#70「抗い続けろ」4年 藤田喜也
こんにちは。関西学院大学サッカー部4年の藤田喜也です。部員ブログという機会をいただいたのでこの組織に対する想いについて書きたいと思います。拙い文章になるかと思いますが最後まで読んでいただけると嬉しいです。
2回生の夏、高等部の頃からの先輩からこんなことを聞かれた。
「大学サッカー続けてよかったやろ?」
この質問に対して当時の私は「微妙っすね」とたぶらかしたのを覚えている。
「続けてよかった」と自信をもって答えることができなかった。理由は色々あるだろうけど、関学サッカー部という組織がまだあまり好きではなかったんだと思う。
関西学院大学サッカー部
関西はもちろん、全国でも名の知れた超強豪校。
日本一を本気で目指している組織。
関西学院高等部出身である私は、同じグラウンドで練習する大学のサッカー部をよく見ていた。練習着はJユースの服ばかりでカラフルで、体は大きく、サッカーの強度も高等部とは桁違いだった。このような姿を目の当たりにしていた私は、自分では適わないだろうと大学サッカーを続けるつもりはなかった。逃げようとしていた。結局高校サッカーを引退してから数か月サッカーをしない日々に満足できず、入部を決断した。
案の定、ここまでの三年半を振り返ると苦しいことの方がおそらく多かった。ボールを一切使わず、ただ走るだけで一日が終わる日もあった。何度も経験した90分間ベンチ、チームは勝利しているのに素直に喜べないことなんていくらでもあった。トップチームに上がったことなど一度もない。関西制覇、リーグ戦優勝、全国大会、どれだけ関学サッカー部がすごい功績を残しても、自分が立っているのはピッチではなくスタンドだった。小中高のサッカー人生とは比較にならないほど多くの挫折を経験した。
それでもこの組織で過ごす日々は楽しいし、面白い。徐々にそう思うようになった。
常に本気な集団である関学サッカー部が好きになった。
ランニングのメニューがあっても全員が手を抜かず走る。タイムが定められているとしても、自分の全力を出しきって走る選手がいる。自分が走り終わった後でも周りを鼓舞する選手がいる。頭ではわかっていても行動に移すことは難しい。それをできる選手がこの組織にはたくさんいる。
サッカーでは全員が勝負にこだわって勝ちに貪欲にプレーする。約1時間半の練習。短いように感じるけれど、部員に練習が楽だと答える選手はいないだろう。それくらい全員が一つ一つの練習に全力を出し切っている。
選手同士の言い合いなんて日常茶飯事。納得のいかない判定があれば、コンダクター(学生コーチ)だけでなく、コーチや監督にすら意見をいう。先日は1回生と4回生が胸ぐらをつかんで喧嘩しているところを目にした。たかが一つの練習で。
文句を言うことや喧嘩をすることが必ずしも良いこととは言い切れないし、正しいとも思わない。でも本気でしているからこそ生まれる現象だし、私はそのような環境でサッカーできることが楽しいと感じる。
サッカー以外でも、観客数増加のための集客プロジェクトや小学生を対象としたスクール活動、InstagramやTikTokなどのSNS運営、何時間もかけて行うYouTube編集など、多くの人が関学サッカー部のために行動する。
本当に尊敬できる選手・スタッフばかり。同期も後輩も。
でも尊敬だけで終わらせるのはもったいない。抗うから面白い。隣のあいつに負けたくない、試合に出て勝ちたい、日本一になりたい、自分自身に負けたくない。抗う気持ちがあるから高めあえるし成長できる。この気持ちだけは持ち続けなければならない。
このような最高な環境でサッカーできることもずっとは続かない。引退まで長くても半年。いや、半年も残されていない。約16年間続けてきたサッカーも終わりを迎えようとしている。毎日のように刺激をもらってサッカーをしているわけだが、もちろん今の自分の立ち位置に満足はしていない。少しでも成長する。少しでもうまくなる。最高の仲間と最高の景色を見るために。
最後まで抗い続けます。