「2025年を制覇する破壊的企業」山本康正さん
「2025年を制覇する破壊的企業」山本康正さんの本を紹介します。
2021年の年始に購入後、一気に読み終えました。
冒頭の「はじめに」の項目で、5年後の生活がまとめられていますが、
ここから既に衝撃的で、本当にそんな事があり得るのか、と思いながら
読み進めました。
作者の山本さんは、現在は、ベンチャーキャピタルでインダストリーパートナーをメインに行われているようです。主に、新興のベンチャーに対して投資されているという事ですが、日本の大企業とシリコンバレーのベンチャーを結ぶ支援等、活動は多岐にわたるようです。
京都大学、東京大学で工学、環境、経済学を学び、卒業後は銀行で金融、ビジネスの知識を学び、その後、Googleに務めてDX業務のような事も行われています。
※凄すぎて、作者紹介で終わりそうですねw
凄い方の本は、難しくて理解できないケースがよくありますが、この本は、
分かりやすく構成されていますので、私でも大変面白く読めました。
とてもお勧めの本です。
構成
本書は大きく2部で構成されます。
第1部、2025年はどうなっているのか
第2部、2025年を生き抜く為にどうすればよいのか
第1部、2025年はどうなっているのか
GAFAを始めとし、世界最先端と呼ばれる11社について、
創設から現在までの動き、現時点で発表されている方針、世の中の技術的なトレンド、世界の動き等を考慮して、作者の視点で2025年を描かれています。
一つ紹介すると、Google。
「ぐぐる」=検索が有名ですが、その検索自体を不要にする、とあります。
例えば毎週金曜日の夕方になると、「レストラン」をよく検索するユーザーには、ブラウザから自動的におすすめのレストランを提示する、というものです。
ユーザーデータを分析して、生活スタイルや好みを推測し、そのユーザーにあったレストランを自動抽出して、提示するレゴメンド機能の充実化。
このように、各分野を詳細に記載されています。
会社は11社あります。
GAFAは多くの方が知っていると思いますが、その他7社は、私も知らない
会社がいくつかありました。
各社に共通すると感じる部分は、「顧客に素晴らしい体験をしてもらえる
商品(サービス)作りに重きを置いている」点です。
従来はハード、ソフトと分けて考える事が多かったですが、目的は顧客に
素晴らしい体験をしてもらう事であり、その為に必要なハードやソフトを
作る、という感じを受けました。
第2部、2025年を生き抜く為にどうすればよいのか
5年後に破壊される企業、台頭する企業等をまとめられています。
以前は、流通、サプライチェーン、ITインフラ、資本等は、大企業しか持てなかった為、これらに依存するビジネスで、ベンチャーが大企業に勝つことは難しい状況でした。
しかし今は、外注化できます。クラウドなどが良い例で、使用料の差はあれど、大企業もベンチャーもクラウドの内容は同じです。
資本も、ベンチャーキャピタルをはじめとする様々な機関や団体から調達
できるようになりました。
世界では、投資資金は有り余っている、と言われています。
これらの状況から、ベンチャーがより活躍しやすい時代になったと言えます。
また、個人レベルで、5年後に向けて何の分野を勉強していけばよいか、
まとめられています。
特に、データサイエンス、プログラミングは、昨今、よく聞かれる分野ですが、本書でも推奨されています。
まとめ
私は技術系の仕事なので、現在の仕事に置き換えながら読み進める事で、
大変面白く読めました。
他の分野の方でも、現在の自分や家族に置き換えながら読んでみると、
とても面白く読めると思いました。
また、未来はともかく、現在の情報を知る、という意味だけでも、とても
貴重な本だと思いました。