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千里の道も一歩から (パート5)

エピソード5 予期しない助け
女性は静かな通りを歩き、やがてある家の前で立ち止まった。彼女は私に「中へ入って」と手で合図した。最初は少し戸惑ったが、他に選択肢はなく、私は彼女の後を追い、家の中へ入った。

すると、驚くべきことが起こった。彼女は私に何かを話しかけたが、日本語だったため、全く理解できなかった。

その時、私は突然、自分が持っていた本のことを思い出した。日本語とローマ字のウルドゥー語の翻訳が載っている本 だった。私は急いでその本を彼女に見せた。彼女は声に出して読み始め、それを通じて私は自分の名前や出身地を伝えることができた。

本を使っての会話が進み始めたちょうどその時、ドアが開いた。

外から一人の若者が入ってきた。少し驚いた様子で私を見たが、彼が女性の息子であることがすぐに分かった。彼は大学生 だった。そして、何よりもありがたいことに、少し英語を理解していた! ついに、まともに会話ができる人に出会えたのだ。

息子が通訳してくれたおかげで、私は自分の状況を詳しく伝えることができた。そして、その瞬間、驚くべき事実が明らかになった。

実は、あのタクシードライバーは戻ってくる前に、まず警察署に行っていたのだ。

彼は警察に私の状況を説明し、「寒さが厳しく、このまま外に放置するのは危険だ」と訴えた。そして、そこで彼はある重要なことを知ることになる。

私が待っていたあのアパートの持ち主は、まさにこの女性だったのだ!

警察の協力で、ドライバーは彼女の連絡先を見つけ出し、まず彼女に電話をかけた。彼女はすぐに事情を理解し、私を助けに来てくれたのだった。

しかし、それだけではなかった。

ドライバーは、もし彼女が電話に出なかったり、助けに来られなかった場合、自分の家に私を泊め、翌朝再び警察と一緒に住所を確認しに行くつもりだった のだ。なぜなら、その夜は大晦日 で、ほとんどの人が長期休暇に出かけていたからだ。彼は私の身を本当に案じてくれていた。ただ助けるだけではなく、最後まで安全を確保しようとしてくれたのだ。

その瞬間、私は計り知れない感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。もし彼がいなかったら、私は極寒の中、行き場を失っていたかもしれない。彼の無償の親切が、私を最悪の事態から救ってくれたのだった。

しかし、この後、さらに何が起こるのだろうか? 女性と息子は、私をどのように助けてくれるのか? そして、私はこの家でどうなるのか?

次回のエピソードで、この特別な夜の続きが明かされる…!                             英語のブログはこちらをクリック


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