知識は使うことに意味がある。
知ることだけでは十分ではない。それを使わなくてはならない。
今回のドイツの詩人ゲーテの言葉を紹介したい。ゲーテは、幼少時代から英才教育を受け、大学は法学部に入学した。そして、21歳で弁護士事務所を開業するも、文学に関心を持ち、1年後に休業する。そこから、自分が興味の持った学問(植物学、解剖学、光学)を学び始める。そして、ゲーテの残した作品の多くが現在も多くの人の心に響いている。
今回のゲーテの言葉で、私は2つの場面が想像できた。
1つ目は、学業において成績の上がらない子供である。勉強をしているのに、成績が上がらない子供の特徴は、インプットばかりに集中して、アウトプットを行わない子供である。もちろんインプットは大事である。知識がなくては、戦えない。しかし、それ以上に大切なことは、インプットしたことを正確にアウトプットできるかどうかである。テストは、インプットしたものをアウトプットする作業なので、インプットしか行わない子供は、勉強は出来るようにはならない。だから、私は塾講師として、インプット3割、アウトプット7割と指導し、1回ですべてを暗記するのではなく、何度も反復することを薦める。そのように行えば、自分が得た知識を正確に、テストでアウトプットすることが出来る。そして、結果が変わっていく。ぜひ試していただきたい。
2つ目は、本を読んだり、セミナーに参加して、様々なことを学ぶが、そのままになっているケースである。本やセミナーは、自分を成長させる良い機会であるが、実践しなければ意味がない。人は、環境を変えるのは難しい。はじめは、意識をしないと、本当に変わらない。日々が同じ日となり、変化が起きず、時間だけが経過してしまう。だから、自分に出来るころから始め、出来た時には自分に小さな褒美を与えるのもよいだろう。
例えば、ネガティブな人が、ポジティブな言葉を1日20言葉、口から出すと決めたとする。そのとき、達成出来たら、自分の好きなものを晩御飯に食べるとか、趣味に必ず1時間没頭するなどを自分で決める。はじめは褒美目当てであったことが、習慣化され、最終的には、自分に褒美を与えなくても自然に行えるようになる。ぜひ、本やセミナーで学んだころを実践できない人は試していただきたい。