肌
肌理の集合であって点の密集ではない視界。
点の断続ではなく滞留した時間に楔を打つリズム。
時計が打つ楔の間隔は時間に固有のスピードを生み、時計特有の楔の打ち方が楔の打たれなかった時間に与える固有の何かがある。
歩幅の違いがその人に固有のスピードを生み、その人特有の一歩がその人に与える固有の何かがある。
指揮者は楔を明示して時間に固有の流れを生み、指揮者特有の動作が打点を示さなかった時間に与える固有の何かがある。
それらは、
肌触りというべきか、肌理というべきか。
肌理の集合であって点の密集ではない世界。
リズムは連続体に打たれる楔。
単語は連続体に打たれる楔。
楔を強く打つタイトな音楽。
楔を強く打つタイトな文章。
学術的文章のような。
それよりも、心地よい肌触りの文章に癒される。
それは読むというより触れる感覚。
楔が際立つトゲトゲした肌理よりも、楔の目立たない心地よい肌触りを欲することがある。
心地よい肌触りの文章が読みたい。
心地よい肌触りの文章を書きたい。
すべすべ肌。
もちもち肌。
質感。
俺の文章はちょっとタイト。
フレーズとしての段落の取り方が文章に打つ楔と、文章の肌理に与える印象すらも操りたい。
もっと優しく連続地帯も包み込みたい。
ー
26歳1ヶ月