vol.9『アカ ヨシロウと映画』
はじめに
夫は映画が好きだ。
思い返すと、夫とはじめて話したとき、盛り上がった話題も映画の話だったような気がする。わたしが夫と交際することを研究室の同期に話したとき、彼女たちがこう言ったことを覚えている。
「片山さんと映画の話とかしてたもんね!」
映画の話で盛り上がるわたしたちを見て、彼女たちは「お似合いだ」と思ったようだった。わたしも映画を観るのが好きなので、確かに話が合う人というのはいいものだな、と思った。
夫の好きな映画には偏りがある。もちろん、わたしにも。一緒に大盛り上がりできる映画もあれば、鑑賞後、2人の間に微妙な空気が流れることもある。だが、それが映画の面白いところだと思う。思いを伝え合う以外で、相手の思いや考えを知ることができるのだから。
月刊アカ ヨシロウvol.9『アカ ヨシロウと映画』では、大好きな映画について、夫に語り尽くしてもらった。
夫と映画の特集。議論が白熱してしまう、大好きな映画の話。
※なお、表紙撮影のために『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ごっこをしたときの様子を、記事中に挿入していく。
アカ ヨシロウに「映画」について聞いてみた
ーまずは「はじめて観た映画」について聞こうかな。はじめて観た映画って覚えてる?
うおおおー、はじめて見た映画かぁ。正直「これだっ!!!」って映画はないんだけど、幼少期の思い出にあるのは『ミュータント・タートルズ(1990年)』(原題: Teenage Mutant Ninja Turtles )かな~。
今見るとなかなか渋いジャケットだけど、このVHSが家にあって、ちっちゃい時はけっこう観てた印象があるなぁ。
トレーラーも見つけたんだんだけど、noteに挿入できなかったから、気になった人はリンク貼ったんでみて欲しいー。
ーよしさんのSFアクション好きはここからなのかな(笑)。わたしたち、結構映画観るほうだと思うけど、恥ずかしながら、若干「邦画」に苦手意識あるよね。
そうなんだよね~。確かにカホさんと観ている映画は洋画が多いよね。好き嫌いをしたくないから邦画も見るようにはしてきたけど、最近はもう経験上「苦手だなー」と思うようになっちゃったよね。
ー何で邦画が苦手なのか考えたことある?邦画が苦手だなーって思う理由とか…
うーーん。まず思いつくのはテンポなんだけど、それは邦画の戦術でもあるから置いとくとして、次に感じるのは「身内感」かなぁ。
なんだろうなぁ。邦画を作る側がターゲットを完全に日本人に絞っている感じがして好きじゃないんだよね。身内ノリで楽しんでいる感じというか。
けど元々映画なんて、ハリウッド映画とか資本がデカくてキチンとエンタメに振れているところ以外はそんなもんだと思う。フランス映画もイタリア映画もそんな雰囲気は感じるけど、そこまで気にならないのは、おそらく僕が日本で生まれ育ったからだと思う。ネイティブジャパニーズだから日本映画がもたらす特有の「香り」を感じ取れてしまって、なんとなく嫌気が差すんだろうなぁ。
ー逆に、よしさん割と洋画はしっかり観てるよね。邦画との違いって感じる?
やっぱり資本が違う点かな。洋画も邦画もビジネスだから制作費以上に稼がなくてはならないのは変わらないけど、やり方が違うよね。洋画ビジネスは莫大だから、ヤバイ金額を制作費に当てて、スゴイ金額を回収する。コケたときの損失がデカイから、確実に回収できるようにマーケットは世界まで広げて、作品の作り込みも妥協しない印象だ。それに対して、邦画は固く回収できるように制作費を絞るイメージなんだなぁ。
けど、制作費はどーしようもないし、演出やストーリーで工夫することもできる。「カメラを止めるな!」が海外でウケているというのはとても胸がすいて気持ちがいい話だ。
ーこれもよく話す内容だけど、わたしは「精神的に食らいそうだから」って理由で韓国映画が苦手なんだよね。でもよしさんが観たい映画に、結構ゴリゴリの韓国映画(ストーリー重そうなやつ)が入ってたりして…よしさんが思う韓国映画の魅力ってなに?
