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時には『ハートカクテル』を

母の本棚にあったハートカクテル。全編を通してカラーの、その色彩の美しさは以降も廃れる事のないように思う。何歳の時に手に取ったかは忘れたけど、読んだ後、自らが生きる世界はこんなにも素晴らしい物だったんだと感じた覚えがあります。

舞台は80年代の日本。当時の小説や音楽がそうであるように、独特の雰囲気を持つ『ハートカクテル』(作者:わたせせいぞう)は、青春を強く感じるストーリーが主となっています。

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基本的に一話完結の漫画なので、そこにややこしい駆け引きなどはなく、淡い感情からくる優しさに包まれている本作。だからこそ、強くビビットな色を持つイラストが、余計に映えるのかなぁと考えたり。また台詞回しが凄く素敵。とても爽やかです。

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普段、適当な事しか言わない私ですが、この作品は本当に今読まれるべき漫画だと思います。
不穏な空気が漂い、人との関係性が気薄となりつつある現代において、何を大切にしなければならないのかを、この物語から教えて貰った。

受け取り方は人それぞれ、周囲の環境は刻々と変化していくけど、我々が生きてきた過程を振り返れば、決して不変の物もあるのではないかと、私は本気で思ってしまったりするのです。

誰も不幸にはならない。誰も過去を悔いたりしない。例え恋人と別れても、友人と喧嘩したって、最後は前向きな姿勢でその幕は閉じる。
暗く陰湿な物語も良い。苦悩しても良い。でも
いつの時代も美しいのは、他人との触れ合いが織り成す前向きな感情であると、私は思った。

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