見出し画像

#98「全力疾走」3年 金礼蘭

こんにちは。
関西学院大学体育会サッカー部マネージャーを務めております金礼蘭(きんれらん)と申します。
昨年何度かnoteを書く機会があったので、少し内容が被ってしまうかもしれませんがご了承ください。また文を綴るのが得意ではない為、拙い文章にはなりますが最後まで読んでいただけましたら幸いです。






自分の強み、この組織において自分が為せることとは。
何かしらの組織に属している人ならば一度は考えた事があるのではないだろうか。

しかし最近色々と思考を巡らせる中で私はこう思った。組織に属している以上、自分が組織に対し何をもたらせるかについて考えなければそれは組織に属していると言えないのではないだろうか、と。



簡単に私の人生を振り返ると、私は幼少期の頃からスポーツが大好きで、中学は姉の影響を受けてバドミントン部に入部し、毎日部活の事だけを考え練習に明け暮れる日々を過ごしていた。

2年になり部長に任命されるも上手くいかないことばかりで、どうすれば皆が部活に来てくれるのか、その為の声かけや練習メニューを考え、成績も常に上位だったり、学級委員も務めたりと今では想像もつかないかもしれないが、それなりに優等生な日々を送っていた。
この時に多くの人をまとめたり発信したりする難しさと、組織を作り上げていく事の難しさを学んだ。

高校に入り監督の下で毎日厳しい練習をこなし、少しでも上手くなりたいそういう想いから焦りが生まれ、スランプにも何回も陥ったし、何度も怪我に悩まされた。
しかし最高の先輩や監督、同期、後輩に恵まれ、高校3年間でチームというものに触れたし、こんなにも人の為に頑張りたいと思ったのは初めてだった。

また自分達が活動していたその裏で多くの人が動いてくれていたことを知り、今までサポートしてもらっていた側だったからこそ次はサポートする側に回るのも今後生きていく上で必要な経験だなと思い、マネージャーを視野に入れたのである。

関学サッカー部を知ったのは受験期真っ只中にモチベーションが欲しくて、HPやYouTubeを調べたのがきっかけであり、幼少期からサッカーが好きだったのもあったがこんなにも自主性を持って活動している事にとても魅力を感じたのである。

と過去を振り返ると皆がサラッとこなせることも私はとても不器用だから、努力しなければ何も出来なかったし、今迄の殆どが自分の理想通りにいかない人生だったし、幸せなことだけではなく辛いことも含め本当に沢山の事を経験してきた。
そして多くの人に出会い、支えられ今の私がある。






そんな私もマネージャーを務めて3度目の夏を迎えた。

ある程度の業務内容を覚え、慣れを感じ余裕が生まれてきたこの3年目にしてようやく私は自身にベクトルを向けている。


今年に入り、
マネージャーとしての在り方に何度も頭を悩ませる事が増えた。
発信することが怖くなった。
何か新しい事を始めることが出来なくなった。
昨年あんなに自信を持ってただ自分の気持ちを綴っていただけのnoteを読み返す事さえ恥ずかしくなった。
一生懸命に何かを行うことがバカらしく思えてしまった。



何故この思考に至ったか考えてみると自分に自信が無くなった、これに尽きると思う。
この大きな組織でちっぽけな自分が情けなくなったのである。




それは2023年。私の中で関学サッカー部とはこういうことかと認識した年である。

私は昨年Bチームで活動していたのだが、
Aチームの関西選手権優勝の時、
DチームのIL劇的勝利時、
女子チームの4回生引退試合、私はカメラ帯同でゴール横にいた。
CチームのIL最終節、応援でスタンドにいた。
そしてBチームIL全国優勝、ベンチから最高の景色を見た。





これらのどの瞬間も今でも忘れられない高揚感を覚えた。
関学サッカー部に所属していることに誇りを覚えた。
この関学サッカー部の歴史を絶やしてはならないと強く思った。



入部時は将来の自分の為にという簡単な想いだったが、どれだけこの組織が歴史が長く伝統あるものなのか、名を馳せていたのか分かり、チームだけに焦点を当てるのではなく、関学サッカー部の為に自分が出来る事とは何かについて深く考えるようになったのである。



