好きな音楽の話をする日「塔(エンパイアステートメント)」
書くことがない……
今日は好きな音楽の話をするか……
People In The Box『塔(エンパイアステートメント)』
いいよね……
「Weather Report」というアルバムに収録されている。収録されている、というか、ウェザーリポートは全ての曲がトラックとしてはドッキングされている状態という仕様のアルバムなので、CDで聞く時は頭の「気球」からずぅっと聞いていくか、開始時間を覚えてぐいっと早送りするしかない。1時間ちょいが1トラック。
サブスクになったら流石に分割されたけど、それはそれで、ええんか?という気もする。いや…なんかこう……意図とか……そういうさぁ……
シンプルなつくりと深い歌詞、淡々としたボーカル。People In The Boxの曲はいつもひんやり乾いた優しさみたいなものがあって好きなのだけれど、塔(エンパイアステートメント)にはさらに厳かさ、祈り、のようなものが感じられるのがいい。
ところで、この頃にはよくこの曲を聴いたな〜みたいな、音楽と思い出がセットになっていることってあるじゃないですか。
私は旅行に行くとき、1つのアルバムを選んで、旅行中はそれを繰り返し聴いたりする。そうすると、その先もこの旅はこの歌手のこのアルバム、みたいに結びついて、なんかいい。
「Weather Report」を、私はロシアにぼっちで旅行した際に聴いていた。
シェレメチェボから成田へ帰る飛行機の中で朝を迎え、周りの乗客がほとんど寝こけている中、私は帰りたくねぇ……という気持ちでいっぱいになりながら「塔(エンパイアステートメント)」を聴いていた。旅が終わってしまうことが無性にさみしい気持ちだった。
あのころに街をさまよい疲れ入ってグリーンティーを頼んだらお砂糖がついてきたサンクトペテルブルクのマクドナルドも今はもうない。もしかしたらもっと沢山の綺麗なものが失われてしまったのかもしれない。でも、この曲を聞くと私が思い出すのは、雲の上で何にも遮られない朝の光とか、窓から見下ろす大陸、早朝のスタンドで湯気のたつさくらんぼのお茶、びっくりするぐらい広い地下鉄の駅や、百貨店の灯りがきらめく夜の赤の広場なのである。
今日はここまで。ありがとうございました。