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【海やまのあいだ】リサーチ後半を振り返る1
こんにちは。地域コーディネーターのヨダです。
「海やまのあいだ」2023年夏の滞在(後半)を振り返ります!
7月1日(土) ☂️/☁️
あいにくの雨天。海町マーケット中止の連絡を受け、急遽予定を変更。中竹野地区コミュニティセンターへ。町内在住の小林琢也さん・真弓さんも来られ、事務局の太田さんから古代太鼓踊りや仏送りについて、場所や時間帯など、最近の状況をお聞きする。仏送りは各家庭で行われるもので、地区ごとに少しずつ場所が異なる。(各所の橋が目印になっている)
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竹野町轟では、8月14日に古代太鼓おどりと施餓鬼会が行われる。施餓鬼会が終わると、笹竹の先に付けた「施餓鬼幡」をちぎって各家庭に持ち帰り、翌日15日の夕方、お供物と一緒に線香を焚いて拝み、川に流すそうだ。(仏送り)
昔は読経が終わると一斉に子どもたちが笹竹によじ登り、誰が一番大きい旗を取るかを競っていたらしい。
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午後は田久日に寄って日和山周りで帰ることにした。
田久日について
竹野地域の東端、日本海を眼前に臨む田久日は、狭小な谷に沿って家々が立ち並び集落を形成している。
北は日本海、それ以外は峻険な山々に囲まれたこの地域は、まさに陸の孤島であった。
外部と交流するには、獣道を通るか船で出るしかなかったため、田久日の人たちは自給自足の暮らしを行なっていた。農業を営むための農地も猫の額ほどしかなく、自ずと漁業が地域の生業の中心となった。
道路沿いから集落の中に入っていくと、田久日の海岸に出る。
海岸には磯見漁をするための漁船が置かれていて、偶然作業をされていた住民の方とお話をすることができた。
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田久日では14日に盆踊りが行われる。海岸に櫓を建てるそうだ。
翌日15日には、海岸西側の岩場で仏送りが行われており、海難者のために海に向かって供物と線香をあげるとのこと。かつてはこの辺りに旧墓地があったらしい。※現在の墓地は海岸道路沿いから階段を登った高台にある。
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海岸東側にそびえ立つ岩壁の途中に弁天さんの祠があり、鯨の骨が祀られている。田久日の地区全体を見渡すような場所に建っており、鳥居は激しい潮風や波しぶきの影響で侵食しているように見える。海と共に暮らす集落であることを実感する。
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山際の駐車スペースは、車が停められないようロープが張られていた。
住民の方によると、鹿による森林の食害が深刻化しており、草木が食べられることによって山の地面が脆くなり、石が落ちてくる危険があるためとのこと。
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この日のリサーチはここで終了。
2日以降の振り返りはまた次回。
KIACコミュニティプログラム2023:波田野州平
「海やまのあいだ」
映画作家の波田野州平が、豊かな自然と地域文化を持つ山陰海岸ジオパーク周辺を舞台に、地域の人々と交流を重ねながら映画を制作するプロジェクト。フィールドワークを通して、折り重なる土地の時間と、そこに漂うものたちの語る声に耳を傾ける。