ふるさとの菓子『塩味饅頭』
この度、初めて赤穂を訪ねてきました。というのも、よくJRの新快速播州赤穂行というのを利用するのですが、その播州赤穂というところに一度も行ったことがないので、一度は行ってみようかと思い立ったのです。
さて電車を乗り継ぎ西へ西へ。やっとのことで赤穂の街に降り立つと、そこはまさに忠臣蔵一色。駅の構内には義士たちの絵が掲げられ、駅から真っ直ぐ行けば義士ゆかりの城、その周りにはゆかりの長屋、ゆかりの井戸、ゆかりの神社に義士のゆるキャラまで、どこを見ても義士義士義士。さらに建物はどれも土塀のようなデザインで、黒地に白い網目があの段駄羅の羽織を思わせます。
当然土産物屋も義士だらけ。大石内蔵助をプリントしたTシャツやエコバッグがずらっと並びます。
もう一つの売りは赤穂の塩。色んな種類の塩とともに、塩を使ったお菓子がたくさん取り揃えてあります。中でも一番売り場を占めているのは塩味饅頭。味やサイズ、作り手によって様々あるようですが、いずれも包装紙はあの討ち入りのシーン。これを江戸時代の人が見たらどう思うんだか。ケーキの箱に軍隊が描いてるみたいなものじゃないですか。
中身のお菓子はというと、包み紙の義士に似て固い歯応え、かと思いきや見た目よりももっちりとして柔らかい。舌触りも滑らかな上等のお饅頭といったところです。
味は塩味饅頭というだけあってはっきりとした塩気があり、あんこの甘さと塩の辛さが拮抗した味です。しかしその塩気があるから甘ったるく、重たくならずに軽やかな甘みとなっているのです。私が食べたのはプレーン、抹茶、きなこと3種類の味の詰め合わせでしたが、正直抹茶はプレーンとの違いがあまり分かりませんでした。しかしものの試しで買ってみるというのも、お菓子の楽しみのひとつでしょう。
今回はやっとふるさとの菓子らしい地方の銘菓を取り上げられました。これからはお菓子を求めて方々へ······行けるようになるといいですね。
冬の日や土産物屋に義士浪士