またマーケットの話になるけど、韓国映画の好きなところはマーケットを海外にまで広げているところかな。韓国の人口は5,100万人ちょいで、日本の半分以下だ。日本映画は自国マーケットだけでもまあまぁ儲かるからターゲットを日本人に絞っているけど、自国マーケットが日本の半分以下の韓国はマーケットを世界に広げたんだね。
韓国映画の好きなところは「ザワつかせてくれる」ところだと思っている。韓国アクションも派手だけど、ハリウッドのように莫大な資本の投入はできない。そこで取り入れたのが、世界の人が韓国映画を見た時に「なんなんだこれは」と思うような作品づくりだ。
ザワツカせてくれる、精神的に食らわせる作品というのは世界共通である程度評価されるからね。韓国映画は戦い方であって特徴だと思う。
ーなるほどねえ…やっぱり食らう覚悟で観たほうがいいかなあ。
うーん。。不安だという気持ちは尊重したいけど、観ないという判断も偏食っぽくて好きではないんだよな~。一緒には観たいけど、まぁ任せるよー。
ーあと!このZINEを読んでくださるみなさまにお話ししたいことがあって!よしさん、大学生のときに結構しっかり動画作品撮ってるんだよね。
あぁ撮ってたね。大学の時に落研(落語研究会)にいたから、その時に作品を結構とってたなぁ。最短5分、最長で15分くらいの短編だけど、なんだかんだ10本くらいは作ったのかな。
ーあれ、ちゃんと映画してた(笑)。映画っていうか短編コメディとして成り立ってた。わたしが好きなのはねえ、オープニング。
あー、あったね。映画『レザボア・ドッグス』のオープニングみたいにスーツ着た僕らが面倒臭そうに歩くやつね。落研での最後の発表で、イロイロと気合い入れて作ったんだよなぁ。基本僕が構成・演出・出演でやってたんだけど、みんな楽しそうに協力してくれたのが嬉しかったなぁ。
ーあと、これはもう観たわたしにしか伝わらないんだけど『さちこ』っていうシュールな作品があって…
おおー、覚えてくれているの嬉しいね。「さち子」と名付けた冷蔵庫に恋をした男が、愛を育もうとして死亡する作品だよね。やぁ懐かしいなぁ。
当時は頭使わないでなんとなく作った作品だけど、見返すと割と考えさせられて良い仕上がりになってるんだよなぁ。短くて見やすいし、演出も分かりやすい。お気に入りですな。
ーあのとき、わたしは「よしさんはなんで大学院に進んだんだろう、サラリーマンになったんだろう」って思ったんだよね。当時演劇やってたわたしからすると、わたしなんかより全然クリエイティブですごい人だなって思ってたんだわ。
うーん、制作欲が昇華されたからだろうなぁ。その時には「モノを仕入れて売る」という、商売をやりたかったんだよね。確かにあれ以降、動画の制作欲があまりないのが少しさびしい気もするかもね。
ーそうなのかー。でも、まあ、「モノを仕入れて売る」も面白いもんね。あと「よしさんと映画」と言えば外せないのが初映画デートだね。
あれでしょ、『ザ・レイド』でしょ。やー、あれはいい映画だったね~~。
ー「かほちゃん、これ観よー」って言われて予告編見せられたとき、確かにわたしLINKIN PARK好きだから心踊ったけど※、同時に「ちょっとバイオレンスすぎん?!」って思ったりもしてた。でも面白かったんだよなー。
※ロックバンドLINKIN PARKのマイク・シノダが映画音楽に初挑戦したことでも話題になっている。
この予告編だったよね。やぁ改めて観てもいい予告編だよなぁ。あの時は適当な言い訳をしたけど、正直そんな考えてなかったんだよね。「面白そうな映画だから気になる女の子と観たい」ってだけであまり内容を考えないでデートに申し出たね。
面白い映画でハマったから結果オーライだけど、思い返すと危なかったね~。
ー『ザ・レイド』は今でも2人のお気に入り映画だけど、人に勧めるとき、どの魅力について全力で伝えたい?ちなみにわたしは、「90分の映画で、最初と最後の5分以外、マジでずっと戦い続けてるところ」。
どうだろうなあ。「あったま悪くて、チョーかっこいいから観て!」とだけ言うかな~。笑
ー『ザ・レイド』を観た後も思ったんだけどさ、2人で映画を観るたび、映画って互いを知るのに効果的なツールだなーって思ってて。
そうだよね。映画デートは観ている間もだけど、その後の時間も楽しいから好きなんだよね。
映画の感想もだけど、どのキャラクターがよかったか、自分だったらどうするか、いろいろ話ができるもんね。意見が割れたって面白くて、「なんでそう感じたんだろう」と聞いていると、だんだんと相手の考え方が分かってきて楽しいんだよなあ~。
ーまた色んな映画を観たいですね!
