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デザイナーにおすすめのポートフォリオ作成の考え方・作成ツール10選

みなさん、ポートフォリオは持ってますか?
先日、以下のような質問をメンターさんから相談いただきました。

  • デザイナーの採用担当者はポートフォリオをどう見るの?

  • ポートフォリオってどうやって作るべき?

  • ポートフォリオを作るとしたら媒体は何が良い?

デザイナーのポートフォリオは、スキルと専門性を効果的に伝えるための重要なツール、とされていますが、本記事では、この質問に回答するような形で、転職や営業に必要なポートフォリオ作成の考え方や、閲覧に役立つ厳選されたツール、プラットフォームをご紹介します。

なぜポートフォリオが必要か?

こんな記事を書いていますが、私は状況によってはポートフォリオは、必ずしも必要ないと考えています。

例えば、以下のnote宇野さんの記事でも書かれていますが、プロダクトデザイナーの転職を目的とした場合、スキルを提示する際に1番重要視されるのは、アウトプットの見栄えよりも「思考や作業プロセスの言語化や判断力」だからです。
最終アウトプットのみを乗せたポートフォリオよりも、そのプロセス、思考フローが何よりも大事なので、そのフローが最も伝わるドキュメントや書類などが用意できれば良いでしょう。

ただ、ポートフォリオが持つ価値は業界や役割によって大きく異なります。例えば、プロダクトではなく、ビジュアルデザイナー、Webデザインの場合、視覚的な表現力を示すためのポートフォリオは依然として重要な役割を果たします。

また、フリーランスのデザイナーや起業しているデザイナーにとっては、クライアントとの信頼関係を構築する上で、過去の実績を示すポートフォリオは不可欠なツールとなります。あなたの置かれた状況や目的を考えて何が必要かどうかを判断しましょう。

ポートフォリオの作り方

ポートフォリオは目的によって作り方を変えるべきです。前述していますが、企業への採用を目的としたポートフォリオの場合、選考プロセスでは最終的な見た目よりも、制作プロセスや制作意図の説明が重視されることが多いです。採用担当者は、あなたの思考プロセス、問題解決能力、そしてプロジェクトへの取り組み方を理解したいと考えているためです。

営業目的のポートフォリオの場合は、最終的な制作物やその成果を視覚的に魅力的に見せることが重要です。制作プロセスよりも、クライアントにとって具体的なメリットや価値を示すことに焦点を当てましょう。
例えば、実績のある事例、ビジネス上の成果、クライアントの課題解決例などを効果的に提示することで、あなたのスキルや実力を直接的にアピールすることができます。

また、営業目的の場合は、ターゲットとなるクライアントや業界に合わせて、ポートフォリオの内容や表現方法をカスタマイズすることも効果的です。特に、そのクライアントの業界や事業に関連する実績があれば、それを重点的に取り上げることで、より説得力のあるプレゼンテーションとなります。

ポートフォリオの媒体選びで気をつけるポイント

これも目的次第ですが、例えば、デザイナーの採用を担当していた身としては、媒体は実はなんでもよく、読み手にストレスを感じさせず、伝えたい情報を伝えることさえできれば良いと思います。

前述する目的が何なのかを考えた時に、フィットする見せ方ができるサービスや媒体を選びましょう。ポートフォリオの媒体を選ぶ際は、以下の3つのポイントを重視することをおすすめします。

  • 事例を最も「効果的」に表現できるプラットフォームであること

  • 目的とする業界や企業にとって馴染みがあること

  • 更新や管理のしやすさが考慮されていること

このポイントを意識して、自分に合った媒体を選ぶことで、より効果的なポートフォリオを作成することができます。また、複数の媒体を組み合わせることで、より多くの可能性が広がることも覚えておきましょう。

おすすめの作成ツール10選

目的を精査した上で、ポートフォリオの種類が決まったら媒体を選んで作ってみましょう。個人としてお勧めするツールと手法10選を紹介します(特におすすめは「イチオシ」としてます)

1.Bento

Bentoは、モダンでカスタマイズ性の高いリンクインバイオツールです。従来のリンク集サイトとは異なり、デザイナーが自身の成果物やプロジェクトを視覚的に魅力的な方法で紹介することができます。独自のレイアウトシステムを採用しており、ポートフォリオやソーシャルメディアのリンクを効果的に配置することができます。
各種SNSやブログなどを運用している場合は、集約したサイトとして機能させることができるでしょう。

2.Behance

Adobe社が運営する世界最大級のポートフォリオ共有サイトです。世界中のデザイナーが作品を投稿しており、グラフィック、Webデザイン、イラストレーション、写真など、幅広いジャンルの作品を閲覧できます。また、プロジェクトごとの制作プロセスも公開されていることが多く、学習の参考になります。主にビジュアルデザイナーにおすすめのツールです。

