🇻🇳#13 ベトナム•ホーチミンのススメ

今回は、ベトナム渡航において注意すべき感染症と、そのワクチン接種に関して紹介します。
3ヶ月以上の長期滞在、または地方都市へ行くことを計画されている方は、ワクチンの接種をおすすめします。ただし短期間の旅行であれば、ワクチン接種は不用だと思います。

必須

外務省ホームページによると、日本の小児に対して行われる定期接種である、
BCG、ポリオ、DPT、MR、日本脳炎、Hib、B型肝炎、水痘、小児用肺炎球菌、ロタウイルス
などはベトナムにおいても非常に有効である。これらを全て受けていない人は渡航前に、任意接種することをおすすめする。(年代によって予防接種が義務付けられているワクチンは異なる)

また全て接種している方でも、以下に紹介するワクチンに関しては追加接種をおすすめしています。
というのも人間の獲得免疫には期間の限界があり、感染症に罹らないためには定期的にワクチンを打ち免疫力を高める必要があるからです。

ベトナムでも感染が広く確認されている麻疹、水痘・帯状疱疹は、幼少期に定期接種をきちんと行なっていれば、追加接種は不用です。

A型肝炎

A型肝炎は、糞便から排泄されたウイルスを手で触ってしまう、または汚染された食べ物を食べることなので感染します。
人の間でも性交渉なとで感染が広がります。

A型肝炎のワクチンは2024年現在、乳幼児ワクチン定期接種のスケジュールに含まれていないため、任意接種が必要です。

接種の期間としては約6か月が目安です。
1回目から2回目の間が1週間、2回目から3回目の間に6か月を開けて接種します。

Ｂ型肝炎

B型肝炎は、ウイルス性肝炎の中では最も重症な型の感染症です。主に輸血や注射針の使い回しなどの不適切な医療措置によって、または性的接触などによって感染します。

日本でも過去に注射に関する指導が徹底されていなかったことにより、数百万人がＢ型肝炎に感染し問題になったことがあります。
そしてこのB型肝炎を引き起こすウイルスは、生涯体内から消え失せることはないのがこの病気の怖いところ。

B型肝炎は2016年より、乳児の定期接種に含まれています。
つまりそれ以前に生まれた方は、接種をしていないと思われます。そのため多くの成人は任意接種が必要です。

Air型肝炎と同様約6か月が、接種の期間の目安です。
1回目から2回目の間が1週間、2回目から3回目の間に6か月を開けて接種します。

破傷風

破傷風菌は土壌の中に存在しており、切り傷などの怪我をした場合にその部分から体内に侵入して感染し、死に至らしめることもある恐ろしい感染症です。

1968年以降は、定期接種として三種（または四種）混合ワクチンとして破傷風ワクチンを接種しています。
しかし接種してから10年以上経っている方は、1回だけ追加接種することをおすすめしています。(以後も生涯に渡り、10年おきに接種した方が良い)
接種したことがない方は3回の接種が必要です。

日本脳炎

日本脳炎は蚊によって媒介される感染症です。アジアの多くの地域で見られ、感染して発症すると約30%の方が亡くなると言われています。

かつては日本でも多くの感染者がいましたが、現在では定期接種の徹底によりほとんど見られません。
日本脳炎に「日本」という名前が付くのは、この病気がウイルス病であることを発見した研究者が日本人だったからだとか。

破傷風と同様に、最終接種から10年以上経っている場合は、1回だけ追加接種をすることをおすすめしています。

狂犬病

誰もが知っている狂犬病。感染して発症すれば、致死率はほぼ100%。歴史上でも助かった例は数例しかありません。
狂犬病ウイルスを保有しているイヌ、ネコ、コウモリ、サルなどに咬まれることにより感染します。

日本は世界でも数少ない、狂犬病洗浄国であり、過去60年以上の間、日本国内で狂犬病は発生していません。
これはペットに対するワクチン接種の徹底と、野良犬の取り締まりが厳重であることが理由とされています。

