イベントコミュニティを 「デザイン」する 〜熱量と共感の「場」を作るためのマインドとノウハウ〜
こんにちは!こぎそ(@kgsi)です。
この記事はプロダクトデザイナーである僕が、なぜイベントコミュニティを「デザイン」するのかの言語化と、現時点で貯まった、イベントコミュニティを「デザイン」するためのナレッジやノウハウを紹介する記事です。
そして、今回個人では初の試みですが、具体的なナレッジやノウハウについては有料記事としています。有料記事部分では、具体的な価格設計やニーズの調査手法、スポンサー獲得のためにどうやっているか、保健所に申請が必要そうなイベントをどうクリアするのか...など、ニッチなノウハウを共有しています。
プライベートなコミュニティ運営には一定余裕資金が必要です。もしよろしければnoteを通してご支援と、最後まで読んでいただけると嬉しいです👋
記事執筆の動機
この記事を書いたキッカケは、2023年から業界向けイベントを公私共々よくやるようになりましたが、「なぜイベントコミュニティやってるの?」「参加側から開催側になったのは何故?」など聞かれるようになり、そのことについてそういえば言語化してない…ということに気がついたからです。
そのため、まず自分のナレッジやノウハウの棚卸しのための言語化からはじめ、そこからさらに読者を想定して、これからイベントコミュニティを始めてみたい誰かのために参考になればと思い、記事を書きました。
この記事のターゲット
今回の記事は、主に個人のイベントコミュニティ運用にフォーカスした内容となっています。特に、以下のような方にマッチするかもしれません。
これからイベントコミュニティ活動を始めたい人
すでにイベントコミュニティ活動をされている人
個人イベントコミュニティの運用で悩んでる人
衛生対策や不審者対策など、イベントにまつわるニッチ情報を知りたい人
また、サブではありますが、企業の採用企画・広報としての知見も盛り込んでいるので、主にテック系企業の採用企画・広報で悩んでる方にも、一定参考になるような情報も含んでいます。
あなたはだれ?
まず、執筆してる僕が何者かわからない方もいらっしゃると思うので、プロフィールを読んでいただければ幸いです。
もともとはイベントのプロとかでもなんでも無く、BtoB領域のプロダクトデザイナーをやっています。興行的な経験値としては飲み会の幹事をしてた程度でしょうか。イベントコミュニティの運営は、2023年から本格的に始めました。
直近の開催実績
2023年から現在までに開催した主だったイベントコミュニティを紹介します。
「Product Design Meetup」
2023年10月お試しで開催。個人グループでの主催ながら有料開催で100名募集できました。
「MeatUp!! -あつまれデザイナ&エンジニア-」
2023年から数えて5回開催している息の長いイベントです。詳しくはアーカイブを見てください。こちらも個人主催のイベントとなりますが、直近では「鮮魚解体」という一風変わったイベントを開催しています。
「おカネのミートアップ by CrossRel」
業界向けに特化した「お金」について語るミートアップです。こちらも個人コミュニティ主催となります。
仕事としての実績
企業の採用企画・広報として携わったイベントも複数あります。以下はその一例です(現在進行中のイベントもあります)
なぜイベントを「デザイン」するのか?
