散文詩 ガラスの色をした河のほとりで(2010年)
――くずれおちていく、くずおれていく、粉屑になっていく、でもガラス粒になってそれはきれいに見える、幻の中に眼があってそれに見据えられている、無意識のままでおいてけぼりにされて、さばかれて、人は見たいものしかみない、わたしはあなたにそういう風に見られたかったのだと彼女は言う――夢のなかで、歪む、空間が引き伸ばされて同じ場所を見ている、同じ場所、でもここはどこだろう――人の、一文字も、一口も、抽象されることのない、平面に囲まれている、ガラス質の空間に捕えられている、そういう世界が