「自分を大切にする」
なんて使い古された、陳腐でありふれた、それでいて解釈の難しい言葉だろう。最近そう思い始めた。
私は、身なりには気を遣っている。
定期的に美容院にも行くし、特別こだわりがあったり高価な物を身に着けたりしているわけではないが、服は好き。たまにマツエクやネイルサロンにも行く。太りにくい体質だが、筋肉がないので、たまにスポーツもするようにしている。
仕事は週3しかしていなくて、仕事のない平日は友達と会ったりマッサージに行ったり。休日は家族と出かけるし、頻繁に旅行もする。
あくせくせず、のんびり暮らしている。
ところが、心のどこかで「自分なんて」と思っているので、そののんびりが悪い事のように感じてしまう時がある。自分は何もしていない人間だという妙な罪悪感に、胸が張り裂けそうになる。
もしそれを口にしたとして、相手が「子育てしてるんだから立派だよ」なんて言ってくれたとしても、逆に落ち込むのだから、たちが悪い。
世の中には正社員で働きながら複数の子供を育てている人もたくさんいるのに、なんて思ってしまう、面倒な奴だ。
じゃあ、体力気力は措いておいて、頑張って今からフルタイムで働けば自信につながるかと言えば、そうではない気がする。
おそらく、低年収で家族もいなくて、客観的に誇れるものが何もなかったとしても、自分を大切にしている人はしているのだ。
当然ながら、美しくて皆に評価されているような芸能人も鬱になるし、その日暮らしのアルバイトでも自分が好きな人は幸せだ。
「自分を粗末にする」とは、自傷やセルフネグレクトすることだと思っていた。
が、常に「自分なんて」と思いながら生きるのも、粗末にしている気がする。「自分なんて」と思っている人と好き好んで一緒にいる家族にも申し訳ない。
やめた方がいいのはわかっている。でも、やっぱり堂々巡りだ。