勝てる馬券のマインドセット第2回〜③意外とスゴい思考のクセ


失敗を学ぶというのはかなり難しい。
行動の失敗や数字上のマイナスなら意識しないものの
意識や思考のミスは中々把握しづらいものである。
しかし意外と思考のミスのパターン は決まっていて振り返ることさえできれば、
「あー、またこのパターンだ」と気付けるものである。
そしてそれは一定の思考の癖(バイアス)によってもたらされているものである。
今回はギャンブラーが起こしやすい思考のバイアスを紹介したい。

① 後づけバイアス


・圧倒的な一番人気の単勝を買っていたて飛んだけど「やっぱり武はやらかすと思ったんだ」
・「最初からレーンはやる奴だと思ってたんだぜ」

思い当たる節はないでしょうかw

後から自分の記憶を振り返って「こうなると思ってた」と思い込んでしまう思考バイアスです。

さらに怖いことに「いっくんが壁で詰まった」みたいにすぐに理由を思いつきやすい事象や、「戸崎の一番人気」みたいに多くの人が予想しそうな結果に対して起こりやすいのです。


「事実だからいいじゃん」と思うかも知れませんが、
このバイアスを放っておくと自らの失敗に対して思考停止してしまい、それを自分に帰属できず原因を探る機会を逃すことになりがちなのです。

失敗から学べなくなる恐ろしいバイアスと言えるでしょう。

②プロジェクションバイアス

別名持続性バイアスとも言います。
人間は現時点での今の感情に基づいて未来を思い描いてしまうものなのです。

例えば馬券のスタイル。
A「100万円に1.5倍掛けて上手くいった本命党こそ最高」
B「150万馬券が当たって百円が150万円になった、穴党こそ至高」
となりがちですが、現在と未来の状況が完全に一致することは稀です。
あの予想家が大穴を連続して当てた凄い、あの予想家の予想法を買えば間違いないw何処かで聞いた話です。
人間は成功体験が過去のものなのにそれの環境が続くと思い込み楽観的に意思決定をしがちなものなのです。

このふたつ以外にも以下のバイアス辺りはギャンブラーが陥りやすいバイアスでは無いでしょうか。
③自己奉仕バイアス
自分に都合が割ることが起こるとき、他人がした事は他人に理由があると感じ、自分が起こした時は外的要因に求める。
例:他人のマークミスは「ドジだから」、自分のマークミスは「マークシートが分かりにくい」
④正常性バイアス
最近ではサトゥールナーリアのダービーでしょうか。キタサンブラックの宝塚記念前の調教も不安視されていました。
しかし一番人気でした。
ヒトは自分は「大丈夫」「正常」と思ってしまい都合の悪いことを過小評価することがあります。
高齢者ドライバーの自信などがわかりやすい例かもしれません。
⑤認知的不協和
人は自分の都合が悪い事実を突きつけられた時に考え方自体を歪めてしまいがちです。
「ノーザンの運動会はつまらない」
「スローの前のこりばっかりじゃん」
「超高速馬場じゃ日本競馬はガラパゴス競馬にしかならない」
馬券が当たらなかった後こう呟いた事ありませんか?
⑥確証バイアス
例:外国人騎手、地方騎手は中央のジョッキーより上手い
:田辺は重賞じゃ来ない、連勝なんてありえない。
人はたまたま体験したことをさも物理法則かの様に重要視してしまいます。
脳は勝手に理由付けすることで安心したがる癖があるのです。
⑦ダニングクルーガー効果
麻雀漫画であった格言に
「自分と同じと思える相手は二クラス上、ちょっと上手いと思えたらかなり上の腕前。格下と思える相手でやっと同レベル」
というものがあります。
能力が低い人ほど自分のことを高く評価してしまいがちです。
評価する能力や基準を持たないために正当な評価ができないものなのです。
そして何気に大事なのが
⑧バイアス死角
他人の思考が可笑しい、歪んでいると気づいているのに自分は別だと思い込んでしまう。

今回取り上げたバイアス以外にも色々な思考の癖はありますが、これらは育ちや性格というよりも、脳が本来自己防衛機能として持っているものです。
だから気づきにくいものですし直しにくいものです。
ただバイアスの修正の第一歩はバイアスに気づく事であり、自らを批判的に見る事で合理的な選択に役立つものなのです。


いいなと思ったら応援しよう!