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千里の道も一歩から (パート4)

寒く厳しい夜、何もかもが不安な中で、私は異国の地で小さなブリーフケースを持って立っていました。その時、私はこれまで考えもしなかったことを実感しました。それは、人間性の美しさと他者を助ける精神です。

私のためにタクシーを譲り、助けてくれた年配の男性と若者は、単に親切だったわけではありませんでした。彼らは心から私のことを気遣ってくれていたのです。彼らの無償の助けは私の心に深く触れ、その感謝の気持ちが涙となってこぼれました。旅の始めに抱いていた日本人への最初の印象は、今やさらに強固なものになりつつありました。彼らのホスピタリティ、助け合いの精神、そして人間としての誠実さは、私に大切なことを教えてくれました。それは、愛と協力には言葉がなく、心の言葉しかないということです。

タクシーは寒さの中でゆっくりと走り、私は早く目的地に着くことを待ち望んでいました。1時間が経過し、やっとその瞬間が訪れました。タクシーは薄暗い路地で止まりました。そこには小さな家がありました。私はそれがパキスタン人の家だと思いました。なぜなら、そこにはパキスタン風の服が物干しに掛けられていたからです。しかし、ドアは閉まっており、誰も応答しませんでした。

寒さはますます厳しく、私は暖かい服を持っていませんでした。20分ほど待った後、私は1台の車が近づいてくるのを見ました。それは同じタクシーで、ドライバーは「ポリス!」と言いながら私のところに来ました。私は何を言っているのか理解できませんでしたが、彼は私にタクシーに戻るようにジェスチャーしました。心の中で様々な思いが駆け巡り、これから何が起こるのか全く分かりませんでした。

15分後、タクシーは別の路地で止まりました。そこには自転車を持った女性が待っていました。ドライバーは彼女と何か話し、二人は日本式にお辞儀をしてお礼を言いました。私はただ静かに二人を見つめていました。異国の地で、何が起こるのだろうかと考えていました。そして、その女性は私のブリーフケースを自転車のバスケットに入れて、私に一緒に来るように合図しました。

次に何が起こるのでしょうか?彼女はなぜ私を助けようとしているのでしょうか?そして、私はどこへ連れて行かれるのでしょうか?不安と好奇心の入り混じった気持ちで、私は彼女に従いました。                                                  英語のブログはこちらをクリック

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