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2022年J1 第01節 清水エスパルス-コンサドーレ札幌

こんにちはkgです。今シーズンもエスパルスのレビューをしていきます。どうぞよろしくお願いします。昨年までと違い、今年はYoutubeの動画投稿にもチャレンジしてみます。noteを下書きチックに書いて、そこから一部またはすべてを動画に起こしていくような感じでやってみようかなと。

Youtube動画


札幌のビルドアップへの対応

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札幌はビルドアップ時、右CBの位置に宮澤選手、左CBの位置に高嶺選手を配置した2バックになります。田中選手、福森選手がワイドに開き、駒井選手の1ボランチ。残りの5人は清水の最終ラインにレーンを埋める形で並びます。対する清水は4-4-2。前線の嚙み合わせは2対2ですが、札幌はここにGK菅野選手がボール回しに加わったり、駒井選手がサポートに行くことで数的優位を確保します。

清水としては、神谷選手と唯人選手で相手CBに圧力をかけ、ボールの進行方向を制限させる必要がありました。しかし、札幌のCBが幅を取ることと、菅野選手や駒井選手がサポートに来ることで最大で2対4の構図になるため、的を絞れず、ほとんど制限をかけられませんでした。

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こういった場合、FWの動きに連動してMFラインがより高い位置を取るのが普通かと思うのですが、清水としては札幌の1トップ2シャドーにスペースを与えたくないのか、FWラインには連動せず、DFラインとの距離をコンパクトに保つことを優先させているようでした。DFラインも連動して高い位置を取れば解決とも思いますが、相手5枚がDFラインに並んでいて、裏抜けの上手い興梠選手や小柏選手もいるなかでハイラインにするのはなかなかに厳しいかなと。

※余談ですが、札幌はビルドアップの際、右利きの宮澤選手を右CBに、左利きの高嶺選手を左CBに置いています。前に運ぶ際には内側からプレスに来る相手FWからボールを守りやすく、ボールの送り先も複数選択肢ができるため、ボールの出し手として最適な配置です。

そんな清水の状況を見たうえで、札幌は小柏選手や興梠選手がタイミングよく清水のMFラインの手前に下りてきてCBから縦パスを引き出し、コンビネーションで前進を図ります。清水としては、ボールホルダーにプレッシャーが無いため、ボールの出しどころを予測できず、対応が後手に回ります。札幌はそこから逆サイドに展開し、ビルドアップ成功です。

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清水は、右SH中山選手を左CB高嶺選手に当てることもしましたが、そうすると今度はCBとボランチ駒井選手のコンビネーションで外され、福森選手を使われてしまいます。また、敵陣深くまでプレスをかけると全体が間延びし、ラインの間でボールを受けられてしまうことになるため、清水としてはこの形はあまり取りたくなかったのだろうとは思います。

FW陣がCBの前進を制限させ、中山選手が福森選手、山原選手が田中選手へのパスコースを切ることもしましたが、そうなったらCBや菅野選手から浮き球のパスが両ワイドへ送られ、起点を作られます。

こんな感じで、なかなかうまくいきませんでした。マイボールになったときも、相手の素早い寄せに苦しんでボールを失ったり、陣地回復のために滞空時間の長いボールを唯人選手や中山選手に送っても競り合いに勝てず、前線で起点が作れません。失点シーンも、原選手が半分クリアのようなハイボールを唯人選手に送ったところを、宮澤選手にヘディングされたところから始まりました。

また、平岡監督は相手DFラインの裏を突こうと考えていたようで、中山選手を走らせるボールを複数回送りましたが、どれも通りませんでした。

以下、平岡監督の試合後コメント。

前半は相手の背後を狙っていきたいので、シンプルにそういう選手を使った

とはいえ、チャンスが全くなかったわけではありません。自陣でボールを回収した際、相手の寄せを丁寧に剥がし、逆サイドにボールを運ぶことで、何度かチャンスを作っていました。時折送られてくるDFライン裏へのロングボールに対しては、立田選手を中心に破綻せずに守ることができていました。また、どの選手もボールを味方に繋げようと、かなり丁寧にヘディングをしていました。この辺りは、先季までとは意識が違うと感じました。

