見出し画像

【ビジネスアスリート栄養学】第5回:「エネルギー戦略」—糖質・脂質・アミノ酸の使い分けで持久力と集中力を極限まで高める!

忙しいビジネスパーソンが、限られた時間で高いパフォーマンスを維持しながらトレーニングを行うには、栄養戦略が不可欠です。今回は筋肉の合成や回復、エネルギー産生に深


く関わる「アミノ酸」をテーマに、基礎知識からBCAA・EAAの活用までを総合的に解説します。


1. アミノ酸とは何か?

アミノ酸の基本

アミノ酸はタンパク質を構成する最小単位です。タンパク質は数百~数千個のアミノ酸が結合してできており、それぞれの配列や結合方法によって筋肉や内臓、酵素、ホルモンなどを形成します。したがって、アミノ酸は「カラダを作る基礎」であり、またエネルギー源・調整役としても多面的に機能しています。

必須アミノ酸(EAA)と非必須アミノ酸

必須アミノ酸(EAA)
体内で合成できず、食事やサプリメントから摂る必要があるアミノ酸。
• ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類。
非必須アミノ酸
体内で合成できるため、通常は不足に陥りにくいが、過度の運動やストレス、免疫力低下 など特殊な状態では需要が急増し、不足する可能性もあるため注意が必要。


2. BCAA(分岐鎖アミノ酸)の役割とメリット

BCAAとは

• BCAA(分岐鎖アミノ酸)は ロイシン、イソロイシン、バリン の3種類。
• 筋肉を構成するアミノ酸の約16%がBCAAで構成されているとされ、運動やリカバリーにおいて重要な役割を果たす。

BCAAの主な効果

1. 筋合成シグナルの活性化
• ロイシンがmTOR経路を活性化し、筋合成を促進。
2. 運動パフォーマンス向上
• グリコーゲン枯渇を遅らせたり、運動中のエネルギー源として利用されることで疲労感を軽減。
3. 疲労感の軽減
• BCAAの摂取でセロトニンの生成が抑えられ、集中力を維持しやすい。


3. 忙しいビジネスアスリートが実践すべき摂取のポイント

1. 起床直後・就寝前の活用

起床直後
• 睡眠中に分解された筋タンパクを素早くリカバリーするため、BCAAやEAAを摂取すると速やかにアミノ酸が供給される。
• 例: BCAA 5~10g or EAA 10~15g + 水
就寝前
カゼインやソイプロテイン など、ゆっくり吸収されるタンパク質源を摂取。
• 例: カゼインプロテイン 20~25g + 水 or ミルク

2. トレーニング前後・トレーニング中

トレーニング前
• BCAAを摂取しておくことで、運動中の筋分解抑制や集中力維持が期待できる。
• 例: BCAA 5~10g + 糖質(バナナや米菓など)
トレーニング後
• EAAやホエイプロテインを摂取し、筋繊維の修復を促進。
• 例: EAA 10~15g or ホエイプロテイン 20~25g + 炭水化物


4. 推奨摂取量と注意点

推奨摂取量

BCAA : 1回 5~10g (運動前後・運動中)
EAA : 1回 10~15g (運動前後・朝)
ホエイプロテイン : 1回 20~25g (食間・トレーニング後)
カゼインプロテイン : 1回 20~25g (就寝前)

安全性とリスク

過剰摂取はNG
• 極端に多く摂ると 腎臓や肝臓に負担 がかかる可能性がある。
服薬中の人は注意
• 一部のアミノ酸は薬との相互作用があるため、医師や専門家に相談。


5. まとめ

アミノ酸は筋合成・エネルギー産生・免疫機能・ストレス管理に関与。
BCAAは運動パフォーマンスや回復促進に有用。
EAAは9種すべての必須アミノ酸が揃うことで効果を発揮。
摂取タイミング・量を意識しつつ、食事とのバランスと安全面にも配慮。

→ 忙しい毎日の中でも、高品質な仕事とトレーニング成果を両立しよう!


参考文献

1. Morton et al. (2018). A Systematic Review, Meta-Analysis and Meta-Regression of the Effect of Protein Supplementation on Resistance Training-Induced Gains in Muscle Mass and Strength. British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376-384.


いいなと思ったら応援しよう!