アメノウズメとジェンダー
日本神話に登場するアメノウズメという神様を推している。
初めてアメノウズメを知ったのは、高校の時、図書館で読んだ「田辺聖子の古事記」。
特に何の前知識もなく読んだが、ある一文が当時高校生だった私にぶっ刺さった。
天孫降臨。
ここから自分語りをします。
物心ついた頃から、なんとなく女の子っぽいことが嫌いだった。
とは言っても別に自認はしっかりと女だし、スカートを履きたくない・ピンク色は嫌だ・おしとやかにしろとか言われるの嫌だ、程度のレベルで、ただの逆張りだったと言える。
セーラームーンで一番好きなのはジュピター(逆にウラヌスは苦手)。
私たちの子ども時代は、男女平等をうたえどもまだまだ昭和の残り香の中だった。田舎だったから特にそういうのもあったと思う。
小学校はソフトボール部だったが、野球部と余興で試合をして、ボコボコにされた。
中学校は剣道部だったが、男と戦うとボッコボコにされた。
高校では吹奏楽部に入った。
ここには男も女もない。むしろ女が多い部活で、もう運動部はこりごりだったので、文化部に入れたと油断していた。
打楽器を担当した。
めちゃくちゃ激しい曲で、めちゃくちゃに楽器を叩き鳴らす曲があり、それはもう力一杯に叩いていたのだが、外部コーチから
「君の演奏はなんか"女”って感じだね」
と言われ、絶望した。
性別を持ち出して、そんなことを言われるのか。
もちろん打楽器なので物理的に力が強いと強い音が出る。だが闇雲に叩くとただうるさいだけの音になる。コントロール。女だから力が足りなくて、うるさい音だったのか。演奏の巧拙なら仕方がない。ついたて越しに(誰が叩いたか分からない状態で)聞いても、そのコーチは同じアドバイスをしたのか。
繰り返すが、私の性自認は完全に女だし、女が男に勝てないのも嫌というほど分かっている。別に勝ちたいと思っている訳ではない。あとフェミニストでもない。まじで。
悔しい思いをするたびにずっとここのフレーズだけが心の中に流れていた。
そんな中で出会った、アメノウズメ。
汝は手弱女なれど、い向ふ神と面勝つ神なり。
嬉しかった。
か弱くても、女でも、勝つことができるんだ、と。
そして彼女はサルタヒコに問いただすし、なんならその後サルタヒコと結婚までしてる。
そもそも彼女の初登場は天岩戸のストリップダンスだ。
最高〜〜〜
子どもたちが大きくなったら伊勢神宮に行きたい。