60 『チャイルドラインで学んだ 子どもの気持ちを聴くスキル』読了。
眠り子です。
山口祐二さんの書かれた『チャイルドラインで学んだ 子どもの気持ちを聴くスキル』という本を読みました。
今回はその本の感想&紹介noteになります。
「三〇数年関わってきた児童福祉、不登校や非行やニートの相談、様々な市民活動などの中でも、ここ一〇年以上ボランティアで取り組んできたチャイルドライン活動から学んだことが、私の中で大きな比重を占めるようになってきました。この本はそのチャイルドライン活動を中心にして、子どもたちの気持ちを受けとめるためにはどのような聴き方や関わり方をしたらよいのか、そのスキルと考え方を詳しくお伝えするものです」
(p.i「はじめに」より)
これまで私は、ボランティアやアルバイトなどで、子どもの話を聴いたり、あるいは聴いていきたいと思っていたりしていました。
相手の気持ちや考えを否定しないこと、相手に寄り添い共感すること、こちらからの指示やアドバイスはできる限り行わず、相手自身が、こうしてみようかな、頑張ってみようかなと思えるように優しく話を聴いていくこと。
何かもやもやした思いを持った人の話を聴かせてもらうとき、そうした心構えや気持ちはとても大切だと思っています。
それこそ、細かいテクニックよりも、まずは相手の話を真摯に聴いて受け止めようとする気持ちの方が大切だと思います。
しかし、その気持ちを土台としたうえで、より具体的、実践的なスキルも身につけることで、よりよく聴くことができるのではないかと思い、この本を読みました。
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この本は、10年以上チャイルドライン活動をしてこられた方が、これまでの数多くの実践の中で、上手く子どもの気持ちを受け止められた気がしたとき、その理由を考えて、まとめたものです。
なので、こうした言葉はこういう風に作用することが多い、といったようなスキルを、一つ一つ、その理由や実際にそれが使われた場面などを合わせて紹介しています。
もちろん、こう言われたらこう返す、というように機械的な対応になってしまってはいけません。ですが、子どもがより自分の気持ちを話しやすくなるように、より自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じられるように、知っておいて損はしないことが沢山書かれていたと思います。
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苦しさや悲しさを抱えた人の話を聴いていると、「どうしたらいいと思いますか?」と訊かれることがあるかと思います。
私はこの言葉が出たとき、どう答えたらいいのか、とても困っていました。
自分の中に、自分ならこうするかなぁという思いがあるときもあれば、自分もどうしたらいいのか分からないときもありました。
自分ならこうするかなぁという思いがある時であっても、果たしてそれを言っていいのかどうか迷うことがありました。
「どうしたらいいと思いますか?」に何も言えず、ただただ無力感を感じていたこともありました。
この本は、そうした言葉を貰った時にどうするかのヒントが、まるまる一章使って、書かれていました。その章では主に、考え方やスキルについて書いてありました。(第3章 「どうしたらいいですか?」を受け止めるスキル)
そして次の章では、そもそもなぜ、話し、聴くのかを考える章でした。(第4章 話すこと聴くことの意味を考える)
スキルは持っていて損はないと思います。
自分のできることに広がりや、深みが出ると思います。
しかしそれと同時に、自分が何を思い、何を目的として、話を聴くのかもとても大切であり、スキルはただ使うのではなく、その想いに乗せて使うものだということを思い出させてくれました。
スキルだけでなく、自分の持つ「話を聴く意味」についても見つめ直させてくれる本です。
傾聴ができるようになりたい、言葉の力で人を癒すことができるようになりたいと思っている方は、一度読んでみるのもいいかと思いました。
お読みいただきありがとうございました。
素敵な一日になりますように。
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