よくいるプロダクトデザイナーだった僕が、なぜイベントを「デザイン」するのか、それは「人は人を救えること」と「共感の力」を信じる気持ちが根底にあります。
ちょっとだけ重たい話ですが、僕がイベントコミュニティの開催に踏み出したキッカケは、2022年の夏のある出来事で精神的にだいぶまいった時でした。この体験については、過去の振り返り記事でなんとなく触れていますが、コロナ禍で人々とのオフラインでの交流が制限され、孤独感が増していた時期が長かったことも相まって、ひどく打ちひしがれてました。
しかし、状況が少し緩和された時に、再び人と直接会って飲み、話す機会を持ったところ、まるで救われたような感覚に包まれました。人との繋がりが、人を傷つけることもあれど、人を救う力にもなることを改めて実感したのです。
この原体験から、人と交流できる「場」を積極的に作るようになり、最初は小さな集まりや飲み会を重ね、2023年には少し大きなイベントの開催にも挑戦し始めました。そして、徐々にその規模を拡大して、現在では企業と協力して、採用広報活動の一環としてイベントやコミュニティを構築するまでになりました。
きっかけは人との交流から得られた救済感でしたが、それが次第に発展して、今では「場」を作ることや、人との交流そのものを楽しんでいます。ぼくにとって、イベントコミュニティを「デザイン」することは、プロダクトやサービスをデザインすることと同じくらい魅力的に映っています。
イベント開催の楽しいポイント
イベント開催の楽しいポイントを言語化すると大きく3つあります。
新たな出会いを作る
新しい活動を生み出す
新しい情報を共有しあえる
もっとも楽しい点は人と人との「つながり」を作れる点でしょう。僕たちのような、常に動向を追い、最新のテクノロジーや情報を追って新しい何かを生み出す人にとっては、日々の生活や仕事の中で、興味関心や価値観を共有し、さまざまな人と出会う機会が必要です。イベントコミュニティはその最たる例だと考えています。
また、もともと自分は「パラレルキャリア」という考え方を標榜しています。「パラレルキャリア」についてはずいぶん前の記事でも語っていますが、1社1組織に依存しない、マルチな働き方やキャリアのことを指します。
一つの会社に閉じていると知り得ない情報を、多数の人と交流し、共有したり共有されたりすることで一組織に閉じない情報を得ることができ、新しい出会いが生まれ、新たな活動や仕事に繋げられる活動が好きです。
コミュニティを形成することで、参加者個々のつながりが生まれる瞬間に立ち会えるのと、新しい仕事や予期せぬコラボレーションが生まれることも好きです。
また、もともと飽きっぽく、新しいことに常にチャレンジしていきたいと考える自分にとって、とても楽しくやりがいのある活動です。
よいイベントコミュニティを作るために
良いイベントコミュニティを作るためには...と大それたテーマで語るのは、偉大な先人先輩に失礼かもしれませんが、今回はあくまで個人の発信...という割り切りで、ポジショントークをさせてもらいます🙏
魅力的なテーマ
月並みですが、成功するイベントの鍵は、参加者の関心を引きつけ、熱量を保持する強烈なテーマにあります。
各コミュニティには独自のテーマ設定が必要であり、これはその集団の共有バリューや関心事に深く根差しています。
例えば、「食」をテーマにした「あつまれデザイナ&エンジニア」イベントでは、「美味しい」というコアバリューを中心に、参加者が共感し、価値を見出すような企画を心がけています。
このようなアプローチにより、イベントは参加者にとって意味があり、記憶に残るものになります。
また「Product Design Meetup」のように、特定の専門分野に焦点を当てたイベントでは、「プロダクトデザイン」という明確なテーマがそのコア・バリューです。このテーマに興味や関心がある人々は自然と集まり、知識を深め、同じ関心を持つ人々と繋がることができます。
テーマを決める際には、テーマ深さや、業界の関心度を考慮し、参加者が最も話せそうな話題を選択します。
これにより、イベントは参加者の期待に応え、関心のない話題によって参加者が散漫になることを防ぎます。
特に気にすべきは、初期に決めたテーマから飛躍したり広範にわたると、イベントの方向性が散漫になりがちになる点です。例えば、「デザイン」という広いテーマのもとで「コミュニケーションデザイン」と「プロダクトデザイン」を一緒に扱うと、参加者の関心が分散し、イベントの目的がぼやけてしまいます。
「食」のテーマで始めたイベントなのに「食」以外の要素が強くなると、コンセプトから外れるので、継続して続けてきたイベントの趣旨から逸脱し、参加者と運営の期待値が揃わずに満足度が低いイベントになると危惧しています。
これらのプロセスを通じて、イベント主催者として参加者にとって価値のある、満足度の高い体験を提供することができます。
