74式戦車の各種タイプ
※ 素人調べの為、間違っている内容が含まれているかもしれません。参考程度にご連下さい。
「74式戦車(無印)」
74式戦車には、無印及び(B)~(G)型のタイプが存在した。
改造されていない初期タイプは、「74式戦車(A)」でなく、「74式戦車」と表記されていた。付帯装備のない「74式戦車」の他に、防盾左側に装着する、アクティブ型赤外線暗視装置(投光器)の付いた「74式戦車照準用暗視装置付」、ドーザの付いた「74式戦車ドーザ付」および前述の2つの装備の付いた「74式戦車照準用暗視装置、ドーザ付」の4タイプがある。
これら4タイプが、改良を施されるごとに(B)~(G)の付帯記号が付く。
「74式戦車(B)」
従来のAPDS(※1)および75式HEP(※2)に追加して、M735 APFSDS(※3)を運用できるように改造されたタイプであり具体的にはFCS(※4)および弾薬架が改良された。この変更までに配備された74式戦車は、すべて(B)型のタイプに改良された。
「74式戦車(C)」
それまでのOD色(オリーブドラブ)一色の塗装が、濃緑色と茶色の2色迷彩塗装に変更されたタイプ
塗装が異なる以外は(B)型との相違点は無く(B)型と平行して運用された。
「74式戦車(D)」
砲身にサーマルジャケット(※5)が設置されたタイプである。この変更までに配備された、すべての74式戦車がこのタイプに改良された。
「74式戦車(E)」
75式HEP に替わり91式HEAT-MP (※6)を射撃できるように改良されたタイプである。具体的にはFCSが改良され、この変更までに配備された8割程度の74式戦車が、このタイプに改良された。
「74式戦車(F)」
92式地雷原処理ローラを装備できるように改良されたタイプ、生産数は極少数であり74式戦車に装着する際、ローラは片側4枚であり90式戦車と枚数が異なる。
「74式戦車(G)」
74式戦車(改)とも呼ばれる改良点は、装備されていたアクティブ型赤外線暗視装置からパッシブ式熱線映像装置(サーマル)、レーザー検知装置、サイドスカート、履帯脱落防止リングの追加などである。制式化され4輌が改修され4輌のみで廃止された。
番外
「74式戦車(スーパー改)」
74式戦車(G)型をベースに105㎜戦車砲から120㎜滑空砲へ換装し90式戦車FCSを74式戦車用に改修し移植、90式戦車に準じた索敵能力・射撃能力・威力を獲得
※1 APDS :装弾筒付き徹甲弾(Armor-Piercing Discarding Sabot)細い弾芯に装弾筒(サボ)を巻いて砲の口径に合わせたもの。貫通力を増すため弾芯は、どんどん細く長くなっていく。
※2 HEP :粘着榴弾(High Explosive Plastic)炸薬の化学反応を利用して装甲に穴を穿つ砲弾
※3 APFSDS :装弾筒付き翼安定徹甲弾(Armor-Piercing Fin Stabilised Discarding Sabot)弾芯は直径20㎜程度しかなくダーツの様な形状で矢羽(フィン)が着いている、タングステン鋼や劣化ウランでできている。
APDSやAPFSDSの装弾筒(サボ)は砲弾が砲口を出た直後に分離し弾芯は目標物に向かう。
※4 FCS :射撃統制システム(Fire Control System)射撃統制を行うためのシステム。
※5 サーマルジャケット :発射時の熱による砲身温度分布の均一化し歪みを防止する為に装着された。
※6 HEAT-MP :多目的対戦車榴弾(High Explosive Anti Tank - Multi Purpose)現用MBTの代表的な対戦車砲弾、安定翼がついており炸薬の量が多いので副次的に榴弾の機能も持つ。
参考書籍:武器と爆薬(小林源文)、戦後の日本戦車 61式74式90式からTK-Xへ開発経緯とメカニズムまで(古是三春 一戸崇)、図解戦車(大波篤司)、JGROUND JグランドEX 最後の刻を見逃すな!74式戦車(イカロス出版)ウェキペディア74式戦車、その他等