淡路島移住生活のリアル15 "農”を通じた持続的社会実現②
アースバックハウス。
土を詰めた土嚢袋を家の形状に積み上げて建造。
自作の廃材(生ごみ、紙類、段ボールなど)から生成された良質な土の結集。
コンポストと呼ばれる土をベースに全てが手作り。
日本では建築基準法の兼ね合いで建物としては非合法。
それでもアメリカなどでは人気もあり、日本だと熊本、沖縄、徳島、福島にも少しあるとの素敵なコンセプトとフォルム。
”農”の一環として、衣食住の”住”を担う、理にかなった建造物。
今後は、法規制がなければ宿泊研修施設の一環としての用途も検討。
ざっくりと以下に解説。
■特徴
・温度差が年中一定(現状17℃前後)
※経年で蓄積温度が少しずつ高まり、20~25℃になるとのこと
※昔でいうと冷暗所の氷室の逆の用途ながら同等のイメージ
・土嚢ベースで円形のどっしりしたフォルムの為、極めて優れた耐震性(熊本震災の際も崩れない程強固)
※通常の家だと柱に負荷が集中してリスキー
■利点
・年中、食物の種の保存や生成に最適
・動物の飼育にも最適(ここでは鵜烏骨鶏のヒナを生育中)
・雨が傾斜型で流れ落ちてそのまま雑草や食物を育む水分として転用
■難点
・雨にやや弱く(カビなど)、防水層が必要
・前述の法規制で宿泊施設としては現状利用不可
以上、軸となる”食”含め、まだまだ壮大な全体構想の何分の一かの取り組み。
人数不足もあり、完成形には程遠そうな道のり。
だからこそ微力ながら役に立てると本望。
次の記録はあらゆる土嚢の元となる"土"の生成方法と生態系の仕組み。
コンポストとウッドチップ。
合理的であり神秘的な一連の繋がりあるストーリー。
ぜひ”業”でなく、”農”の、そして人の本質に迫る考え方の知見として、一人でも多くの人に知っていただきたい、いわば小さなコスモ。