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42 障がいは、もっているものではなく、"ある"もの。
眠り子です。
発達障がいという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
発達障がいに分類されるもののうち、特に名前が有名なものを挙げるのであれば、アスペルガー症候群、ADHD、学習障がいなどでしょうか。
今回は、障がいに関するお話です。
ところで、障がいという言葉に、どんなイメージを抱くでしょうか。
おかしい。変。何か欠けている。
そういったイメージを抱く人も、少なくないのではないかと思っています。
昔、障がいは、その人がもっているもの(個人要因)だと解釈されていた時期がありました。
例えばこちらのイラスト。
車椅子に乗った方が、段差があるため前に進めない状況です。
障がいは個人要因であるという見方でこの状況を見れば「この人は身体障がい者だ」となるでしょう。
一方、障がいは環境要因であり、その人が障がいをもっているのではなく、その人に対して障がいがあるという見方だとどうでしょう。
この方は確かに車椅子を使っていますが、階段だけでなくスロープも用意されていれば、この人には何も障がいは生まれませんでした。
このように、障がいは個人要因でなく環境要因であるという見方、障がいはもっているのではなく、あるのだという見方ができると、障がいという言葉に対するイメージが大きく変わると思います。
例えば、アスペルガー症候群。
アスペルガー症候群は、自閉スペクトラム症の中に含まれます。
このスペクトラムという言葉は、連続体を意味します。
つまり、健常者と自閉症者の間には明確な境目はなく、グラデーションのようになっています。
言ってしまえば、人それぞれ得意不得意や性格などの特徴が異なる中で、自閉症の特徴に分類されるものが強く現れている人のことを、特に自閉スペクトラム症と呼んでいるに過ぎないのです。
また、アスペルガー症候群の人はコミュニケーションに問題があると言われることがありますが、コミュニケーションとは必ず2人以上で行うものです。
その時点で、どちらか一方だけに問題があるということなどないのです。
正しく、障がいはもっているものではなく、あるもの、だと思っています。
ADHDも学習障がいも、環境を整えるだけで、障がいがなくなることは多いです。
人間、人それぞれ得意不得意があれば、発達の偏りもあるでしょう。
それを、いわゆる定型発達とされている人の側だけで見て、相手側が問題なのだと思ってしまうことのないようにしたいですよね。
ちなみにですが、今回のnoteのトップ画像に使用したチューリップは、色ごとに様々な花言葉がありますが、チューリップ全体としての花言葉は「博愛」「思いやり」だそうです。
お読みいただきありがとうございました。
素敵な一日になりますように。
車椅子のイラスト提供:いらすとや様