凡であることを受け入れる苦痛
自分が特別な存在ではないことなんてわかっているつもりだし、自分の代わりなんていくらでもいるというのも、嫌というほど理解しているつもりでいる
しかし心のどこか奥底で「自分にはまだ見ぬ才能が眠っている」だとか「どこかに自分だけを必要としてくれる人がいる」と思っている
例えば、今勤めている仕事をクビになったら、もうなにもかも投げ捨てて自分のことを誰も知らないような土地へ行き、細々と趣味の延長のような仕事をして静かに暮らしたい
みたいな、ほぼ妄想に近い考えがあるが、おそらくそれを実行しようとしたところで、趣味の延長を仕事にして食っていけるほどの才能は無い
「いつか自分にも家族ができて」と考えたりもするが、そもそも家族を持てるような精神的、金銭的余裕があり、まともな精神をしている人間はこんなことを考える必要もなく家庭を築いている
今まで付き合ってきた女性に対してしている「相性が悪かった」などの言い訳もただ自分が相手を受け入れるほどの度量がないだけであるし、自分の精神が幼かっただけのことを認めたくないがためのものである
仕事においても自分の技術や知識が唯一無二であるわけでもない、特別レベルが高いわけでもないので、代わりなど探せばいくらでも見つかる
凡であるならまだ害はないが、自分の中には凡にすら至らない部分もある
SNSで他人に対してやたら攻撃的な人を見ると哀れに思えるが、本人にしかわからない多数のコンプレックスを抱えていると思うと他者を攻撃しないと精神を保てないという気持ちは少しはわからないでもない気もする
世の、上手くいっているように見える人は自分のことをどう思いながら生きているんだろうか