そうだね!いろいろ観よう~!!
※表紙撮影の一コマ。レオナルド・ディカプリオの顔真似をしていると聞いたので、他の俳優さんの顔真似もお願いしてみた。
アカ ヨシロウが注目する年内公開の映画
2019年もあと残り3ヶ月。そんな中で、アカ ヨシロウが観たい年内公開の映画について語ってもらった。
10月公開『ジョーカー』(原題:Joker)
出典元:ジョーカー
やぁきました、ホアキン・フェニックス版ジョーカー。正直ホアキン・フェニックスなんて全然知らねぇぞって思ってたけど『her/世界でひとつの彼女』の主人公のオッサンだったか。
予告編がカッコよかったり、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞したとかでいろいろモテハヤサれているけど、僕は期待をしないぞ!
うおおー、善人がどんどん狂っていく演出に魅了されてしまう。危ない危ない。同じDC映画の『スーサイド・スクワッド』の予告編で期待して蹴落とされたのを思い出そう。
「DC映画は期待しない!DC映画は期待しない!DC映画は期待しない!!」
(うおおー、超楽しみだ~~!!!)
11月公開『ターミネーター:ニュー・フェイト』(原題:Terminator: Dark Fate)
白髪シュワルツェネッガーと婆婆リンダ・ハミルトンが主演するということで「あのターミネーター2の正統な続編」と謳っているニュー・フェイト。ターミネーター3からジェネシスまでの3作品を無かったことにしているのもの笑えるが、今回の興行収入もコケたとしたら、また闇に葬られるのかと気になるところだ。
確かに今回のババアサラ・コナーもかっこいいけど、個人的にはジェネシスのエミリア・クラーク演じるロリロリサラ・コナーも可愛くて好きだったなー。あのニノウデが見れないのは残念~。
出典元:新ターミネーターのサラ・コナーが可愛すぎて、アクションの連続なのに癒される。一方で男性俳優陣は、 小鳥ピヨピヨ
12月公開『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(原題: Star Wars: The Rise Of Skywalker)
出典元:『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』日本版ティザーポスターが解禁!
ディズニーが買い取った巨大コンテンツ「スターウォーズシリーズ」の最終の9作目ですな。
やぁ未だに疑っているんだけど、ディズニーは本当にスターウォーズを終わらせるつもりなのかね。前作のエピソード8では新キャラと新設定をガンガンに出して、スピンオフでキャラクタービジネスをやる気満々で酷かった。うーん、天下のディズニーが”金のなる木”をみすみす終わらせる事なんてしないと思うんだよなぁ。けどいい加減気持ちよく終わって欲しい。
まあ今回の監督はエピソード7を担当したJ・J・エイブラムスだ。もう彼を信じるしかないね。頼んだぞ!J・J・エイブラムス!!!
※本人的にはブラッド・ピットのつもりらしい。
※悪化した。
アカ ヨシロウVS妻 おすすめ映画対決
世間一般からすれば、割と映画大好きなアカ ヨシロウとその妻が、テーマに沿った映画について対決(?)していく。
THEエンタメ映画と言えば!?
