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第二の青春してた話

先生になりたてのころ、第二の青春をしていた。

新任教員になって、本当にたまたまなんだけど、職場に同世代が何人もいた。しかも一癖も二癖もあって、根が真面目で、おもしれー人たちがいた。

もちろん合わない人もたくさんいたけれど、
話していて笑いが絶えない同僚とは、よく飲みにいっていた。

何が面白いんだろうというくらい、いろんなくだらないことで大爆笑していた。教師って声が大きいのが職業病だと勝手に思っているので、正直、飲み屋では結構うるさかったのではないかな。周りの人、すみませんでした。

若かったんです、本当に。

とにかく、そんな感じで、今思えばあの数年間は間違いなく、学生以来の第二の青春をしていた。

大学生の頃、一番の居場所だったサークルでは、第一軍とかじゃなくて、
ピラミッドで言うと下と中の間くらいの位置付けだったかなあ。
音楽系だったから、センスと才能がものをいう集団で、私はそのセンスも才能も、上に上がる努力もなかったもので。

そんな経緯があったからか、教師新任時代の青春感は特段たまらなかった。

教師はかくあるべし、みたいなことを、
あの時のあの先生の生徒指導ってどう思う?みたいなことを、
生徒のあの行動、最高だったよな、ほんと好きだ、みたいなことを、
永遠と語り合えた。

◆◆

いつからだろうなあ。
なんかその青春感に翳りが出てきたのは。

そうだ、語り合った先生の一人が、突然休職したあの時からだった。
複数人のうちのたった一人、されどとても大事な仲間の一人。
グループラインにはその先生も入っていたから、気を使わせないように、そのグループラインは凍結した。

一番、なんでも語り合えると感じていたその先生が職場からいなくなって、
私たちは担任を持つようになってすごく忙しくなっていって、
だんだんと集まらなくなった。

なんとなくお互い目指す教育の形とか、自分自身のキャリアとか道が分かれていった。集まってもあんまり話が合わなくなった。
というか、腹を割って話せなくなっていった気がするなあ。

気づいたら、先生たちは退職していっちゃった。
それぞれ、特に相談するとかもなく、決めたことだから、といなくなった。
もちろんそれぞれの中に葛藤があったり、それぞれの立場を思い遣って
言わなかったことがあるのも十分わかっている。

でも、あまりにも青春先生してしまっていた私は、
悲しくて寂しくて、孤独感で、
それぞれの旅だちを知ったあの日は、笑って見送って帰って大泣きした。

◆◆◆

その翌年に、私は休職したんだったなあ。
やっぱり今思えば、仕事が楽しくてしょうがなかったあの時とのギャップに耐えられなかったんだな。

教育そのものが好きで、探究していくことが好きだから楽しいんだと思っていたんだけど。
それだけじゃなくて、一緒に楽しさを共有できる仲間がいて、その青春感に浸っていたい自分もいたんだと今はわかる。

なんで、今急にこんな懐古をしているかというとね、
今の仕事が特段「楽しい」とか「辛い」とかなくて、
ただ淡々と社会の歯車としてつながり合ってる感覚があるから。
あの頃との違いを強く感じていて、なんで違いがあるんだろうって整理したくなったわけです。


楽しかったあの頃のように、今も大人の青春したいってのが本音なんですけど、そのためにはまたどこかに踏み出さなきゃいけないんですよね。

踏み出すことであの時のように傷つくのが怖いなあ。

いったりきたりの心ですね。

今日はこの辺りで〜

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