結局、権田選手のPKストップもあり、スコアは0-1でハーフタイムを迎えることになりました。

後半は、中山選手に代えてコロリ選手を投入し、コロリ選手を2トップの左、神谷選手を右SHに配置しました。平岡監督の狙いは、コロリ選手がボールを収めて起点となることです。また、ラインを引かず、前からプレッシャーをかけるという指示が出ました。

以下、平岡監督の試合後コメント。

後半はベンジャミン(コロリ)にボールを収めて、そこからチャンスを作っていく。もう少しボールを握っていく、そういうサッカーを自分の中で描いていたので、そこは意図的にできたと思う。
相手のワイドの選手にナーバスになりすぎてラインが下がってしまっているので、そこをズルズル引かないこと、そして前からプレッシャーをかけること。そこを確認した。

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実際、MFラインが前半よりも高い位置を取るようになり、前半はどうにもうまくいかなかった右サイドのプレスが、後半は高嶺選手がフリーでボールを持ったら神谷選手がまっすぐプレスに向かうようになりました。

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また、白崎選手がMFラインの中でもさらに前に立つことが増えました。これで、札幌の前線へのパスコースを切りつつ、下りてきた相手の自由を奪います。

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一方で、MFラインが高い位置を取るため、DFラインとの間が広がってしまいます。また、相手への寄せを強めることで、自身が出ていった裏のスペースを空けてしまうことにもなり、バイタルエリア近くで相手にボールを受けられる数は前半よりも多くなってしまいました。ただ、そのリスクは承知のうえで、前から圧力をかける方に舵を切ったのだと思います。

また、コロリ選手が入り、監督の指示通り、彼にボールを入れることを各選手が考えるようになります。コロリ選手はボールのキープ率はそこまで高くはありませんでしたが、ファウルをもらうこと含め、前半には無かった前線でボールを保持する時間を作ってくれました。そして、実際に何回もボールを入れることで、札幌のDFはコロリ選手への意識が強くなるため、彼の動きに引っ張られてスペースができるようになります。そこを唯人選手が使うシーンが複数回生まれました。同点ゴールもそのうちの一つです。

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もちろん、後半もうまくいかない時間はたくさんありましたが、なんとか決壊せず、試合は1-1で終了となりました。

トピック

◆フレキシブルとは
平岡監督は今シーズン「アグレッシブかつフレキシブルに」という言葉を残しています。

以下、平岡監督の試合後コメント。

今シーズン、私が最初からずっと言っているように、「アグレッシブかつフレキシブルに」。まずアグレッシブに行きましょう、そして状況を見て柔軟に戦っていこうというところを示せたのかなと思っている。

アグレッシブはわかりますが、フレキシブルとは何か。日本語で言うと「柔軟さ」という意味ですが、どういうことを指すのか。試合を見て考えました。

私なりの結論としては、「状況に応じて、自身のポジション・決めごとに縛られず、自由に動いていいよ」ということかなと思います。

唯人選手はどこにでも顔を出すし、白崎選手が相手の最終ライン裏まで走り込んでいました。コロリ選手も、ボールを受けるだけでなく裏抜けも行います。原選手も外のレーンが埋まったら右内のレーンに動いてボールを受けていました。

ポジションや決めごとは大事だが、状況によってはそれだけではなく、自分で考えて味方を助けるように動きなさいと、そういうことなのかなと。このあたりの解釈は人それぞれですが、自分なりの答えを持ちながら今後の試合を見ていきたいと思います。

◆逆SHの守備意識
特に途中投入された高橋選手と滝選手は、逆サイドから中央にボールが入ったとき、ボールホルダーへアプローチをしており、かなり意識付けされているように見えました。昨シーズン、逆サイドのSHが絞り切れずにバイタルエリアで相手に自由にされて失点というシーンを何度か見たので、これは嬉しいですね。今後も期待です。

おわりに

いよいよ今シーズンも始まりました。初戦が札幌という特徴のあるチームだったので、今後対戦相手によってどのように戦い方が変わるのか、楽しみに見ていきたいと思います。

一方で、残念ながら今年も早速ケガ人が複数人出てしまっています。チームとして団結力を高められる時期でもあると思います。ケガ人が早く完全な状態に戻れることと、今シーズンの躍進を期待します。まずは次のダービーですね。勝ちましょう。

また、昨シーズンの時とレビューの書き方を変え、いろいろと試行錯誤しています。しばらくは構成がコロコロ変わるかもしれませんが、お付き合いいただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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