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超伝導って何?

自分が現在大学で研究を行っている
超伝導」について少し紹介したいと思います。
英語では、super「すごく」、conductivity 「伝導」で
superconductivity 「超伝導」です!
そのまま…笑

電気抵抗ゼロ

超伝導は、電気抵抗がゼロになる現象です。
電気抵抗とは、中学くらいの理科でやるオームの法則の式
V = RI (V : 電圧、I : 電流)
のRのことです。
「電気抵抗がゼロになるとなにかいいことがあるの?」
と思うかもしれませんが、最も自分たちの生活に役に立つ応用例として、
超伝導を用いた電線が考えられます。
超伝導電線が実現すると、電気抵抗が発生しない状態で電力を輸送する
ことが可能となるので、エネルギー損失がなくなります。
しかし、物質を超伝導にするには、
液体窒素(-196度)や液体ヘリウム(-269度)等で、
冷却する必要があり、コストが莫大にかかってしまうため、
現在までに超伝導電線の実現には至っていません。
もし冷却することなく超伝導になる物質(室温超伝導体)が、
発見されれば、大きなブレイクスルーとなり、
エネルギー革命がおこると思われます。
実際に最近測定を行った電気抵抗の温度依存性の図を載せておきます。
(試料名は秘密です)
実際に自分で試料を合成し、測定することができるのが
実験の醍醐味ですね!

超伝導電気抵抗


電気抵抗がゼロになるとありがたい性質として、
エネルギー損失なく電流をながすことができるので、
強い電流を流すことがができます。
電流の周りには磁場が発生しますので、結果的に、
強い磁場を発生させることが可能になるということです。
このように超伝導を利用して磁場を発生させる装置を
超伝導電磁石や超伝導マグネットと呼びます。
このような性質を利用したものはすでに、
私たちの近くで実現しています。
それが、リニアモータカーやMRIです。
これらは、この超伝導電磁石を用いた素晴らしい応用例です!

マイスナー効果

超伝導にはもう一つ面白い性質があり、
それはマイスナー効果と呼ばれるものです。
マイスナー効果とは、超伝導体内の磁場を排除する性質のことで、
磁石を近くに置いておくと、反発し合います
「超伝導」とググると、超伝導の上に磁石が浮上している
写真や動画を見たことがある人もいるのではないかと思います。
しかし、超伝導がただ磁石と反発するだけであるならば、
磁石のS極とS極(もしくはN極とN極)を近づけたように、
ただ反発するのみで、浮上している写真や動画のようにはなりません。
超伝導上に磁石が浮上しとどまるためには、
一部の超伝導のみが有している性質、ピン止め効果が重要となります。
この効果は、超伝導になっている物質に磁場をかけると、
全ての磁場を排除するのではなく、一部を超伝導体内に受け入れます。
そして、この磁場が超伝導体内の決まった位置(不純物などがある場所)に
とどまることで、磁場が「ピン止め」されます。
このように、マイスナー効果とピン止め効果が合わさることで、
超伝導上に磁石は浮上するのです。
このような性質を用いたリニアモーターカーも海外では
製作されているようです。
参考までに、YouTubeにあった超伝導体の上に
磁石を浮上させる動画を上げておきます。

超伝導の磁石浮上動画


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