しかしベトナムを初め世界の多くの国では、野良犬や放し飼いの動物がたくさんいます。もちろんワクチン接種など徹底されておらず、飼い犬ですら怪しいところ。
道端に寝転がっている、犬をよく見かけますが絶対に近づいてはいけません。可能な限り距離を空け、暗い道を歩かないことが大切です。

狂犬病のワクチンは、1週間おきに3回接種します。さらにもし狂犬病の可能性がある動物に咬まれた場合、追加で3回接種する必要があります。
また事前にワクチン接種を全くしていない状態で、咬まれた場合は6回のワクチン接種が必要です。

費用は一回15,000円以上と、ワクチンの中でも高額な方。それでも命には変えられません。
ベトナムでは年間100人程度の死者が出ており、狂犬病大国である中国やインドではその数はベトナムの数十倍にも上ります。彼らの多くは狂犬病に関する知識や、ワクチン接種するためのお金がないために命を失っているのです。

推奨

腸チフス

日本ではほとんど見られる事のない腸チフスですが、アジアやアフリカの広域で感染が見られます。発症すれば致死率は約30%で、毎年多くの方が亡くなっています。

チフス菌は人間の間でしか感染せず、糞口感染や汚染された水や食料を介した感染がほとんど。性交などの粘膜を通じた感染も見られます。

前に紹介した感染症に比べると、感染力が劣るためにワクチンが必須というわけではありませんが、十分に注意が必要です。
輸入ワクチンである「Typhim Vi」は1回の接種で2年間の効果があると言われています。

髄膜炎

髄膜炎とはポリオのこと。ポリオウイルスは死に至ることは滅多にありませんが、脊髄の神経細胞を傷つけて後遺症を残します。
特に子供に影響を与え、障害に渡り運動障害や麻痺を引き起こします。

日本では定期接種によって、ポリオは見られなくなりました。世界でも多くの地域では根絶されましたが、アフリカや一部アジアでは今だに見られます。
最終接種から時間が経っている場合、追加接種を1回行うことを推奨しています。

インフルエンザ

ベトナムにも日本と同じような季節性インフルエンザが流行します。
ベトナムは常夏であるため、感染のピーク時期が日本とは異なり夏に訪れます。そしてベトナムのインフルエンザでの入院数や死亡数は、世界平均の5倍にもなります。もちろん先進国とは違うので、医療設備や貧困などによる治療不足もありますが、命に関わる重大な感染症なのです。

日本では流行らない時期なので、インフルエンザを全く意識しない人が多いでしょう。しかし万が一のために、ワクチンで予防することも大切かもしれません。

マラリア

熱帯付近の代表的な感染症であるマラリア。蚊によって媒介され、マラリア原虫と呼ばれる寄生虫によって引き起こされ、直ちに治療をしないと多くが亡くなります。
第二次世界大戦中の日本軍がアジアの戦地で、最も苦しめられた病気でも有名ですね。

マラリアは都市部で感染することはほとんどありません。しかし森林地帯に生息する蚊は、マラリアを持っているため地方都市へ行く方は注意が必要です。

マラリアはワクチンではなく、内服薬の抗マラリア薬で予防します。滞在2日前から滞在後10日ほどまで毎日服用することで、マラリアを防ぐことが出来ます。

終わりに

今回は、ベトナム渡航において注意すべき感染症と、そのワクチン接種に関して紹介しました。

私は、A型肝炎(3回)、B型肝炎(3回)、破傷風(追加接種1回)、日本脳炎(追加接種1回)、狂犬病(3回)のワクチンを打ちました。
ワクチン専門の医者に、ベトナムであればこの5つで十分だと言われ以上を接種しました。費用は合計で10万円ほどだったと思います。
これらを打てばベトナムに限らず、一部アフリカを除いて世界中を旅することが出来るので、お得だと信じて支払いました😅

ワクチンを打つ必要がないと考えて、在ベトナムの日本人でも未接種の方は多くいます。しかし、屋台などの衛生面に関してはかなり疑問が残るところ。実際に感染してしまえば、生涯治癒することがなかったり、多額の治療費がかかってしまうことも。自分の命を守るためにも、ワクチン接種を考えてみてはいかがでしょうか。(陰謀とか言わないで)

#14では、ベトナムでの決済方法について紹介します。ありがとうございました！！