ヨシロウのおすすめは
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
以下ヨシロウより
THEエンタメ映画といえば古典だけど『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だなぁ。全然色褪せないというか、見れば見るほど面白さが見いだせれるんだよね~。同じくエンタメ映画としては『ダイ・ハード』もあるんだけど、両方とも古いね笑。2つとも奇抜な演出はせず、だけどキチンと気持ちよく楽しい。キャラクターも立ってるし、起承転結もしっかりしている。これぞエンタメ映画だと思うんだよなぁ。
かほコメント
ああー、よしさんっぽい!しかもTHEエンタメ映画だ、異論はない!!!2作品とも少し古い作品ではあるけれど、その古さを感じさせないぐらい楽しませてくれる名作だよね。はじめてデロリアン観たとき、わたしもワクワクしたなあ。
かほのおすすめは
『ジュラシック・パーク』
出典元:Amazon.co.jp: ジュラシック・パーク
以下かほより
起承転結がわかりやすいし、ラストシーンは「キメてやったぜ!!!」というぐらい恐竜よ画がキメッキメなのでエンターテイメントにふさわしいんじゃないかと。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も考えたけど、『ジュラシック・パーク』のほうが「恐竜パニック」に物語を絞ってる気がして見やすいかなーと。不特定多数に向けたTHEエンタメとして回答。本音は『マッドマックス 怒りのデスロード』と『ワイルドスピード:スーパーコンボ』です
ヨシロウコメント
おおー、いい映画を紹介するね。確かにマッドマックスの狂った世紀末映画や、ワイルドスピードのハゲツンデレ映画も最高だけど、不特定多数に向けたエンタメ映画としてはジュラシックパークが100点だと思う。「恐竜がもし現実にいたら」という少年のワクワクした気分が、あの壮大な音楽のなかで見事に感じることができるよね。いやぁ、ブラキオサウルスが最初に出てくるシーンとかは、今見ても鳥肌が立つよね
お家でまったりしたいときに観たい映画と言えば!?
ヨシロウのおすすめは
『300(スリーハンドレッド)』
以下ヨシロウより
お家でまったりでしょ?だったらザック・スナイダー監督の『300』がオススメだなぁ。キレイな映像で半裸ヒゲマッチョのオジサンをベッドに寝転びながら鑑賞する。画も変わらないし展開もゆっくりだから、なんなら途中で寝ちゃってもいい。どうせ1回観ただけじゃよくわからない映画だし、起きたら映画が終わってたとしても「まぁよく分からないけど、良い映画だったと思う」となってしまう良作だ笑。僕は料理を作るときとかBGMがほしいときにも流すよー
かほコメント
おすすめされて観たとき、「え…画が変わらなすぎる!!!」って思ったのは確か。半裸ヒゲマッチョがウオーウオー言ってる映画って印象強い。でも、よしさんが「まったり映画」として挙げた理由もわかる気がする。神経を研ぎ澄ませて観る映画ではないもんなあ(笑)。
かほのおすすめは
『キャビン』
以下かほより
よしさんが好きな映画なんだけど「めちゃくちゃ家でリラックスしながら観れた映画だな!」っと思って。ホラー映画だけど絶妙にゆるくて、でもホラーの王道演出は外さないし、笑えるぐらいのゴア描写あるし、絶望感もあってハラハラするし…でも本気すぎるホラーじゃないから「怖すぎて疲れる」なんてことはないし、退屈なわけではないし、「面白かったー」とは言えたし。なんか「まったり」にちょうどいいんじゃないかなーと思ってセレクト。
ヨシロウコメント
ああー、キャビン! ホラー映画に対するリスペクトを感じる良い映画だよね~。確かにカホさんの言う通り「怖すぎて疲れる」ことのないのが、この映画が気持ちのいい理由かもしれない。ホラーだけど笑える、オチも良い、ステキな映画だと思うなぁ~。
邦画苦手な2人があえておすすめしたい映画
ヨシロウのおすすめは
『黒い家』
以下ヨシロウより
最近は韓国映画にお株を獲られてるけど、日本映画の戦い方として好きな作品。「なんか気持ちが悪い」「違和感」「ぞっとする」などの感情が出てくるホラーだね。主人公の内野聖陽はドラマ『きのう何食べた?』のケンジ役の人だけど、男前だけど気弱な「そのへんの生保の人」って感じがハマってていいんだよなぁー。
かほコメント
嫌ーな気持ちになる怪作だよね。これ観ちゃうと、大竹しのぶを素直に見れなくなる(笑)。確かにこういうジワジワくる怖さや不気味さは「ジャパニーズホラー」ってジャンルがあるように、日本特有の、邦画でしかできない表現なのかもしれないね。
かほのおすすめは
『八つ墓村(渥美清バージョン)』
以下かほより
金田一耕助シリーズが好きでね。高校生ぐらいのときに、ケーブルテレビの特集で「金田一耕助シリーズ一挙放送」的なのやってて、複雑な人間関係とユニークな殺害方法、当時のまあまあなグロ描写と物悲しい結末に一目惚れしちゃって。中でも渥美清バージョンは、キャラクター化してしまった金田一シリーズとは違って、語り手的存在として振る舞う金田一が粋でねえ。あくまでも「八つ墓村」の物語を大事にした、ポップではない金田一シリーズを、わたしはおすすめしたい。これは観ちゃう、見入っちゃう。
ヨシロウコメント
やー、渋いですな。しかも渥美清バージョンなんだ笑。確かにあの金田一耕助はそんなに前に出てくる印象はなかったね。狂った山崎努や、様子のおかしいおばあちゃん姉妹も気味が悪いよね。ああー、こんな田舎には行きたくねぇなあ。(こんな田舎があるかはしらないけど。)
SF未経験者におすすめしたい映画と言えば!?
