東北大学の入試問題には出題意図が公表されている
東北大学のWEBサイトには、他大学と同じように昨年度の問題が掲載されています。
しかし、他大学と違うところは、出題意図もまた、掲載されているところです。
初めてこの話を知り、驚きつつ、感嘆しました。
大学には、アドミッションポリシーがあるわけですから、当然出題意図があるはずです。
しかし、実際に見るのは初めてです。
そこで、英語と国語について、問題を読み、出題意図を見てみました。
英語1番
本文、なかなか読み応えがあります。しかし、読解に必要な文法については、特殊なものは1つもありません。
単語については、一般的な大学入試対応の単語帳(2000語程度)でほぼカバーできるだろうと思います。
一部、あまり見かけない単語があります。実際、考学舎にある「システム英単語」にはでていません。でもこれは、出題意図にある、「前後の文脈からの類推」で解決できそうです。
これらの単語を別の言葉で言い換えた選択肢から適切なものを選ぶ問題があり、選択肢を本文に当てはめてみると、明らかに話が通るものがあります。そこから考えれば高度な単語も解決します。
ていねいに、本文を文法的にバラしながら読んでいくと、文意はしっかりとれますし、問題も解けていきます。
一部分の和訳、抽象的な部分からのその具体例部分を日本語で説明させる問題、単語を説明する問題、文意の正誤問題とありますが、個人的には最後の、文意の正誤問題が他と比べて簡単だなあと感じました。
さて、出題意図を見ると、「単語の意味を文脈に即して把握」「センテンスの文法構造を理解」「文章の論理展開を理解」などとあります。
確かに、本文を正しく理解するために必要なポイントから、出題されています。絶妙に複雑な構造の文がしっかり設問になっていたりします。
基本的な単語力・文法という知識を使い、複雑な文章を読み解く問題になっています。複雑な長い文章を既知の知識を使って読み解いていくことは、まさに複雑性に対応する作業です。これは、出題意図とともに、東北大学のアドミッションポリシーにある「幅広い知識に基づく複眼的視野有する」を測られているのだなあと感じました。
アドミッションポリシー、出題意図、問題、が見事に一貫性を持っていると感じられます。
脱帽です。
制限時間内に、と考えるとなかなか厳しいモノがあるなあとも思いました。
参考
東北大学アドミッションポリシー
http://www.tnc.tohoku.ac.jp/images/adcenter/admissionpolicy.pdf
東北大学出題意図
https://www.tnc.tohoku.ac.jp/ito.php
次回、国語について書くつもりです。
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