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チュラロンコンMBAの主要3科目

こんにちは。
今日はチュラロンコン大学MBAで学んだ科目の内、大学が重要視していた3科目について書いていきます。

チュラMBAでコアとなる内容

早速ですが、
Strategic Management, Marketing, Accounting
(戦略、マーケティング、アカウンティング) 
の3つです。

なぜ分かるかというと、これらが「卒業試験(Comprehensive Exam)」の科目であるからです。

Comprehensive Examはなぜあるのか

Comprehensive Exam (総合試験) は2年間で学んだ内容を最後に測る試験です。タイでは学部を卒業する際にもこのComprehensive Examがあるそうです。

世界的にみて一般的なのか知らないのですが、個人的には卒論提出・口頭試問も終えた後にペーパーテストがあるのはちょっと意外でした。

私の通っていたチュラロンコンEnglish MBAは
会社に通いながらキャリアアップを目指す20代中盤~後半のタイ人をメインターゲットとしており、
欧米のアイビーリーグやアジアでも有名なMBA (NUSやTsinghua等) とは異なりフルタイムは無く、基本的に平日の夜間授業のみの開催です。

その為、起業家というよりは実務家を育成する場の印象が強く、起業に関する授業はほぼありません。

唯一、スタンフォード卒の講師がやっている授業はスタートアップに近かったですね。さすが世界のスタンフォードって感じ。その講師はマッチングアプリを作ってバイアウトしたり、オンライン診断アプリ開発とかをしてました。

既存の会社をいかに評価し、よい方向へ向かうかという事のベクトルが強い、そんな特色のあるMBAです。
その為、知識の確認のためComprehensive Examというハードルがあり、科目もそれに近づけているのかもしれません。

コア以外の内容

コア以外にはこういった授業があり、2年次に選択できます。
Statistics (統計)
Analytical Modeling (生産管理) Just In Time,、Kaizen、ロジスティクスとか
Leadership (リーダーシップ/HR)
Communication (コミュニケーション)
Capital Market (キャピタルマーケット/資金調達)
Project Investment (プロジェクト投資判断)

Communicationの授業風景

とまぁこんな感じで色々な授業があるのですが、
基本的には最初に述べた3つが中心です。

さて、ここからはそれぞれどんな内容を学ぶか、ざっくり書いていきます。

戦略 / Strategic Management

経営戦略です。MBAで学ぶイメージが一番あるかもしれませんね。
2年目から授業があり、具体的には以下を学びます。(共通科目/全員が履修する)

・イシュー、問題の特定
・外部環境の評価 (PESTELやFive Force)
・内的環境の評価 (Value ChainやBuilding Blocks)
・それらを掛け合わせたSWOT分析
・SWOT分析から導き出す機能/ビジネス/会社全体の戦略の立て方

チュラMBAでは珍しく、かなり長大かつタフなケーススタディがあり、
2ターム分(16週間)を使って各チーム2つのケーススタディを行いました。

ケーススタディはグループで行うので、イシューを切り分けて、自分の担当パート (競合の経営指標調査とか、外部環境調査とか) を中心として行います。
プレゼン、レポートの長さはそれぞれ200ページほどになりました。

Strategyのケーススタディの発表シーン

Strategic Management の授業は、ケーススタディでがっつり手を動かすので、実務にも活かしやすい事です。

いざ戦略を考えていく時にどこからスタートすべきか、考える軸ができます。

駐在若手でも、現地採用でも、支店の戦略を立てている際に意見を求められるかもしれません。そんな時に、「そもそもスタートすべき点、議論すべき点」を考えるのに役立つと思います。

経済・商学部卒の方々は、学部時代に学ぶ内容かもしれませんが、
社会人経験を通して全体像を見直したい人には良いかもしれません。

マーケティング/Marketing

私がチュラMBAで学んで一番ためになった内容はこのマーケティングでした。

Marketingのプレゼン場面

マーケの内容って3Cとか4Pとか、仕事をしていれば誰しも聞いた事のある内容ではないでしょうか。
チュラMBAは経済学部 (Faculty of Commerce and Accountancy) がやっているのであまり期待していなかったのですが、学部長がマーケの大家で、すごく面白く、為になりました。

1年目、2年目でそれぞれ授業があり、主に何を学ぶかというと

一年次
IMC/Integrated Marketing Communicationの要素
STP、3C、4Pなどの基本的なフレームワーク・考え方
二年次
顧客の行動要因の分析 (Consumer behavior analysis)

などを学びます。

マーケティングとは何か、という問いに対し「Marketing is Everything」という答えを一年目の最初に教授がしていましたが、本当にその通りだと思える程、特に2年目の内容は面白かったです。
(正直、1年目の授業は聞いたことある内容が多かったです。)

2年目のマーケの授業は、過去の有名な出来事や会社CM映像をふんだんに使い、それについて「どんな人の、どんな考えを想起したいのか」を考えることが多く、消費者ニーズ、人の考え方に思いを巡らす視点ができました。

アカウンティング

これはイメージがつくかと思いますが、ざっくりいうと経営指標と財務諸表が読めるようになる授業です。
具体的には、

財務諸表の成り立ち/仕訳
財務指標の分析/デュポン分析とか、ROE、ROAとか
(選択) 資金調達手法や金利
(選択) 株式マーケット
(選択) プロジェクトCFの作り方
(選択) 外国為替

などです。

この内、チュラの授業的に重要な部分(最終試験で出る)は最初の二つです。
重要な財務指標を読み、違和感を覚える、または他社との違いを見つけ、それを改善するための施策を考えることが求められます。

まぁこれだけ見ると正直自習でもできる気がしますが、
海外事業に携わる日本人ビジネスマンにとって数字でモノが語れるというのはとても大事ですので、自発的に学んだことがない人には良いかもしれません。
割と苦手意識がある方もいるのではないでしょうか。

授業では仕訳を最初にやるのですが、面白くないので苦痛な人もいるかもしれません。笑
日本の簿記と違って英語の省略語はぱっと見で意味が分からないので、この時にちゃんと覚えておくのは結構大事です。APとかARとか、NPとか。

※Account Payable/買掛金、Account Receivable/売掛金、Net Profit/純利益

チュラMBAで学ぶメリット

ずばり、これらの内容を「周囲の人と話しながら学べること」です。

ここまでお読み頂き、正直なところ仕事をしていたら当然に聞いたことのあるトピックばかりだったのではないでしょうか。

4Pとか、3Cとか、財務諸表とか、一つも聞いたことない、という人の方が少ないと思います。

経済学部や商学部出身の多くの方なら既に学んだ内容だと思いますし、新たに得ることは少ないかもしれません。

一方、私 (法学部出身) のようにあまりビジネスを学んでいなかった場合、新聞やネットを見たり、仕事で必要なことを少しずつ積み上げていったり、本を読んだりしてアップデートしてきたと思います。

私はまさに仕事を通じて断片的にものごとを捉えていたので、今後のキャリアを考えるといろいろなフレームワークや考え方の幹となる部分を知りたいと思っていました。

日々の仕事を頑張りつつ、
「自分のやっている事って、このビジネスや会社の方向性に合っているの?」
「会社の広告が滑ってる感じするけど何でだろう」
「この会社よさそうに見えるけど、転職しても大丈夫かな」

なんて日々不安に思いつつ、仕事に忙殺されている人には良い学びになると思います。

という事で、チュラMBAで学んだメインの三科目についてお伝えしました。

チュラに限らず、MBAで得たい内容・受講目的と、実際に得られること、やれることのミスマッチをできるだけ減らせると良いですよね。

ではまた。

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