットはバズるだろう。


いらっしゃいませ2.0


ファミマのスタッフ数はサモアの人口に匹敵します。店舗数は16000万店舗。仮に私のアドバイスで1日1枚だけファミチキの売上が伸長したと仮定。

ファミチキの定価 180円

本社の利益 30円(仮定値)

30円×16000=480000円

48万円×365日営業日=1億7520万


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もしファミチキセールスデザイナーの講師に成り、そして一日一店舗一枚だけファミチキの売上を伸長させただけで、本社に1億7520万円の利益をもたらす。CVS事業とはマスゲームであり、1つのアイデアが指数関数的にトップラインを伸ばせることができる。



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Do everything which directly or indirectly




中野部長。CMOはトップラインを伸ばす為なら、アルバイトの意見でも採用するでしょうか?


CM×アルバイト=CM効果の最大化



CMとアルバイトの掛け合わせ型CMイメージ

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「ファミチキって家でも揚げれるの知ってますか?答えは・・ファミマのスタッフに聞いてください」


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顧客「家で揚げれるの?」

スタッフ「これっす!」


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CMで完結させない。スタッフで完結させる。スタッフもCMの構成要素にした方が効果は伸ばせる。

挨拶は実はCMよりも実質的効果は高いし効く。小売業において労働生産性を飛躍させるのは挨拶でしかない。ドラッカーは言った。マーケティングの究極の目的は、セリングを無くすことだと。挨拶が無くても売れるようにするのがマーケッターの仕事である。挨拶無くても売れるようにするのがCMの役割である。だが、挨拶をマーケティングし挨拶自体をサウンドロゴやCMとして再定義した方が最も費用対効果は高い。顧客は第一にCMで企業を判断するが最終的には従業員の所作で企業全体を評価している。真実の瞬間。

中内功は言った。売上が全てを癒やすと。私は言いたい。挨拶が全てを癒やすと。

挨拶をしろとは言われませんでした。しかしお客さんの心を良くする挨拶をすると、オーナーが儲かるよ。ファミマが儲かるよ。伊藤忠が儲かるよ。そして何より自分の徳と運がたまるんだよ。大学は全入時代が来るよ。似たように今はスーパーのパートのおばさんでも挨拶してないから、挨拶という小売の原点能力だけでも勝てる時代が既に来てるよ。


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