オオゼキと僕との相性問題
オオゼキが好きだ。無論スーパーの話だ。
ただし好きと言っても盲信的に好きなわけではなくて、あくまでも相対的に好きだという話だ。個人的な思い入れだけならもう圧倒的にリブレ京成がぶっちぎる。しかし東京西部にリブレはない。
それでも、以前住んでいたスーパー不毛の駅前に我慢できずに自転車ではるばると遠くのオオゼキに通ったくらいは好きだし、信用している。
ところで、僕と最もフィーリングが合うのはオオゼキ下北沢店だ。理由はいろいろある。3年間保育園の送り迎えに通った下北沢という街にはついエモを求めてしまうが、それを吹っ飛ばすほどの実利がオオゼキ下北沢店にはある。
スーパーごときにフィーリングとか何言ってんだバカかお前と思われる向きもあるかもしれないが、スーパーの性向というのは確実にある。例えばオオゼキの最強のカウンターパートとして立ちはだかるオーケーには、引っ越す時には必ずオーケーがある街を狙って選ぶハードコアなファンがいたりする。note社内にもオーケーのファンが多数いる。
オオゼキに戻ろう。僕はオーケーで買い物すらしたことがないのだ。
オオゼキはオオゼキ特有の色に加えて、店舗ごとにもグラデーションがある。「地域密着主義・個店主義」というポリシーを掲げており、店舗経営のかなりの部分の裁量を店舗側に投げてしまっているためだ。店舗レイアウトや外観はもちろん、なんなら、看板のロゴすら違う。
このグラデーションが、微妙なやりにくさとなって僕に襲いかかることがある。
上で下北沢店がベストフィーリングであると書いたが、ご神体(©︎まつしまようこ、敬称略)として界隈で崇められている松原店は僕のフィーリングとなんか合わない。ぶっちゃけてしまうと、ついこの間までおよそ8年間僕はこのド近所に住んでいた。それでも推せない。
本店として恥ずかしくない物量、生鮮食品の鮮度(特に魚がいい)、整然としたレイアウト、他店とは一線を画すすっきりとしたレジ動線。確かにクオリティは高い。それは認める。しかし、絶望的に合わないのだ。
食べたいものが食べたい時に安くなかったり、存在すらなかったり。店舗のポリシーとして仕入れていないのか、単に見つけにくいのか、下北沢で必ず買うものに出会えなかったり。これは相性が悪いとして処理するほか、心の持っていきどころがない。
下北沢店はフロアが1階・2階に分かれていること由来のレイアウトの複雑さ(特に買い忘れがあったときの絶望感たるや)、店舗前道路を走る自転車のマナーが極端に悪いため店頭の買い物に緊張を強いられる、レジ前が常にカオス等々、他のスーパーで言えば致命的とも言える粗を抱えていたりする。
しかし、この下北沢店が僕の現状のベストなのだ。僕が欲しいものが、僕の欲しい時に、僕が出したい価格で確実に買える確率が極めて高い。それは肉・魚・乾物・青果・酒・乳製品、どんなカテゴリにも当てはまる。これを相性と言わずになんと言おうか。
また、下北沢店にはセレンディピティが得られる機会が何故か多い。ヒマで立ち寄ってぶらーっと歩き回るうちにカゴに買う予定のなかったものが山盛りになっていることもあった。松原店でこんなことがあったためしはない。加えて言うと松原店にしか売っていないはずの求肥入りのこしあんパン(オオゼキマークの焼印入り)にもお目にかかったことがない人生だった。
さて。
今回引っ越した家の近くにもオオゼキがある。オオゼキを探して引っ越したわけではないが、オオゼキがありやすい(?)場所に移り住んだためだ。不動産の出会いは水物なので、これは偶然だ。
さて、この店舗と僕の相性はどうだろうか。ちなみに昨日初めて買い物をしたところ、いつも買ってるレモンサワーがなくて少しピクッとした。どんぐり豚も見つけられなかった。反面、ピエトロの面白そうなパスタソースを見つけたので買ってみた。
果たして。
より長く走るための原資か、娘のおやつ代として使わせていただきます。