漫ろ人生 #1【一話完結】
資本主義社会、大勢で戯れる人々の喉元を狙う。
社会の序列を覆さんと見上げる、一匹の狼のように。
引き裂き、切り刻み、己の血肉として成り上がる為。
日常を競争と呼び、時間を自身を殺す追っ手だと例え、
身体は生モノ、心は調味料。
ネットに侵食されつつある脳はさながら加工品。
そんな国民を滑稽に操る国の長を疑う愚民。
蜃気楼のように消える積み重ねた功績は、
指導者の皮を被った独裁者によって隠されつつある。
さらば、漫ろ人生。
見限り、飛び降りた世を去る先駆者は、
兎か亀か、この国に義理も温情もない。
愚問だとでも言いたげに、
理想と開きつつある距離を眺める傍観者。
悔い改め、そして見つめろ。
自分という存在を。
感じろ、お前の弱さだけでは
お前の心の臓は鼓動を止めない。
感じろ、お前をバカにする愚か者を。
そして怒れ
、お前はお前のモノであって、誰かのものではない。
感じろ、先駆者は足跡を残した。
そして考えろ、目に進むのに準備はいらない。
感じろ、案ずる者の存在を。
お前は一人ではない。生きる支えになるだろう。
呼吸で得るのは空気。
それは常識という固定観念だ。
お前は生きる力、成功、人脈、そしてこの先の未来を吸い込め。
止めれば死ぬ。
臆せば老いる。
ただし急ぐな。望み、想像しろ。
本当に望むならば、
想像通り、形になるだろう。
正直者は馬鹿を見る。
果たしてそうなのか?
その問いに対する答え、それは「概ね」その通りだ。
ましてや正直すぎると馬鹿を見るどころか、
身を亡ぼすことになるだろう。
なぜ言い切れるのか?
そのような質問を愚問というのだ。
覚えておけ、世の中は残酷だ。
言い聞かせろ。
身に刻め。
今すぐ。
#1 完
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