ヨシロウのおすすめは
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
(原題: Guardians of the Galaxy)
出典元:Amazon.co.jp: ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
以下ヨシロウより
アベンジャーズでおなじみのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズとしては第10作品目の本作。これのスゴイところは「SF未経験者もOK」「シリーズを見ていない人もOK」なところだね。音楽が良い!キャラクターが良い!脚本が良い!の三拍子揃った良作だと思う。これを見て「SFも良いかな~」「マーベルシリーズも気になってきたな~」って思ってもらえたら願ったり叶ったりだね。
かほコメント
確かにMCUの中でも見やすい作品かもしれない!音楽がものすごくマッチしてる映画だよねえ。わたし、映画冒頭、タイトルが出てきたとき「おー」って声あげちゃった気がする。映画のつくりはかっこいいのに、キャラクターが皆どこか抜けてるというか、統率とれてない感じが、いい具合にハラハラさせてくれて楽しいんだよね。
かほのおすすめは
『ブレードランナー』
以下かほより
未経験者ってことは苦手意識があるのかなーと思ってて。あえて『ブレードランナー』。もしかしたら、もっともっとSF映画に苦手意識をもたせる結果になるかもしれない(笑)。でも、これぞSF映画だと思うし、わけわかんなさに浸るのも醍醐味かなって思って。考察とか色々あるけど「よくわかんなかったけど、すげかった」で構わない映画だと思う。もし、これがきっかけで「やべーなSF」って興奮できる人だったら、それはたまたま今まで未経験だったってだけで、めっちゃSFと相性抜群だよ、あなた、なんでもいけるよ。
ヨシロウコメント
うおー、あえてのブレードランナーとは笑。確かになー、テンポ遅くて意味不明だけど、あの世界観はゾクゾクするんだよな~。この作品もBGMとしてなんとなく上映しちゃうよね。
まぁブレードランナーが好きってなったら、相当SFと相性がいい人だと思うよね。そんな人には次作の『ブレードランナー2049』も見てほしいね~。
夫婦で観るのはおすすめしない映画
ヨシロウのおすすめは
『ゴーン・ガール』
(原題:GONE GIRL)
以下ヨシロウより
この手の映画評論の時によく出てくる映画として『ゴーン・ガール』は挙げられるけど、個人的にはオススメしないというか、「イラッとした印象しかない」映画だったなぁ笑。
”どんでん返し”という演出は最近の映画では良い映画の指標になっているようだけれど、その演出をするために夫婦の設定がどうしようもなくなってるんだよなぁ。DCを観る前からベン・アフレックの印象が悪くなったのは本作のせいだとも思う笑。
かほコメント
そうだね。夫婦で観たって構やしない映画とも思うんだけど、その後主人公夫婦に対してイライラがおさまらない人、多い気がする(笑)。よしさんの言うとおり、わたしのベン・アフレックへの苦手意識はここから来てるのかも。ジャスティス・リーグのバットマンはベン・アフレックにしかできないんだけどなあ、と思いつつ、なんかちょっとまだ苦手(笑)。ほんと、ゴーンガールの夫婦、苦手。
かほのおすすめは
『La La Land』
以下かほより
別に夫婦で観ても全然問題ないとは思うんだけど、もし結婚前に付き合っていた人に特別な想い(ポジティブなほう)を抱いていた場合、主人公2人の結末を見届けたあとに何か思うんじゃないかな。いわゆる「あのときこうしていたら2人の関係は違っていたかもしれない」みたいな。「映画」に感情移入しすぎる人は、1人で観たほうが彼らの世界に浸れていいんじゃないかな。
ヨシロウコメント
