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森の賢者4

お話の続きです。




千年の誓いをたて、わたくしたちは、この森で、過ごしてまいりました。



故郷のあちらの世界とは、切り離されたこちらの世界です。



また、花咲く春が、終わり、夏がやってきました。


夏は、いい季節です。木々や川のせせらぎが、聞こえてきます。





森の動物たちが、元気に遊んでいるのを時々目にします。





わたくし達は、違う世界からきましたので、
少し普通の人とは、違うのかもしれません。



なかなか、里の人達とは、お会いできません。



先代の森の賢者様は、わたくし達に、大人にみえるようになるまで、森をでないようにと強く言っておりました。



わたくし達も子供では、なくなり、大人にみえなくもない年恰好になりました。



背は、ぐっと伸び、体が、しっかりしてきました。



もう、大人なのでしょうか?



少なくとも、こちらに来たばかりの時よりは、成長しています。



わたくしの佳人も、かなり背が、伸びました。


いつもお料理を楽しんでいます。



今日は、何かな。


美味しいものを考えてることでしょう。



わたくしは、今日も修行の場所にやってきました。


千年の祈り、誓い、歌い舞を奉納しにきました。



後から、わたくしの佳人が、合流し、得意なカノを演奏してくれます。


カノというのは、その家に伝わる楽器という意味のそのうちに伝わる特別な楽器です。







カノは、弦を爪弾いたり、トントンと軽く叩いて、演奏します。

変わった楽器ですが、歌を邪魔しない、テンテンと澄んだ音がします。


わたくしは、腕に鈴をつけて、舞を踊るので、二人の息がぴったり合わないと、奉納には、なりません。



最初に、森の主にことわりの歌を歌います。



森の主にも、許可をいただくためです。



この森から、平和と安寧と豊穣さを願います。



カノの演奏がはじまるとわたくしは、歌いはじめました。

高く低く、どこまでも伸びやかに歌います。



歌い始めると舞はじめ、両腕の鈴が、しゃんしゃんと鳴っています。



森の天高く、二人の奉納は、吸い込まれていきました。







つづく。





こんばんは。^^


森の賢者の続きをなんとか、書いております。


不思議なもので、主人公達も成長しているようです。


お読みいただきまして、ありがとうございました。^^

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雪見の兎
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