テーマを明確にすることで、イベントはその目的を果たし、参加者にとって意義深い次官となり、双方のニーズを満たすことが可能となります。
個人の力の最大化
ぼくたちの生活や仕事は、個々人の力によって大きく形作られます。組織や企業は、これら個人が互いに協力し合い、より大きな目標に向かって進むための「場」に過ぎない、というのが自分の持論です。
この考え方から、イベントコミュニティを「デザイン」するうえで、参加者一人一人が個人としての可能性や力を最大限に発揮できるような環境作りを目指しています。
人はさまざまな動機で自己表現を求めます。それが社会貢献であれ、個人的な成長であれ、ぼくは運営として全力でサポートするつもりでいます。また、イベントでは、参加者が自らの話をすることで、新たなキャリアの道を切り開いたり、同じ志を持つ仲間を見つけたりすることができます。活気あるコミュニティは個人同士の「創発」を可能とします。
参加者一人一人をリスペクトし、情報共有を積極的にして還元してくれる、そういった方々の力を「最大化」するような施策を意識して設計します。
具体的には、例えば前提として人の意見を否定しない、拍手や感謝の言葉を多く使い、参加者をリスペクトする。活性化できるような交流会を設計する…などが挙げられます。
熱量を生む
イベントを通じて「熱量」を生み出すことは、イベント主催として最も重要な課題です。熱量を生み出すには参加者が単なる観客ではなく、イベントの核心部分を形成する共創者となることを促す必要があります。
「熱量」を生むプロセスは、テクノロジーの活用だけでなく、心理的な安全感と参加意欲を高める演出が重要です。たとえば、参加者が自らのアイデアや意見をイベント内のインタラクティブなセッションで共有し、そのアイデアがリアルタイムでイベントの成果物に反映されるような仕組みは、参加者にとって非常に有意義な体験となります。
また、イベント内でのソーシャルメディア活用は最重要です。業界では特にX(旧:Twitter)やFacebookを使って参加者間のつながりを強化し、イベント外でも続くコミュニティの形成を促します。イベントハッシュタグを作成し、参加者がセッションの内容や個人的な学びをイベントの進行中、イベントが終わった後でも共有しあうことで、イベントの熱量を拡大し、参加者同士のエンゲージメントを深めることができます。
また、参加者の発信や行動を含めた心理的な障壁を下げ、安全でポジティブな環境を作り出すためには、多様性と包括性に配慮した、ハラスメントや差別に対するゼロトレランスポリシーの徹底が必要です。
参加者が自分自身を表現し、他者と繋がることを安心して楽しめるような環境が「熱狂」を生み出す土壌となります。
黒字運営
これは活動当初からずっと考えていますが、運営が無理に身銭を切ったり持ち出しをしたり...という事態は極力ないようにしています。ちなみにどのイベントも、個人主催かつ集客を目的としたイベントに限ってですが、赤字に転落するようなコミュニティ活動は停止する気持ちでやっています。
イベントを有料化したりスポンサーを集めるのは、開催に必要な資金を集めるためなのはもちろんですが、運営側の滅私奉公(めっしぼうこう)で開催される不健全さを回避するためです。運営は楽しいから…と後で損をするような思いをさせない、気持ちよく取り組める運用サイクルを作りたいと考えています。
また、まだ実力が足らず実現できていませんが、個人のコミュニティにおいても登壇者はもちろん、運営のコアスタッフに対しても何らかのフィーを生みたい..と考えています。頑張った何かに対して「楽しさ」プラスアルファとして、ちゃんとした報酬をもって報いたいです。そしてそれが実現できているイベントコミュニティをリスペクトしています。
主催者にとっては、そのための資金を集めるのが至上の命題ではあります。そのため、有料で来ていただける参加者、スポンサーしてくださる企業さまには本当に感謝の念しかないです。
イベントコミュニティの「デザイン」ノウハウ
ここまで一読いただきありがとうございます!この先は記事をご購入頂いた方にのみ公開する限定コンテンツとなります。
これまでどのようにイベントコミュニティを開催をしてきたか、一連の流れを通して説明します。また、市場調査や企画立て方、金額設定、ニッチな衛生問題についてのナレッジ、ノウハウも紹介しています。以下が一例です。
さらにおまけとして、実際に作成した企画書もサンプルとしてダウンロードできます。これからコミュニティイベントをやりたいと思っている方や、進め方に悩んでる方におすすめです。
※この記事で得られた収入は、個人コミュニティの活動資金として使わせていただきます🙏
ここから先は
¥ 700
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?