時代ならではの熱はどこまでも愛おしい。
映画「止められるのか?俺たちを」、「素敵なダイナマイトスキャンダル」を連続で鑑賞して昨夜はもうおしまいって感じでした。
今よりもなにがしかの熱があった時代ならではなんだろうか。その辺はあえて断言は避けようと思う。時代によってその熱が放出される場所はさまざまだ。もう少し時が経てば2000年代初頭のITベンチャー系なんかは素材としては面白いかもしれない。ニーズがあるかどうかは別だけど。90年代音楽業界とかね。この夏にテレ朝深夜でやっている「M」とは別アプローチの。
CSなんかでやっている昔のドラマを観ていると作品によってはその輝きはステイなまんまだし、かったるくて観てられないものもある。88〜9年頃に単発スペシャルでオンエアされたと思われる某作品を録画していたので昨夜最初の30分だけ観た。最初の10分で挫折しそうになったが必死に耐えてみた。だがムリでしたね。きっと続きを観ることはないだろうな。そう思ってさっさと削除した。観てられないものは仕方ない。
時代考証は大事。詳細に構築するにせよ、あえて無視しちゃうのも含めて。例えばいまあえて90年代初頭の渋谷を舞台にってなると難しい。松本隆が自伝小説「微熱少年」を映像化する際に60年代の渋谷を撮ろうとして即諦めたってエピソードがあります。まあ今はその辺CGで構築していく手はあるんでしょうが。大根仁監督の「SUNNY」はまさにソレでした。「M」はあえてそこをすっ飛ばすことで視聴者を別次元に誘うことに徹底した作品でした。個人的にはあの頃の渋谷の空気を目一杯詰め込んだ作品をもっと観たい。センター街の雑踏、井の頭線ホーム裏の猥雑さ、タワーレコード渋谷の先にあった通り沿いのレコード屋や古着屋たち。どれもこれもいつのまにやら姿を消してしまった。
時代ならではの熱ってやつは、どこまでも愛おしい。
すっかり姿を変えてしまった今の渋谷の街並みも、きっといつかそう思われる日が来るのだろう。
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