散文詩 あかしあのくにの、あのこのうたう、あそびうた(2010年)

あめつちの、はじまるころから、あわのようにさきみだれている、あねもねに、あけびにあざみにあいりすのはな、あかつきの、あえかなひかりのあやおりもように、あたためられて、あけがたいろに、そめられている、あぜみちを、あせばむからだであるきつづけた、あたしのあしあと、あさいどにたまった、あまみずのかがみに、あのひにむかってあかずのとびらが、てつかずのままで、あつみをなくして、あんずのいろしてゆれていた、あめんぼ、あのひと、あかとんぼ、あさもやのあいまにあらわになって、あみのめをしたみずひだのあわいに、あなたとふたりであしのはで、あんだこぶねをうかべてあそんだあのひが、あざやかなそぶりでうつしだされて、あかねいろしたみずのほとりに、あたしのなみだが、からだみたいに、あしばをさがしておちてった、そうするあいだに、あみだにかざしたてのひらに、ありあけのくもが、あさひにまざっておりてきて、あらがうことも、あらそうことも、あやまることも、あじわうことも、いろあせた、あじさいみたいにあじけない、ひあそびだったと、はきすてるみたいにそっぽをむいて、あたしをみないで、あっちへいった、あなたのつぶらなこえのふるえのあとあじに、たえきれないまま、あとしまつをした、あきがきたのにあまりにもあつくて、あしたなんてもう、こなくてよくて、あながあったら、はいりたかった、あめだまよりも、すきとおっているあさひをあびて、あわだちそうが、あらせいとうが、あおいのはなが、かぜにあおられ、ゆれている、あすふぁるとのそばあんぜんほどうで、あそびばさがして、あるきまわって、わからずやでいるおおきなひとを、ばかにする、あかるいかみの、あかいほおした、あまがっぱをきたみつあみのしょうじょで、いたかった、いたいけな、あまのがわをながれるすなをあつめて、あらめみたいにみずあびをする、あどけないこびとで、いとけないこどもで、あらけないこいびとで、いたかった、あまえたかった、あやされたかった、あいされたかった、あたしのみぶりを、たとえばあたしにただしいそぶりで、だれかにあかしてほしかった、

だけれどあなたはもういないから、あたしはそういうあたしをやめて、あらたなあなたと、あたわしいあたしが、したしいすがたで、したわしいようすで、あかるいかおしてやってくるのを、

あさがくるのを、まっていた。

(2010年執筆 2012年推敲)

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