コード進行は決まったけどメロディーはどうしようってときに考えること: リズム編
はじめに
前回の記事では、コード進行が決まったときにメロディーに使って良い音について紹介した。正直7割くらいこれが分かってると大丈夫なので知らないという方はもう一度見てもらいたい。
ちなみにおしゃれな黒鍵の音を入れる方法も以前に書いている。併せてどうぞ。
リズムは意外と難しい
今回の本題はメロディーのリズムについてである。使える音が分かっても全部4分音符だとやっぱり味気ない練習曲みたいなものが出来上がってしまう。そこで、メロディーのリズムを工夫していい感じにする事が必要になってくる。
リズムの基本の考え方
箱として考えてみよう
例えば8分音符刻みを考える。4/4拍子としたら、4拍✕2で8個の音が入れられる箱が用意されていると考えよう。
|□□|□□|□□|□□|
この箱に入れれるものは3つである。
音を入れる
前の音がある場合、音をつなげる
音を無くす
こういう風にすると「一個ずつの箱をどうするか」という問題に変換することができる。リズムは順列問題に帰着することになる。
16分音符パターンあれこれ
では箱を応用して一拍の16分音符パターンを考えってみよう。音をつなげるのは多くなりすぎるから無しにして、音を入れるか無くすかで全パターンを出すとこんな感じになる。
割合普通の音楽で出てくるパターンがあるし、ほとんど使わないようなのもある。
よくあるリズムを使う
人間は聞き馴染みのある音楽を好む。これはリズムにも言えて、よく使われているリズムはやっぱり心地よくて好ましいのだと思う。ここでは個人的によく使っているパターンをとりあえず2つ紹介する。
一小節で完結する8分裏打ち
裏打ち、シンコペーションは拍の位置とずれたところで音がなるので意外性があり、より音楽的になる。この裏打ちが一番出てくるリズムの一つが以下のようなものである。
このパターンはMozartの交響曲25番第1楽章の出だしで使われているので勝手にMozartのリズムと呼んでいる。(誰もそんな風に呼んでないので伝わらない。)
ベースラインとしてもキックとずらすことができるので便利だと思う。
3-3-2のリズム
ラテン音楽などで非常によく見られるリズムである。個人的には一番好きでほぼ癖のように多くの作曲で使っているし、使ってしまっている。(ワンパターン)
4拍子の曲に対して1.5拍、1.5拍、1拍という半端な音が入っているのでポリリズム (複数のリズムが同時に鳴る状態) 的な要素が出てくると思う。
有名な例はヨーヨー・マがカバーしたリベルタンゴのベースのリズムだと思う。
私の曲だと「火炎中毒」でふんだんに使っている。出だしのピアノがこのリズムである。
なお、ラテン音楽の「ソン」のリズム「ソン・クラーべ」はこんな感じで、前半はこのまま続けたいドライブ感があり、後半はきっちり終わった満足感がある。3-3-2のリズムは前半部分を切り取ったものとも言えるのでドライブ感が連続するのが気持ちいのではないだろうか。ちなみに「ソン」では、奇数小節を挟むことで前半と後半を入れ替えて演奏する場面もある。これはこれで便利なので使ってみてほしい。
混ぜるのが大事
おおよそメロディーのリズムはパターンのいくつかを組み合わせて使っている。前半は3-3-2で後半は普通に8分音符連続など、組み合わせ次第で無限にオリジナリティーが出てくる。逆に言えばよくあるリズムのパターンを知っておけば組み合わせるだけなのでネタには困らないのではないだろうか。
音価を倍に、半分に
音価とは音の長さであり、倍にすると音が2倍長く、半分にすると1/2の長さになる。例えば3-3-2のリズムは何も付点四分音符から始めないで付点8分音符で音価を半分にして使っても良い。逆に二小節にまたがって倍のゆったりしたテンポにすると小節をまたいだタイが発生するので意外性のあるメロディーができるだろう。
セクションごとに音価を変更する
私がよくやるのはAメロが16分音符主体だったら、Bメロは4分音符やそれ以上の音価のようにゆったりとやるということにしている。セクションごとの変化をメロディーでもつけていけるので展開感が出てくる。
例えばこんな感じで作ることが多い
Aメロ
休符を多めに
8分音符で短い音で入れる
Bメロ
長い音を多くしてゆったりと
サビ
16分音符を入れつつ、裏拍を多用して他の音より目立つように
最後に
今回はちょっとわかりにくかったかもしれないが、音の高さとともにリズムもメロディーの大切な要素である。ちょっとでも役に立ったら幸いである。
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