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03年氷河記1・03年に社会に出た、それだけが理由。

03年に大学院を卒業した。
たったそれだけだ。
たったそれだけで私たちの人生は狂った。

03年は氷河期の中でも最も就職率の低い年だった。
就職率55%。
大卒だともう少し上かもしれない。70%くらい。

でもこれは希望の職に就いた割合では決してない。
ブラック含め、とりあえず職に就いた割合だ。

50社受けて1社も引っかからない、なんてよく聞く話だった。
土台、まず、採用門戸をあらゆるメーカーで閉じていた。
だから。
優秀なだけで就職できない。
優秀、の前に、自分の分野で採用の狭き門が開いているかどうか、の運試しから始まる。
運が良くて、優秀な者のみ、自分の好きな職に就ける年だった。
あとは、ブラックだろうがとにかく、就職。
でもなければ、浪人・留年の果てに心砕けて引きこもり。

文系も酷かったかもしれないが、理系の、化学系もなかなかにひどかった。
知らない人から見ると「化学」など十把一絡げ、かもしれないけれど
化学には分野がある。合成化学、分析化学、化学工学、無機に有機。
それぞれ特性があり、あまり互換性はない。

この時代、「ポストに穴があれば、採用する」だった。
化学系は人海戦術の仕事でないことが多いから、数年採らなくても平気。
当然門戸も狭められる。理系の、化学の、○○分野。採用口はとても少なかった。

果たして、私は常用型派遣会社に収まった。
実際今も伸び盛りのとてもいい会社だったし、色々学べた。
が。
3年を経て転職をした。
私の周りの多くも3年で転職をした。

新卒一括採用、くそくらえ、である。

転職をせざるを得なかった年があることを考慮していない

新卒採用者でないと、その後のレールも教育も異なる場合がある。
私たちは何も。
何も悪くない。
ただ03年に社会に出ただけだ。

そうして、3年後正社員として転職した先で知った事実は、
「先輩が7歳上」

つまり少なくとも7年間は新卒含め、採用していなかったという事実。

私たちは完全に「穴」の世代だった。


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