模擬裁判のためのフィールドワーク!
こんにちは!第回のnoteはライター班の中山がお届けします。
先日は皆既月食がありましたね。皆さん見れましたか?私は川人ゼミのフィールドワーク前に経済産業省の横でゼミの友達と見ていました。
このように川人ゼミは実際に現地に赴くことを大切にしています。私は基地問題に関係して今年の6月に厚木基地に実際に足を運び、住民の方のお話を聞いてきました。
先輩方は2021年11月から2022年9月にかけて、西から、普天間、嘉手納、岩国、厚木、横須賀、横田(横須賀は海軍基地で爆音訴訟はない)へ、実地での学びに加えヒアリングを行いました。
こちらは先輩の声です。
「これまで、航空機の配備された基地に5つ伺った。特段被害が著しいと自身で感じたのは嘉手納であった。横須賀を除く他の基地では、航空機がそもそも飛ばない、飛んだとしても一旅行者の私には正直、深刻とは映らない場合が多かったように思う(駒場上空を飛ぶ民間機の騒音と大差ないように感じた)。だが嘉手納で浴びた騒音にはもはや恐怖すら覚えた。」
<騒音体験>
「 道路を一本隔てて文字通り目の前が嘉手納基地、という住宅の屋上にお邪魔した。目の前では、様々な軍用機が動いていた。その更に奥を滑走路が横切る。飛行音のみならず駐機中のエンジンテストと思しき重い音も辺りを包んでいた。我々が滞在した時間帯は、ちょうど戦闘機が、タッチ・アンド・ゴー(着陸→そのまま離陸→基地周辺をぐるっと旋回→着陸→そのまま離陸……)という着艦訓練を繰り返していた。戦闘機の金属音のような騒音が、耳をつんざくだけではなくて、お腹から突き上げてくるのには参った。思わずしゃがんだり、耳に手をやったりしつつ俯いてしまうこともあった(次第に慣れてしまったが)。特に、旋回する戦闘機の後部がこちらを向いたタイミングの騒音の酷さは(そのタイミングが最もうるさいのは当たり前かも知れないが)、言葉を絶するものがあった。鼓膜をつん裂きそうで、かつ、お腹から突き上げてくるその騒音をどうやり過ごすか、という点以外に集中できるものがなかったです(と言ってもできるのはせいぜい騒音が終わるのを待つことくらいでしたが……)。」
< 騒音の体験を踏まえて考えたこと>
「基地周辺に居住ないし宿泊するなどしてある程度長く滞在したことのない旅行者、傍観者の域を出ない私が、騒音被害や爆音訴訟について何かを考え、あるいは模擬裁判劇という形で何かを発信すること自体への傲慢さは、個人的には禁じ得ない。少し体験したことがあるに過ぎず、騒音と共に長期間過ごす生活の有様やそこでどう感じるのかの解像度が上がりきってはいない。」
「その中で地に足つけて言えると個人的に思うのは、以下。騒音は1日中鳴っている訳ではない。1日のいつ飛ぶかも不規則であり、そもそも飛ばない日もある。しかも、騒音が継続するのは機体や場所にもよるが、およそ数秒-数十秒のことである。だが、騒音に晒されているのが短時間であったとしても、その間、騒音が過ぎ去るのをただじっと耐えて待ち続けるくらいしかできることがないのは、実際に嘉手納で少し体験しただけだが、単純に不快であった。」
「これだけの体験をもとに基地周辺住民へ思いを馳せること、その立場になって考えることは無謀だと個人的には思う。が、この私にとって『不快』でしかなかった『あの騒音』に似た騒音を浴びて過ごしている方々が各地に存在すること自体は確かだと思う。安全保障という大きな問題について考えるときは、せめて、自分の実感を離れた受け売りの大きな言葉で語り、『理解』した気に、『意見』を形成した気になるのはやめて、自分の具体的な騒音の体験を思い返し、思考の一材料としたいと思う。」
◆全駐労横須賀支部でのヒアリング
全駐労とは、在日米軍基地で働く駐留軍労働者で組織している労働組合のことです。
「爆音訴訟の現場の一つ・基地についての学びを、騒音被害の発生場所として外からだけするのではなく、基地の中で働く方々の視点に立って内側からも試みたかった。色々な基地を周り、その周辺の住民の方のお話を聞く過程で、視野狭窄は避けるべきだという思いも大きくなっていた。」
「実際に働かれている方と実際にお話しし、ヒアリング後にも沸いた疑問をメールしたり資料を頂いたりする中で、在日米軍基地内で働く労働者、という自身の非日常がぐっとリアルな問題として観念されるようになったことで、基地内の労働問題への興味関心が強まった。」ヒアリングの内容や考えたこと、議論など詳細は「基地労働者の労働問題」を扱う模擬裁判のムービーに上がっております!お楽しみに!
*上演スケジュールと会場
11/19(土)
第1回公演 開場 10:30/開廷 11:00/閉廷 13:00
13:00-14:00 映像作品上映
第2回公演 開場15:00/開廷 15:30/閉廷 17:30
11/20(日)
第3回公演 開場12:15/開廷 12:45/閉廷 14:45
会場:東京大学駒場キャンパス KOMCEE21 EAST 地下1階 K011
今年度駒場祭はハイブリッド開催を予定しております。本企画も対面・オンライン併用での企画実行を予定しております。オンラインでのリアルタイム/アーカイブのご観劇・映像作品のご視聴は、駒場祭HPもしくは模擬裁判2022のHPにて可能となります。
(参考:2022年の駒場祭概要 https://www.komabasai.net/73/visitor/hostingstyle)visitor.komabasai.net
第73回駒場祭公式ウェブサイト
第73回駒場祭の公式ウェブサイトです。2022年11月18日 (金) 〜 20日 (日) に開催されます。
https://www.komabasai.net/73/visitor/hostingstyle
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