フットサル4-0システムスーパ―マニュアル 実践編②~フェーズごとの優先順位~
前回のNoteはこちらから!
↓↓↓↓
実践編①
実践編②です。前回、4-0には3つのフェーズがあるということを述べました。実際に4-0を運用していく際に、3つのフェーズを正しく理解している必要があるのかといわれれば別にそういうわけではないのですが、ありがちな「クワトロの動き方」のみを練習しただけの時に起こる「自分たちの初期配置が崩れたときにパニックになる」という現象を最小限にとどめることはできると思っています。なぜそのようなことになるかといえば、端的に「初期配置から動きが始まることしか想定せずにパターンを覚えているから」にほかなりません。しかし、実際のプレー中にそのようなことはほぼ皆無です。そしてだいたいパターンだけを覚えたチームはプレスをうまく回避できることはなく、自分たちの状態は崩れた状態で進むことが多いです。
つまり4-0システムをやるにも自分たちが4-0のローテーションをするなかでパターンではない共通認識が持てるかが大事であり、そしてそのためには自分たちの状態に応じて、とるべき行動の優先順位が変わることを知る必要があるというわけです。
というわけで、今回は3つのフェーズごとに自分たちは「何を」意識するのか、つまり自分たちの状態に応じて何を優先順位とすべきなのかを述べていきます。
第3章-1.1 システムの稼働フェーズ ~エントリー~
まずはエントリーフェーズです。一般的に4-0システムで言われる初期配置と同じ状態のときを指します。基本的には、①フロアバランスが整っていること(コートを縦2分割して2人ずつの状態)、②ボールがセンターレーンにあること(もしくは運ばれそうである)が基本的な条件です。
このような場合、まずは基本的には「3人目が動き出すこと」が原則となります。
①フロアバランスが整っている、②ボールがセンターレーン
⇓
「エントリーフェーズ」
準原則としては「ボールホルダーへのプレスによって役割を決定する。」があげられます。準原則に関しては
A.センターレーンにボールを運ぶ選手へのプレスがきつく前へのパスが出せないような場合
→ボールホルダーでないフィクソの位置にいる選手が「フィクソ」として深さををとり、ボールホルダーはパスを出した後に「3人目」として動き出す。
B.センターレーンにボールを運ぶ選手が前へのパスを出せそうな場合
→ボールホルダーが「フィクソ」となり、もう1人のフィクソの位置にいた選手が3人目として動き出す
ことを指しています。
ちなみに「エントリー」とは、バスケ用語で自分たちのセットオフェンス(サインプレー)のスタートの合図となるパスもしくはプレーのことを指します。つまり、4-0システムにおいては自分たちの状態が整っている場合は、センターレーンへ運ぶアクションを「エントリー」として、「3人目が動きだす」ことを最初に意識すべきであるということです。
混乱せずにシステムを運用するには、なるべく大外の選手は横方向には動かず、3人目がすべての動きだしであることを前提とするのがよいと思います。
第3章-1.2 システムの稼働フェーズ ~攻撃フェーズ~
つぎが、攻撃フェーズです。エントリーで3人目が動き出したら、①3 on line ②トライアングル を意識して相手のラインを超えていきます。このあたりの詳しい話は次回以降していきます。
第3章-1.3 システムの稼働フェーズ ~回復フェーズ~
そして、最後が回復フェーズ。
回復フェーズは①自組織が分断されている状態、②フロアバランスが崩れている状態を指します。
①自組織は分断されている、②フロアバランスが崩れている
⇓
「回復」フェーズ
この場合はもう一度エントリーの状態に戻したいので、とにかくフロアバランスを回復することが目標となります。この際非常に重要なこととしては、「フィクソ、3人目が動いてバランスを回復する」ことです。
もしここで幅をとっている二人がパニックになり、サイドレーンから動き出すと誰が何の役割をしていたかが認知しきれなくなり、機能停止します。基本的に「エントリー」の際の役割決定は「幅をとっている選手の内側二人」が決まっていることを大前提として、そのどちらが3人目になるのかを準原則で決定します。
よって、回復フェーズにおいても混乱せず、素早く自分たちの組織を回復するためにはアラの二人は横方向には動かず、センターレーンの2人がバランスを回復することが望ましいでしょう。
(その結果大外のアラだった選手がフィクソ、3人目になる可能性はもちろんある。というよりその場合がほとんど。)
さて、今回は各フェーズごとに何をすべきかということを見ていきました。次回は主に攻撃フェーズでは何を目標とするか?そしてそのために何をするか?を見ていきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?