やー、ラ・ラ・ランドいい映画なんだけど当時はヤられたね~笑。今でこそなんともなく一緒に観れるけど、最初に劇場で見たあとは引きずってしまったんだよね。カホさんの元カレに嫉妬したというか、僕で本当にカホさんは幸せなのだろうか、とね。
あとあえて言うけど、よく比較される『グレイテスト・ショーマン』はヒュー・ジャックマンがいい人のように描かれているけど、結局偏見を脱却できないポンコツビジネスマンだから好きではない。
これが好きならわたしと友達になれる!?な映画
よしのおすすめは
『ウォッチメン』
以下ヨシロウより
まさかのザック・スナイダー監督作品ダブり。だけどそれくらいウォッチメンが好きなんだよね~。
ディレクターズカットだと3時間を超える長尺の映画だけど、観終わったあとに議論ができるかどうかで友達判定ができちゃうよね。議題は①どのキャラクターが好きか、②このオチはOKなのか、だ。正直どのキャラクターが好きでも、オチに対する感想が違くてもいいんだ。キチンとストーリーを理解して、議論をしてくれるかどうかが判定基準になるね。(そう考えるとめんどくさいね。僕。)
ちなみに観た人しかわからない話だけど、僕が好きなキャラクターはオジマンディアスだ。友だちになりたい人は議論をふっかけて欲しい~。
かほコメント
よしさんのめんどくささを知った作品のひとつかもしれない。わたしははじめてこの映画を観たときロールシャッハ派だったんだけど、よしさんに「えーなんでなんでなんで」と問いただされた気がする。まあ、おかげで、互いにどういう価値観で「正義」を捉えているかがわかったとも言えるんだけど。でも、もしよしさんと仲良くなってみたい人がいるのなら、「アカ ヨシロウと観る!ウォッチメン」みたいな企画立てたら面白いかも。多分、半分以上の人が、予想以上に議論好きなよしさんに引いちゃう気もするけど(笑)
かほのおすすめは
『ロシュフォールの恋人たち』
出典元:Amazon.co.jp: ロシュフォールの恋人たち
以下かほより
よしさんから「サブカルクソ女」と呼ばれたこともあったけど、確かにサブカルよりの人間なので、THEサブカル扱いなフランス映画をチョイス。それでもだいぶ、どんな人でも観やすい映画を選んだつもり(友達になってほしいし)。おすすめポイントは開始直後のダンスシーン。ロシュフォールの恋人たちといえばこれ!って曲(キャラバンの到着)がいきなり流れて気分があがるの!
ヨシロウコメント
はっはっは、「サブカルクソ女」と言ってしまってごめんね。やぁ『ロシュフォールの恋人たち』はめちゃくちゃオシャレで面白かったし、他のサブカル映画にしてもとてもいいと思うんだ。サブカルばっか偏食してちゃクソ女になっちゃうよって言いたかったんす。(失礼には変わりないね。)
比較的最近見たんだけど、終始おしゃれであの世界観憧れる映画だったなぁ。オチもスマートなんだよね。フランス映画なんてゴダールとかルルーシュとか退屈な印象だったけど、やっぱり決めつけはいけないねー。
※『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』も面白い映画だったね。
編集後記
※「ブルース・リーやって〜」とせがんだら、こうなった。
好きな映画について語るときの、議論するときの夫はイキイキとしている。
正直な話、議論が白熱しすぎることもあり、時々「めんどくさいかもしれない」と思うこともある。
でも、それだけ白熱するということは、それだけ映画が好きということでもある。「めんどくさい」なんて言ってしまったが、時に目をキラキラさせて、時に深く考え込んで、さっき見た映画について語り続ける夫の姿はとても楽しそうだ。見ているわたしも楽しくなってしまうし、なんだかんだ言ってわたしも白熱する(夜眠れなくなることもある)。
夫と一緒にもっともっとたくさんの映画を観たい。
次回は10月末に刊行予定。
photo / sentences / edit: Kaho Katayama
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