顧客がファミマに求めている潜在的ニーズ
E=mc2は相対性理論である。複雑ではなく単純な公式で相対性論は表せる。複雑そうに見えて実は単純にできている。これは森羅万象の真理である。単純なものこそ真理なのである。凡事徹底というビジネスの戦略がある。他社が追随できないくらいに基本を徹底するというビジネスモデルである。井上尚弥の強さの主因は何か?凡事徹底に過ぎない。テクニカルなトレーニングではない。地味でつまらない練習を何回も何百回も誰もできないくらいしているに過ぎない。科学的なトレーニングに逃げていない。ファミマがファミペイやデジタルサイネージに逃げているように、逃げていない。
メイウエザーの強さの主因も凡事徹底である。A当たり前のことをBバカにしないでCちゃんとやるABC理論を徹底しているに過ぎない。当たり前なことを繰すとは、科学的に言い換えると、「量的変化が質的変化を生む」ということである。
これはスポーツに限ったことではない。ビジネスにも当てはまる森羅万象の普遍的な真理である。答えは絶対に単純なものである。シンプルイズベスト。幸せの青い鳥。灯台下暗し。である。
井上尚弥もメイウエザーも努力の量が誰よりも多い。そして努力の方向性が合っている。井上もメイウエザーも努力の方向性は基本である。
方向×量=ブレイクスルー
ではファミマの努力の方向性とは、どこなのか?その方向を本部は分かっていないようにしか見えない。結論から言うと、ファミマの努力の方向性は挨拶である。
ファミマの努力の方向=挨拶
ファミマの努力の量=挨拶のOJTや朝礼での唱和
ファミリーマートの実態
蛇口=CMOを筆頭とた本部のマーケティング
穴=UX/CXの低い加盟店の接客
ファミリーマートにとって最もROIの高い施策とは何か?挨拶と作法である。何故なら顧客の心を動かせるのは挨拶と作法でしかないから。ファミリーマートとはSPAのような製造小売業ではない。小売業専門業社である。ならばあるべき姿はセールスのスペシャリストである。しかし本部にもコンビニセールスマンが殆どいない。セールスの原理原則が体系化されていない。加盟店に芯を喰っていない、間違った努力の方向性のノウハウをコンサルしている。
セールス・商売の原理原則=挨拶と作法(先義後利/プリペイド)
ファミリーマートは何をマーケティングするべきか?それは挨拶自体をマーケティングするべきである。作法自体をマーケティングするべきである。スタッフの販促活動自体をマーケティングするべきである。ファミペイやデジタルサイネージよりも、スタッフ=GUIと定義して、接客=UX/CXと定義して、アナログな挨拶・作法・営業をアップデートする施策が最も顧客に刺さる芯を喰った施策である。
顧客の気を「買う気」に具体的に変えて衝動買い・インパルスを誘発するブレークスルー型の挨拶2.0の発明。
商戦の考え方であるが、先ずスタートは商売に関する本を20冊読む。その分野に関する本を20冊読めば、その分野のセミプロレベルに到達するからである。しかし商売技術に関する本が日本には殆どない。
コンビニの営業=カウンター営業
コンビニ事業に関する本はある。しかしカウンター営業に関する本は存在しない。裏を返せば、日本の商売史においてカウンター営業を体系化した人間はいないということ。コンビニはレッドオーシャンであるが、売れるカウンター営業方法が発明されていない現状はブルーオーシャンとも言える。ここがホワイトスペースである。つまりファミマの伸びしろはここに潜在する。
CMOはマーケティングを「商売」と定義し、上田準二相談役はコンビニを「祭り」と定義した。商売に関する本で最も売れてる作家は斎藤一人である。ドナルド・トランプは実業で大きな実績が有るように、斎藤一人も高額納税者という実績が有る。怪しいが、内容は玉石混淆である。つまりコンビニ事業にも当てはまる玉は書かれている。
「微差力」とは大差は2位よりも大きな努力で生まれる訳ではない。微差だけで2位と大きな差が生まれるというビジネス概念である。ラーメン屋には1店舗で終わる店と、カップラーメンに成るくらいスケールが大きくなるラーメン屋がある。年商にして億単位の差である。しかし1店舗で終わるラーメンとフランチャイズ展開するラーメンの美味しさの差は目隠しすれば分からない程度だと言う。では何が大差を生んでいるのか?店員による元気な挨拶があるかどうか。その程度の微差が大差を生んでいるという。世の中すべてそうだと看破している。見破っている。
商戦の戦略を「微差力」に決定する。努力の方向性である。ファミマは営業種別にカテゴライズすればカウンター営業に属する。「微差力」のロジックに従い、日本の平均的なカウンター営業よりも少しだけ営業の質(UX/CX)をチューニングすれば大差は作れる。では日本のカウンター営業の平均値は、どこに行けば体感できるのか?