「何でそこまで頑張れるの?」
今まで幾度となく向けられた質問である。
自分が選手であった頃はただ上手くなりたい、勝ちたいただその一心であった。


けれど今は何をモチベーションに活動しているのか。
ふとたまに考えるけれど結局は関学サッカー部が、今まで卒部していった先輩達を含め優しくて頼れて大好きな先輩達、めちゃくちゃいじってくるけど実は真面目な同期、生意気だけれど可愛くて仕方ない後輩達が好きなんだなと感じた。

日々の練習で、試合で、グラウンド外で関わっていく中で一人一人の良さや、皆がどれだけ真摯にサッカーに向き合っているかについて触れ、そうした一人一人の為に頑張りたい。
同じ熱量をもってグラウンドに上がらなければ頑張っている人に対して失礼だとも思う。


この組織には沢山の人が所属していて、スポットライトが当たるのはごく少数の人だけである。スポーツの世界とはそういう厳しい世界であると重々承知しているが、そうしたスポットライトが当たらない人達も当たる様に努力していくのもスタッフの仕事であると私は考えている。

これはただの綺麗事にしか過ぎないし、実現するにあたりどれほどの労力がいるのかを想像することは容易い。
それでも私は部員一人一人の事をもっと沢山の人に知ってほしい。そのくらい各々に色が、魅力があって、試合を観た時応援したい、観た側がそう思える様な熱量を一人一人が持っているからである。



マネージャーが、スタッフが選手に、チームに与えられるものなんて全体の1%くらいかもしれない。でもその1%が試合の命運を握るかもしれない。
その為に私達スタッフは日々準備を、土俵作りをしていくのではないだろうか。



1回生、慣れない環境に身を置き、仕事を覚えるので周りについていくので必死だった。組織の大きさや学生の自主性に凄さを感じるとと共に、内情を知れば知るほど矛盾を感じたりもした。4回生の偉大さを改めて感じた。

2回生、チーム発足当初から全国優勝を掲げ、チームに対して何が出来るかひたすら考え練習外でもBチームの人達と本当に多くの話をして議論を交わした。B1の遠征で今考えたら意味が分からないようなMTを企画したり、決勝TMから全試合泣いたり、今考えたら恥ずかしいしスタッフとして至らない点も多かったとも思うけれど、そのくらい勝ちたかったしBチームの皆が好きだったし信じていた。チームとはこういうことかと感じた苦しくもあり幸せな一年だった。

そして3回生、学生スタッフだけのDチームについた。スタッフとは何かについて考える機会が増えた。こんなにもチームを作り上げていく事は難しいものであるのかと思った。周りにどう伝えて一緒にやっていくのか、その難しさに、Dチームに対して今自分が出来ることに対して何度も頭を抱えた。


関学サッカー部のスタッフには冷静に周囲を見れたり、ストレートに意見を伝えれたり、色んな視点を持っていたり、話が上手かったり、サッカーの知識が沢山あったり本当に様々な強みを持った人がいる。

それに比べて私には何の強みも無くて入部してから本当に何度悩んで悩んで涙を流したか分からない。

だけど悩んでいても仕方ないとただただチームの為に、組織の為に皆の気に留まらない様なことから始めて、自分らしく走っていればいつかチームに還元出来るのではないだろうか、と先輩に言われ、題名にもある通り今年の目標を「全力疾走」と掲げた。


直接的にチームの為に、組織の為にならなくても良い。でも誰か1人の原動力にでもなれたら私はこの組織に入るという選択をしたことを正解であったと思える気がする。
引退するその日まで全力疾走で取り組む。




「マネージャーらしくないよな」
こう言われれば最近私は嬉しく思う。だってそれは私にしかない色だと思うから。



最後にはなりましたが、いつも関西学院大学体育会サッカー部への多大なるご声援ありがとうございます。結果がふるわない時もございますが、常に日本一を目指し、選手、スタッフ一同引き続き精進して参りますのでどうぞ宜しくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?