3.foriio

日本のクリエイター向けポートフォリオサイトです。シンプルで使いやすいインターフェースが特徴で、作品のアップロードや編集が簡単に行えます。特にUIデザイナーやWebデザイナーの作品が多く投稿されており、日本のデザイントレンドを把握するのに適しています。

4.Dribbble

Dribbbleは、デザイナーやクリエイターのための作品共有プラットフォームとして世界的に知られています。特にUIデザイン、グラフィックデザイン、イラストレーションなどの分野で高品質な作品が数多く投稿されており、インスピレーションの源として活用できます。また、プロフェッショナルなデザイナーとの交流や、フィードバックを得られる機会も豊富です。
英語が得意な方は、このポートフォリオから海外の仕事を募集することも可能です。

5. Wantedly

Wantedlyは、ビジネスSNSとしての特徴を活かしながら、デザイナーのポートフォリオ作成と共有をサポートするプラットフォームです。特に日本国内での転職活動において、多くの企業が利用している実績があり、プロフィールページをポートフォリオとして活用できます。
ポートフォリオに使えるの?と思われると思いますが、プロジェクトストーリー機能がみやすく便利で、タイムライン形式に、制作プロセスや成果を詳細に記録し共有することが可能なので、きちんと作り込めれば強力なポートフォリオとして活用可能です。

6. Figma(イチオシ)

Figmaはデザインツールとしてだけでなく、ポートフォリオの作成と共有にも活用できるプラットフォームです。
特にUIデザインのプロセスや成果物を展示する際に効果的で、プロトタイプやインタラクションも含めた包括的なプレゼンテーションが可能です。また、近年ではFigma Slidesなど、他者にプレゼンテーションするための機能も充実していますので、さまざまな用途での利用に活用できます。

7. Notion(イチオシ)

Notionは文書作成とナレッジ管理のプラットフォームとして知られていますが、ポートフォリオ作成ツールとしても非常に優れています。特にデザインプロセスやプロジェクトの詳細な記録、思考の整理に適しており、カスタマイズ性の高いページレイアウトを活用することで、独自性のあるポートフォリオを構築できます。
また、データベース機能を活用することで、プロジェクトを体系的に管理・共有することも可能です。ただしフォーマットを自由に設定できるため、構築難易度はある種高めではあります。

8.Studio

Web業界やデザイナー鉄板のツールになりつつありますが、Studioはノーコードで簡単にWebサイトやポートフォリオを作成できるプラットフォームです。直感的なドラッグ&ドロップインターフェースで、プログラミングの知識がなくてもプロフェッショナルな見栄えのポートフォリオサイトを構築することができます。テンプレートも豊富に用意されており、初心者でも手軽に始められます。

9. GitHub

GitHubは主にソフトウェア開発者向けのプラットフォームとして知られていますが、開発者と連携したいと考えるデザイナーにとっては優れたポートフォリオツールとなります。例えば筆者の場合は職務経歴書をGitHubで管理しています。
プロジェクトを体系的に管理・共有することができ、チームでの協働作業も容易です。またGitHub Pagesの機能を使えば、静的なウェブサイトを公開することも可能ですが、一から作る必要があるので難易度は当然高いです。

10.自力で作る(イチオシ)

最後はもはやツールでもなんでもありませんが、思想としておいておきます。一番おすすめではありますが、一番大変な手段です。ただ、Webデザインを見せたい場合においては、ある意味一番実力を示しやすい作り方ではあります。
自力でポートフォリオを作成する場合、完全なカスタマイズ性と独自性を実現できる一方で、開発時間がかかり、メンテナンスの負担も大きくなります。また、サーバーやドメインの費用が発生する可能性もあるため、これらのトレードオフを考慮する必要があります。

作る意義や目的を存分に考えて制作を検討しましょう。

おわりに

本記事では、デザイナーのポートフォリオ作成に役立つプラットフォームを紹介してきました。大切なことはどんなサービスや媒体を選ぶかではなく、達成したい目的に応じて適切な媒体を選び、効果的な表現方法で伝えることです。ポートフォリオは作品集ではなく、あなたの専門性と審美眼を伝えるためのストーリーテリングツールです。

効果的なポートフォリオを作成するためには、自分の強みを明確に理解し、それを視覚的にも内容的にも魅力的な方法で表現することが大切です。ぜひ、本記事で紹介したプラットフォームやナレッジを活用し、あなたらしいポートフォリオを作成してみてください。

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