カウンター営業をショートカットで沢山観察できる場=デパ地下
この映像では分かりずらいと思うが、日本を代表するような店の従業員の営業方法は、カウンター内にいながら「いらっしゃいませ」と「いかがでしょうか」のフレーズを無目的にリピートしているだけである。この働き方はブルシットジョブであり、小売業の労働生産性が低い主因である。日商とは客数×客単価であるが、客数最大化の販促も単価最大化の販促もしていない。
いらっしゃいませ・いかがでしょうか=死語
言い切ろう。死語である。車はガソリンで動く。人は言葉で動く。いらっしゃいませ・いかがでしょうかというプログラミング言語だけで顧客を動かそうとするのは非生産的である。この接客用語は全く顧客の心に刺さっていない。刺さっていないことを無思考で繰り返している。効果が無いから、従業員も辟易する。その態度で瞬時に顧客は「買わない」ことを決定している。ヤンカールソンの真実の瞬間である。
私の現状
飲食業のイノベーターである和牛マフィアのように接客用語をアップデートしたい。新奇性のある接客用語で顧客の心に影響を及ぼしたい。だが今のファミリーマートでは、新奇性のある接客用語は顧客のニーズであるが、オールドタイプのオーナーや店長や周りのスタッフから共感されない。なので死語一択で商戦を展開している。死語だけで如何に顧客の心を動かすかに腐心している。死語でも声量と音程をチューニングすれば、ある程度の効果はある。土井監督はイチローを2軍に落とした。奇抜なスイングだったからだ。しかし奇抜なスイングを認めたのが仰木監督だった。私は常識を一旦疑えるゼロベース思考・イノベーター思考の監督を求めている。
私がもしデパ地下の店員だったら、どうマーケティングするか。先ず商品知識をインプットしてエレベータピッチができるまで陰練する。そしてカウンター内ではなくカウンター外に立ちエレベータピッチを繰り返す。その施策により客数の最大化を企てる。1人足を止めれば、それを見て雪だるま式に増える。そしていらっしゃいませ・いかがでしょうかに代替する新奇性がありフックのある接客用語を発明する。
オレオレ詐欺集団とは人間心理を突き詐欺の技術をロジカルに体系化した人間の集まりである。オレオレ詐欺はソーシャルエンジニアリングである。一旦詐欺の手法が確立できれば、あとはその手法を回すだけでチャリンチャリンとした錬金術になる。ファミマはこの逆を考えればいいのである。人が喜ぶことをロジカルに弾き出すことがファミマの本業である。
いらっしゃいませと言っても顧客はさほど喜んでいないのに、喜んでいないことをファミマはいつまで続けるのだろうか。顧客が本当に喜ぶ用語を発明すればスタッフ自身のモチベーションに成り得る。
CMOは乾杯時に「かんぱーい」とは言わない。「にゃー」と言う。日本語としては間違っているが、その場にいる人間の記憶に残る。和牛マフィアは「お待たせしました」ではなく「いってらっしゃい」と言う。無意味な言葉の方が意味がある。
ファミマは製造業ではない。小売業である。モノを作ることではない。モノを売ることである。ではライバルと大差ないコンテンツを売るにはどうすればいいのか?コトで売ることである。コトの開発こそファミマの基幹業務のはずである。そのコト開発をファミマは40年間していない。コト開発部門も無いのだろう。
①新奇性のある接客用語の開発(努力の方向)
②恥ずかしがらずに言い切る練習(努力の量)
①と②でファミマは日本人から必要とされる。これが芯を喰った施策である。①と②が仮に実現できたら、日商があがり本部の利益が伸長するだけでなく、スタッフ自身の時給に反映される。日本人も喜ぶ。三方良しである。
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