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ギアを手に入れてラクに走ろう

「あ、また来たか」

なんだかモヤっとして元気がでない。
どうしようもないような気分。

たまにこんな気持ちになるときがあっても
「そうかそうか」とすこし余裕が出来たのは、
今は気持ちのギアが使えるから。


30歳になったばかりの頃は、
イラッとすることが多い自分にすごく嫌気がさしていた。
こんな感情を持ちたくないのにどうしてと。

でもある日、
甥っ子や姪っ子を見ていてはたと気がついた。

なにがそんなにおもしろいのか涙が出るほど笑ったり、
かと思えばいじけたり、
ふざけて言うこと聞かなかったり、
叱られてわあっと泣き出したり、
彼らはいちいち忙しい。

それに対してわたしは表に出せる感情をずいぶん制限している。
だから気持ちの行き場がないのかもしれないと。

そう思いついていつも書いている日記やノートを見返してみた。

そして水の底からそっと掬いあげるようにして見つけたのは
「どうにもならないと分かっているけどさみしい」
「理想の自分になれていないことに落ち込んで傷ついている」
という弱々しくて無防備な感情だった。


恥ずかしいと思った。
でも涙が出そうなほど安心した気持ちに包まれた。

大人になるというのは自分のネガティブな感情を表に出したりしないことだと信じていた。
それがわたしの意地でもあったし、
見せたくないから自分でも見ないようにしていた。


つまりどうゆうことかと言えば、
わたしは自分にやさしく出来ていなかった。

ようやくここまで考えが辿り着いたときは
自転車のギアを使えることに気がついたような気分だった。
あれ、こんなにスムーズに走れたの?って。

自分に向き合うってすごく面倒くさい。
だけどその先に自分をラクにしてくれるギアがある。

さぁ、今日はどうやって自分にやさしくしようか。
あったかいココアでも飲みたいかな。


次はわたしなりの「自分にやさしくする」ってことを書こうと思う。

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